表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界最強観察記  作者: みるの
8/12

第八章 アンカー

 ⒏ アンカー


『アンカー』

 

 それは、この世界に生まれた人間すべてが持っている特殊能力である。能力の形は、個人によって異なっており、一人が持てる能力は一つだけだ。

 この力は、目や鼻と同様、生まれつき体に備わる『宝石』を通して発動される。

 オレの宝石は、左手の甲に付いており、形はひし形。能力発動時に、青い輝きを放つのが特徴だ。

 先程オレは、このアンカーの能力を使い、ヒモルに向かって攻撃を仕掛けた。その能力の名は――


『絶対固定』


 生物を除くすべてのモノを固めることができる能力だ。

 例えば、投げたボールを宙に固定し留めることもできるし、炎や電気など形の定まらないものを固体にすることも可能だ。

 つまりオレは、剣で空気を切り裂き、その断裂部分をアンカーで固定。それを敵に打ち飛ばす、いわゆる『かまいたち』に似た攻撃を仕掛けたわけだ。

「いかに優れたガード手段を持つ者でも、見えない刃は防げねーだ…………ろっ?」

 土煙が晴れ、目の前に現れた光景に、オレは言葉を詰まらせる。

「む、無傷……だと?」

 そう、オレの攻撃をまともに浴びたはずのヒモルは、変わらぬ姿でそこに座り続けており、ダメージなど一切見られない。

 それどころか、奴の周りをヒラヒラ漂う蝶々達でさえ、何一つ変化することなく、そこに存在し続けている。

「一体なんで……ハッ!」

 原因を探るべく目配せすると、その理由はすぐに見つかった。

 ヒモルが座るすぐ目の前の地面に、横一文字の大きな傷ができていたからである。

「ちっ、外したか。ならば!」

 一つの技で外したのならその数を増やせばいい。

 点ではなく面での攻撃を仕掛けるために、今度は三つの横一文字、空気の断裂刃を用意する。

「くらえ!」

 そうして叫ぶと同時に、オレは複数の見えない刃物を放ち、再度、奴に噛み付かせる。

 が……結果は全く変わらなかった。

「あ、ありえない」

 空気の刃は敵まで届かず、地面に新たな三の字を刻んだだけ。その事実に、怒りと焦りが体を蝕んでいく。

「うわああああああ!」

 オレは半ばヤケクソになりながら、次々と攻撃を繰り出す。

 

 固定スイング、固定固定固定スイング、固定固定固定固定固定スイング、固定固定固定固定固定固定スイング!

 

 数を増やした。大きさを変えた。形を変えた。角度を変えた。思いつくままに、ありとあらゆる攻撃を打ち続けた。

 だが。

 しかし。

 世界最強の男に届いた攻撃は、一つもなかった。

 

「ゼェ……ゼェ……ゼェ……」

 肩が激しい上下運動を繰り返す。呼吸がうまくできないほど息は乱れ、汗は滝のように全身から流れ落ちる。

 当たり前だ。アンカーの使用は無限ではない。使うには大量の『身体エネルギー』を必要とする。

 こう立て続けに能力を使用するということは、一度の休みもなしに、ずっとダッシュしてるようなものだ。

 次で、最後かな……。

 悔いは絶対残したくない。すべてをぶつける思いで、左手に意識を集中させ、目の前の敵を見据える。

「オレは……オレは、最強になるんだよぉぉおおおお!」

 己の原点を口に出し、極限まで力強く握り締めた愛刀を振りかぶる。

 その瞬間。

 ブツンという音と共に、オレの目の前は真っ暗闇に切り替わった。

 最後にこの目に見えたのは、オレに向かって銀に輝く手のひらを振りかざす、世界最強の男の姿だった……。


まあ、王道設定です。こういう単純な設定好きなので、組み込みました。

さて、色んな漫画読みあさって、能力をパ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