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主人公、都市計画を立てる

ここ最近は連日大量の服をインターネットショッピングで買うことになった。


「連日」というのは、服なんて着まわすにしても洗濯を考えれば最低2着は必要。いや、2着なんて最低の最低だから3着。しかし、その1着というのは普段着であり、作業着はまた別だ。普段着というのはTシャツに短パン、それに下着なわけで、そんな格好して鍛冶仕事や農業・畜産業・林業 etc…ができるわけがない。


さらに、需要は服だけではない。靴、そして靴下、さらにサンダル。これらも全て購入した。これがまた金がかかる。もとい、APが大量に必要となる。


そしてさらに…カイト領の人口は俺の兵士生産によって日々増え続ける。いつの間にか700人を突破した。そして増えた兵士にも衣類や靴などを提供しなければならない。


「これは早く領内での生産を考えないと、本気でヤバい。が、初期に比べたらようやく落ち着いてきたか。」


今では新規に増える兵士分の衣類だけ買えばよい状況にはなってきたので、APの全てを衣類に当てるということはなくなってきてはいた。こうして、ひとまずカイト領における衣食住は最低限達成できたという状況ではあった。


次はそれを発展させていかなければならない。


今俺は紙と鉛筆を前に頭を悩ませていた。今俺が考えているのはカイト領の都市計画だ。


カイト領の居住環境は現代日本に比べて劣悪と言わざるを得ない。なぜかといえば、


1.プライバシーの無い集団長屋生活

2.排泄物は川に流しっぱなし(勿論、漁をする場所の下流で行っている)

3.塗装されていないぬかるんだ道

4.都市防御(城壁も城門もない)

5.風呂

6.公共設備(集会所、俺の館、貧弱な生産設備)

7.電力の生産・供給

8.ゴミの処理


などがあげられる。

一つ一つ見ていこう。



1.プライバシーの無い集団長屋生活


これに関しては、やはり個室を用意すべきだろう。ただ、最近はカップルもどんどん出来上がってきていたりするので、いずれ家族用の家も用意する必要が出てきそうだ。


これからさらに人が増えることを考えると、とりあえずは2000人(つまり、今の人口の3倍)は住めるようにしたいと思う。そこで、個室1,500戸(1ルーム的な部屋)、ファミリータイプ500戸が作れるプランにした。


さらに、現在の長屋は高床式になっているとはいえ、1階建てだ。これを3階建てにして土地の効率的活用を図ることにした。


「木材だけでなく、大量のレンガとセメント・コンクリートが必要になりそうだ…」


流石に鉄筋コンクリートは生産が難しい。すべてAPで対応する必要がある。カイト領で作れるレンガを何とか活用していかないと埒が明かない。ちなみに、レンガとセメントを使った工法は古代ローマで実践されてきた方法だ。今のカイト領としては十分だろう。



2.排泄物は川に流しっぱなし(勿論、漁をする場所の下流で行っている)


この問題を考えるうえで、上下水道の必要性を痛感する。現在は飲み水は井戸を使い、それ以外は川の水を使っているが、上水道で飲み水や洗濯、風呂に必要な水を確保し、トイレを準備してその排泄物は下水に流すようにしなければならない。

そして、その水は川から持ってきて川に流さなければならない。


「となると、水を浄化するための設備が必要になるな。」


インターネットで調べてみると、砂で作ったろ過設備に川の水を浸透させて不純物をろ過するというやり方があった。ちなみに、古代ローマでは山からきれいな水を水道で持ってきたそうだが、カイト領ではその策は使えない。そもそもきれいな水を持っている山が見つかっていないし、仮にあったとしても途中に他のガバナーや原住民がいないとも限らない(というより、確実にいるだろう)。


上水道で使用する水はろ過設備で用意するとして、下水はどうするか?


