第二章 世界最強のすみか
⒉ 世界最強のすみか
腕に覚えのある騎士達でさえ近づかない強力なモンスター達が出現する森。
そこを抜けた先には、緑を一面に咲かせる草原が広がり、その終点には、透き通るような青い海が、太陽の光を一身に受け、キラキラと輝いている。
そんな緑と青を一目で見渡せるような位置にその建物は立っていた。
『世界最強の住む家』
レンガで組まれた二本の煙突が特徴的な、木造二階建ての一軒家。
周りに他の家はなく、完全に世界から孤立している印象をうけるものの、あまりに平和的でのどかな風貌に、とても世界最強が住んでいるとは思えない。
「……き、きっと、世間にバレないようにするためのカモフラージュだよな。なんたって、最強だもんな。色々な猛者達に狙われる可能性もあるもんな」
そう自分に無理やり言い聞かせ、木材でできた扉、入口の前に立つ。
扉には、呼び鈴であろう銀色のベルが取り付けられているのだが……。
「な、なんかベルの上に、よく分からない生き物の看板ついとる~」
犬? ネコ? よくわからんが……これも相手を油断させるためとか、そういうのだよな?
なんともファンシーな演出に気が抜けそうになるが「世界最強」の住処という事を思い出し、どうにか闘気を保つ。
「スゥ~……ハー」
オレは、一度深呼吸をして気持ちを整え、腰に吊るした剣をすぐ抜けるように、柄の部分に軽く触れる。
「よし!」
そう覚悟をきめると同時に、銀色の呼び鈴に手を伸ばし、オレは、空に向かって挑戦の合図を響かせた。
弟に「セリフがなさすぎて読みにくいわ」と言われ、セリフにできそうなところを泣く泣く修正しました。「小説を書こうとするな。SSを書くつもりで書け」との事です。
私は用心深い性格なので、「これで通じるかな?」と情報量を多くしてしまいがちなのですが、読み手としては「少ない情報でスムーズに読みたい」と考えると思うので、ある意味、正解なのかな……?




