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主人公、神殿都市に行く

「では、カイト様、神殿都市に行きましょう~」

「おー」


締まりのないシーラの掛け声と棒読みの呼応。


特に乗り気はしないのだが、城レベルが2に上がった俺は神殿都市に行けるワープコアを持つことが許された身分になっているらしく?今日は初め神殿都市に行くことにしていた。


城レベルが2に上がってから結構日がたつが、これまで神殿都市に行かなかったのは他にやることが沢山あったからだ。作業の効率化のためにインターネットショッピングしたり、服を買ったり、都市計画立てたり、兵装考えたり…と、やることが盛りだくさんだった。


そんな作業がひと段落ついたので、神殿都市に行ってみることにした。


まぁ、1日2日俺が不在だったとしても、既に皆計画に向けて着々と作業を進めてくれているので、その段階に立つと俺のできることは少ない。


で、移転した!という以外は何の感慨もなく神殿都市に到着した。


移転先は神殿都市の城門前。


「でっかいなぁ…この城壁、何メートルあるんだ??」


白く巨大な城壁が俺たちの目の前に現れた。材質は何だろうか?大理石?しかもすごく表面が滑らかで石と石の隙間が分からないほど。


「私もよくわかりません~」


まぁ、○○メートルです!キラッとかいう回答が返ってきてもね。


さて、城門には兵士が立っており、検問しているように見える。この兵士の恰好がまた、全身銀ピカの甲冑で身を包み、豪奢な装飾がされたハルバートっていうのかな?そういう長い武器を手にしている。


「あの検問、俺は通過できるんだよね?」


「はい。私がいれば問題ありません。」


シーラがいれば問題ない!という点に一抹の不安を感じてしまうのはこれまで俺たちが積み上げてきた信頼関係のたまものだろう。だが、まぁ、疑っても仕方ないので俺とミヨはシーラの後についていく。


まぁ、検問は何の問題もなく通過できて、城内に入る3人。そしてそこには白く輝く美しい街並みが姿を現した。建物も白、道も白、白すぎて目が痛い。


「これさぁ、ちょっと都市景観を考えたほうがいいんじゃないの?まぶしすぎる。」


「そうでしょうか?私は慣れてるからあまり気にしませんけど?」


「まぁ、慣れの問題だという点については同感だけどな。で、今日は何を見ればいいんだ?」


そう、神殿都市に来てみたものの、やることがはっきりしていない。シーラに「神殿都市に行きましょう!」とは言われたものの、ただ行くだけが目的になっていたような気がする。


「まぁ、今日は神殿都市がどんなところか?というのを知ってもらえれば十分かと。ここでしか売られていないものが沢山ありますし、もしかしたら他のガバナーとも会えるかもしれませんよ?」


「他のガバナーと会ってもなぁ。どうせ敵になる者同士だろ?ああ、そういえば同盟を組むというのもアリとか言ってたな。」


「そうですよ~?戦争ばかり考えていてはだめです。時には同盟も必要になりますし、戦争ばかりが戦いじゃないんですよ。神殿都市における政治的な駆け引きも次第に大事になってきます。」


「政治的駆け引き…ねぇ。未経験の領域だ。」


まぁ、未経験とか言い出すと、そもそも今のサバイバル生活も戦争自体も未経験なわけだが。


「あちらにお店らしき建物が沢山あります。マスター」


「どれどれ?おお、本当だ。」


ミヨが指し示す方には、商業エリアなのだろうか、たくさんの暖簾・看板が表示されていた。


「ここには城専用のアイテムは勿論のこと、通常の日用品から武具まで様々なものが売られているんですよ?そかもどれもこれも神殿都市の技術が使われた高価なものばかり。」


「へぇ…ちょっと覗いてみるか。」


「はい、マスター。」


というわけで、ウインドウショッピングの開始である。


しかし、かなりの広さの商業エリアである。感覚的でしかないが、新宿くらいの広さはあるんじゃないかと思う。勿論、新宿にある高層ビルほどの高さの建物はない。精々4階建て程度の高さだ。


まず最初に入ったのは服の店。


俺の今の恰好はなんとTシャツにGパンという超ラフな格好。ミヨもキャミソールにGパンという恰好だ。これがまたやたらと目を引く。服装に目を引いているのかミヨが目を引いているのかは定かではないが、いかんせん目立ちすぎる。


ここの住民の恰好はヒラヒラとした古代ローマで着られていたトーガと呼ばれるものに近い。俺が知っているトーガという服は基本白の布地で、腰帯をしているような恰好なのだが、生地の色は様々で、黄色もあれば、紺もあれば…という感じだ。そこに違った色の腰帯をつけている。


