女騎士
皆さん、厳寒の候いかがお過ごしですか?
私、リュウタは馬車の中で正座中でございます。
寒さよりも、足の感覚がなくなってきたのが厳しいです。
リーナに助けを求めたら、「知りません!操車で忙しいんです」と怒られた。
さっきまで上機嫌であったのに、猫人はやっぱり気分屋なのかな?
「聞いてるの?リュウ君!」
「Yes!」
「まだ何も言ってないよ・・・。
じゃあ、聞くけどこの子は?」
「リュウタの奴隷のリーナです。
猫人族で15歳です。昨日、一緒に寝ました」
「む~、よろしくね、リーナ。
私はスズカ・リンンドウ。人族で16歳、一緒にお風呂に入ったことがあります」
「よろしくです。スズカ」
「後でお話ししようね」
「望むところです」
2人はもう仲良くなったようだ、ガールズトークもする予定らしい。
王都についたらお揃いの何か買ってあげようかな。
ん!森の中に500近い魔物の反応と1人の人間の反応が!
「リーナ、スズ、ちょっと行ってくる。ココにいろ」
俺は森の中に駆け込んだ。
「まだ話の途中なのに」
「行ってしまいましたね、一人で大丈夫でしょうか?かなりの魔物ですが・・」
「ん~大丈夫だよ。あの顔をしてる時のリュウ君は強いし、私たちにここにいろと言ったのは
数が多すぎるから、万が一の時に守れないのが怖いんだろうしね」
「なるほど・・ツーカーなんですね」
「リュウタ検定10段ホルダーで、師範だからね。でも・・あの時・・・・・」
「私も受けられますか?」
「う、うん。ありがとう」
「何のことですか?」
「でも、後でしっかり話すからね。私たちはライバルだからこそ
隠し事をしないようにしなくちゃね、抜け駆けもだめだよ」
「はい」
閑話休題
私の名は、ナーシャ。
リヒト王国騎士団に所属する騎士だ。
この森には、騎士団の任務でやってきた。しかし、途中で討伐ランクCのオークの集団に遭遇してしまい
私だけが、女だからというだけの理由だけで囮ということで残された。別に、このような扱いが今日だけであったわけではない、騎士団に所属する女騎士が私だけということと、現団長のアップファルが男至上主義であり、それなりに実力があることが重なり、騎士団の中で私をいびることが当たり前であった。
だが、今はどうであろうか?
私は、囮としての役割を果たすために魔法で動きを封じられており、その周りには下卑た笑みを浮かべる
オークの集団に囲まれている。ほぼ全裸に近い恰好で、私を囲っている。
これを、絶望的な光景というのだろう。
素晴らしい!!!野生の中で争い、その中で勝ち残ったものが得た見事に引き締まった筋肉!!
そんな筋肉が、惜しげもなくさらけ出されている。
「ハァ、ハァ・・・筋肉/////」
「ウワッ!くっ殺だと思ったから、実際にくっ殺聞きに来たのに・・邪魔されないように二人を置いてきた のに・・・なんでだよ、畜生ーーーーーーーーーーーーーーー!」
な!この少年は誰だ、先ほどまで微塵も気がつかなかった。
感知に関しては定評ある私が気がつかなかった?
いや!筋肉に欲情していたとはいえ、気がつかないわけがない。つまり、この少年はそれほどの強者。
その服の下にはどれほどの筋肉が潜んでいるのだろうか?嗚呼、見たい。
「あのー?」
「はい」
「助けてあげるので一つお願いがあるのですが・・・」
お願い?だが、確かにこの状況はいささか不味い。初めてがオークは流石に嫌だし・・
「分かりました、お願いを聞きますから助けてください」
「良し!では、強めの口調で”くっ!殺せ!”と、お願いします」
「??????????」
「一回だけでいいですから」
どういうことだ?何かの呪文なのだろうか?でも、そのくらいであれば。
「くっ!殺せ!」
「来たーーーーーーーー!ありがとうございます、では、”紅桜吹雪”」
そこからは、一方的な蹂躙であった。少年が目にもとまらぬ速さで立ちまわり、500はいたオークを全滅させた。その姿は、古くから伝わる英雄伝説の、英雄の様であった。かっこいい。
嗚呼、私はこの少年に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
戦いを挑みたい!!!!!!
お気づきでしょうが、ナーシャは筋肉バカです。




