第一章【夢物語】第二話【困惑と紹介】
赤く染まる世界からまた住み慣れた我が家の様な夢の世界に入っていった
しかしながらあんな事態でも夢に来るとホッとしてしまう僕はなかなかのメンタルを持っていると自負する
この空間は現実世界とは大きく事なる
まずは空……いつも真っ白で何も無い、しかし今日の夢は違うな。なんかの木造の建物の中だな、今回はロードゲームみたいだ。
そして地面……普段は真っ白、今は石畳の様なレンガの様な?うーん、これもいつもと違う。
そして僕の服装……いつもなら勇者の夢を見ると決めていれば自然とオリハルコン製のブルーメタルアーマーに身を守られているが、今回はなんと一糸まとわぬある意味男らしい姿だ。
こんな格好が似合うのはダビデ像か僕くらいなもんだ
そして恥じらう事無く仁王立ちしている僕の目の前には………
誰!この超絶綺麗系女教師風お姉さんは!!!
*「…………」
黙って僕を見ている、まるでこの世の最大級の汚物を見るような目で、これは一体なんの罰ゲームなんでしょうか?
僕が困惑しているとついに女教師お姉さんが口を開く
女「早くその粗末な物をしまえ、切り落としてもいいが神聖な剣がそんなもので汚れては私が恥晒しになる……」
うーん、どぎつい!!そしてしまえるならば苦労はしない!だってなにも持ってないし!周りになにもないし!
*「隠そうにもなにも持ってないのですが………」
少し考えてからお姉さんが話し始める
女「……そうか、本来なら切り落としてやるところだが。まぁいい、付いてこい」
そういうと回れ右してお姉さんが歩き出す、5mくらい離れて僕も歩き出す
異様な光景だ。
一白くてあまりゴツゴツしていないスマートな鎧に羽飾りの付いた兜
モデル並みの足の長さをガードする腰当て
先がツンと尖った鋼で出来たようなブーツに日本で言う小太刀くらいの剣が腰に差されている
顔立ちは目が合った瞬間ウエディングベルがなるくらい超絶綺麗な美人で腰まで伸びた金髪が兜の間から下がっている
しかし、肝心な事はそこではない
その後をついて歩く不審者の変質者の存在だ
身長163cm、体重60kg、ボサボサヘヤーにすべてをさらけ出した黄金の肉体美。
日本ならば出現後5秒で取り押さえられるか海外なら射殺されてもおかしくはないこの状況………
色々とまずいです。色々と………
女「おい、一応聞いてはいるんだが改めて聞いておく。貴様、名前はなんだ?」
???聞いている?誰に?まぁいい、僕の名を聞いて恐れるがいい!夢の世界を震撼させたあの名前を!!
女「最初に言っておく、夢で語っていた名前なんてふざけた答えを出したら首と粗末な物が切り離されると思え」
僕の負けです
竜馬「酒元 竜馬です………」
恥ずかしい、この名前が裸体よりも恥ずかしい!!
女「名前の由来はなんだ?」
聞いちゃう?!ねえねえ!それ聞いちゃう?!
竜馬「親父が、偉人の坂本龍馬に憧れてて。」
女「……それで?なぜリョウマではなくリュウマなんだ?」
あー………あれだ、この人空気嫁ない系女子だわ~………
竜馬「酒に酔ってた親父が出生届けを出しに行った時に、龍の字が書けなくて竜になった挙げ句、憧れてたくせに坂本龍馬をずっとリュウマだと思ってたからです………」
その瞬間、鼻で笑いやがったこの美人騎士に若干怒りを覚えた事は内緒にしておいた
女「すまん、あまりにもくだらない理由だったものでな、まあ許せ」
綺麗だから許しますよ。これがウメコデラックスとかなら神様の一撃を浴びせるところだ
女「そういえば自己紹介がまだだったな、それから今から行く所の案内も私の使命だから伝えておく」
お?いよいよ本日のメインイベントきちゃいますよ!!
エナ「私の名前はエナ、お前達の世界で言うところの天使であり死神だ………」
人物紹介①
・酒元 竜馬
・日本人で20歳、引きこもりニートだったが事故にたまたま買い物に出かけて交通事故に遭う
・趣味は夢の中で神になる事、好きに夢を作り出せるほどの想像力の持ち主
・身長163cm
・体重60kg
・髪はボサボサで少し長め
・ブラックのコーヒーをこよなく愛している
・相棒の自転車はチャーリーだが今回の交通事故で大破した
・本人曰く夢の世界を震撼させた名前があるらしい