とういわけで、早速試着してみることにした。


「おお、意外と動きやすいな。」


「カイト様。お似合いですよ~」


俺が選んだのはオーソドックスな白の布地に紺色の帯。まぁ、目立たないように服を選んでいるのだからこんなところだろう。


「この恰好、どうでしょうか?マスター」


ミヨが選んだのはピンクの布地に黄色の帯という恰好で、茶色い髪に幼さの残るミヨに似合っていた。


「うん、奇麗だよ、ミヨ。」


ミヨの心配そうな表情が一気にぱぁっと明るくなる。こういうコミュニケーション大事だよね。まぁ、ろくな誉め言葉を知りませんが、誉めたのは本心。


さて、ご会計は1ジュエルということで、さっそく城レベルが上がったことで得た100ジュエルのうち1ジュエルを消費した。


「あのさ、この都市でのお金の価値基準を教えてくれないか?」


「そうですねぇ~、平均的な1か月の生活で、大体20ジュエルほど必要でしょうかねぇ。それで、ジュエルの下は金貨、銀貨、銅貨で構成で構成されていまして~…」


というわけで、こんな感じ。


1ジュエル=金貨10枚

金貨1枚=銀貨10枚

銀貨1枚=銅貨10枚


日本の感覚からすると、1ジュエルは1万円ととらえればいい気がする。そして金貨は1,000円、銀貨は100円、銅貨は10円といった感じだろう。


その後、武器屋、防具屋なども見て回った。


「神殿都市で売られている武器・防具ってのは、付与魔法づくしだな。」


そう、売られている武器・防具には最低1個以上の付与魔法がつけられている。


防具はどんな感じかというと、”肉体強化”、”魔法無効化”、”対物理攻撃無効”とかいうのもあるし、”毒無効”や”火魔法無効”とかいった特殊な効果を付与されているものもあった。


武器はさらに多種多様だ。火魔法を付与した、燃える剣なんてものもあるし、カイト領で作ろうとしている雷魔法を発する杖みたいなものもあった。


「そうですねぇ~、神殿都市改め、魔法都市と言っても違和感ないほど魔法が浸透していますから、武器・防具もそんな感じですねぇ。」


「ただ、科学技術はあまり進んでいないように見えます。マスター」


「まぁ、そうなんだが、おそらく魔法の技術が進んでいて科学技術を発展させる必要性が無かったんだろうな。と、勝手に推測するけどね。」


これだけ魔法技術が発達していれば、地球が科学技術で解決していることも魔法で解決できそうだ。逆に地球は魔法というものがないから科学技術が発展したといえる。


しばらく歩いていると腹が減ってきたので、食事をとるために飲食店を物色していた。

周りには普通のレストランもあれば、屋台で立ち食いできるような店もあり、様々だ。


「これは神殿都市の名物料理で、黄金毛鶏の香草焼きですねぇ。」


シーラが選んだ料理は屋台で売られていた、焼き鳥のようなもの。何の香草かわからない。それにレモンのような柑橘系の汁をかけて食べる。


「おお、うまいな。しかし、味がシンプルだな。結局はレモンの酸っぱさと塩味?」


「そうですねぇ。やはり味付けは香草類と塩、レモン、といったものがメインですね~」


「唐辛子とか、胡椒のような辛味はないのか?」


「何ですか?その唐辛子とか胡椒というのは??それに辛いというのは塩で十分なのでは?」


おや、意外な事実判明。辛味がないというのは何たる不幸。


その後も食べ歩きしてみたが、シーラの言う通り最後までピリッと辛いような料理に出くわすことは最後までなかった。逆に素材本来の味を楽しんでいるともいえるが、料理のバリエーションで言えば地球のほうが遥かに多いと思う。


「こりゃ、ピリ辛料理を神殿都市でやれば流行りそうだな。もっとも、そういう味が受け入れられるかどうか分からんが。」


「うーん、カイト様がいうピリ辛料理っていうのがよくわかりませんねぇ。ちょっと食べさせてもらいたいのですが…」


「そうだなぁ~、とはいえ調理器具も何にもないから食べさせたくても無理があるんだが…あ、これなら…」


ということで、シーラのために出した食料はスナック菓子。

ただし、ただのスナック菓子ではない。ハバネロを使った辛い奴だ。


果たしてその感想は…


「何これ?ウマー!!!ナニコレ??本当にウマー???」

「マスター!!何ですかこれは?辛くて苦しいけど…美味しい!?」


うむ、無事に新たな味を覚えたようだ。

その後二人が大量の水を所望したことは言うまでもない。


しかし、これはいい商売になるかもしれない。


神殿都市には俺が求めるものが沢山ある。武器防具はもとより、今のジュエル数ではとても買えない都市専用アイテム。それに魔法の習得。


そもそも、城のレベルが上がった時に得られるジュエルではとても手が届かないだろう。


だから、神殿都市で金を稼ぐことができればその恩恵は計り知れない。


ただ、ガバナーが神殿都市で商売を始めてもいいものか?シーラに聞いたところ、全然問題ないらしい。


「ただ、店を出すにも設備がないし物資もここじゃ調達難しいからなぁ」


最初は屋台でいいと思うが、そもそも神殿都市で屋台なんてどうやって調達するんだ?という話だし、食材もここでは調達が難しいだろう。唐辛子や胡椒を神殿都市周辺で一から栽培するのか?って話だ。


「それならワープコアでカイト領から持ってこればいいじゃないですか。」


「え?そういう物もワープできるの?」


「できますよ?」


「あ、そう…じゃ、やってみるか」


ということで、俺は神殿都市で店を開くことにした。

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