下水(つまり、汚水)をカイト領内から外に出せば、最低限の目的は達成できる。目的というのは都市の衛生。つまり、下水に含まれる菌やウィルスを外に出せればいいのだから。


ただ、川に下水をそのまま流し続ければ、いずれカイト領の下流に住んでいるかもしれない他のガバナーや原住民にカイト領の存在が知れる可能性が高い。いずれ知れるだろうが、積極的に知らせる必要はないし、現時点では知られないほうがメリットが大きい。


さて、下水処理施設はどうするか?本来なら微生物を利用して下水に含まれる有機物(菌やウィルスる含む)を除去するものらしいが、利用できる微生物なんて存在しない。


そんな中、ふとある存在に気付いた。


「グリーンスライム…しかも大量いる。あれを利用できないかな。」


汚水に含まれる有機物をグリーンスライムに全部食べさせようというプランである。一旦、その方向性で考えることにした。


「しかし、いずれにせよ、大量のレンガとセメントが必要だなぁ・・・」


上水道用の浄化設備にせよ、下水の処理設備にせよ、そして町をとおる給水排水の仕組みにせよ、水を流すまたは貯めるということが必要。となると、それを作るためにはレンガとセメントが大量に必要になるだろう。


そして、それらの設備を元にしてトイレを作る必要がある。トイレは各建物に設置することにした。ただ、流石にトイレもレンガ張りというのはいかがなものか?というわけで、タイルと陶器で作るプランで考えることにした。



3.塗装されていないぬかるんだ道


ぬかるんだ道というのは、これまた不衛生だし、今後物資の輸送を馬や牛などの動物や、馬車などの車輪を持つ道具で行おうと考えたときに、効率性が悪い。というわけで、これを解決するためにも石やレンガで塗装された道が必要だ。



4.都市防御(城壁も城門もない)


まだザシュ以外の外敵と遭遇したわけではないが、いずれ現れるだろう。相手がどれほどの力量を持っているかはわからないが、可能な範囲での城壁と城門は必要だと考えている。少なくとも居住地と生産設備を覆う程度のものは建てる必要がある。これもやはりレンガが大量に必要となる。さすがにこの辺に潤沢にある木で作るにしては耐久性に問題がある。



5.風呂


上水道設備の一環ではあるが、体を清潔に保つためにも風呂は必要だ。現在は川で賄っているが、流石に男女の仕切りもない川でこれからも…というのはいろいろとまずい?ような気がする。だから公共浴場を作ろうと決めた。


「あ…ということは、石鹸、シャンプーも必要になるな…」


またAP消費が増えそうだ。


いずれカイト領内で生産できるようにはするつもりだが、当面はインターネットで買う必要があるだろう。



6.公共設備(集会所、練兵所、俺の館、貧弱な生産設備 etc)


必要性は言わずもがな。とりあえず、大量のレンガとセメントが必要なのは言うまでもない。



7.電力の生産・供給


既に一部電動式の道具をカイト領では使い始めているし、今後も電気の需要は出てくるだろう。エルフに雷系統の魔法を使ってもらって…ということも考えたが、毎回それで補うというのは…ねぇ?


「うーむ、出来そうなのは風力発電、水力発電、太陽光発電くらいかな。」


流石に火力発電とかは設備を建設するのが無理だ。ただ、いずれの設備もインターネットショッピングで対応可能なレベルでしか賄えない。最低限、工房等の電力を本当に必要とする建物のみに供給できるようにしようと考える。


ただ、電気の生産設備だけでなく、蓄電、送電も考えなければならないから結構面倒だ。




以上が、ざっと考えた結果だが、いずれにせよ大量の、いや、超超大量のレンガとセメントが必要だということはよくわかった。


「こりゃ、レンガ造り用の窯がいくついるんだ…それに燃料の木も大量に必要…」


それに、問題は設備だけではない。土地をきちんと区画割りして、そのうえでどこに何を造るかを考える必要がある。じゃないと効率的な都市運営が行えない。


というわけで、それらのことに頭を悩ませながら図面を考えていった。

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