さらば、息子よ
俺が決闘を申し込むとコウキは
「丁度いい、涼香さんにふさわしいのは僕だということを証明してあげよう」
と言って乗ってきたので、今俺とコウキは城の中庭で対峙している。
「それでは、ただいまから勇者コウキ様対ハズレ勇者リュウタの決闘を始める!
賭けの対象はリュウタ敗北時は奴隷の譲渡、コウキ様は無しです。
それでは!始め!」
「な?どういうことだコウキ!」
「聞いた通りだよ、リュウタ。涼香さんが落ちるまでの暇つぶしにあの子が欲しいんだよ。
なかなか可愛いしね。暇つぶしにはいい物だよね?奴隷だし、君ももうやったんだろ?
お下がりは基本嫌だけど性奴隷なんて日本じゃなかったしね」
言いたいことはよく判った!
こいつはよっぽど死にたいらしい。最初は適当にボコして終わろうと思ったが・・・
徹底的に殺す必要が出来た!後悔させてくれよう!
「どうしたんだい?リュウタ。黙ってしまって、怖いかい?悔しいかい?ねえ、
今どんな気持ちだい?バカだね君は、ココにのこのこ来た時点で君の負けなんだよ。
僕はこの世界に来て莫大な力を手に入れた、世界の全ては僕のものになるんだ。
僕が世界の王なんだ。僕がこの世界の主人公なんだよ。死にたくないなら今のうちだよ。
頭を地面にこすりつけて命乞いをして、僕の靴をなめたら半殺しで許してあげるよ?
早くしてくれないかな?早くあの子で楽しみtぐhばッy」
「もういい!その口を閉じろゴミ」
「・・ふっ、一撃を入れたぐらいで調子に乗るんじゃないよ。”召喚・エクスカリバー”
死に腐れーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
本当にこいつ勇者なのだろうか?殺す気満々で突っ込んでくるんだが・・
よし、あの魔法の出番だな!習得したものの、いまいち効果がないから使わないと思っていたんだが、
こういうときに使う魔法だったらしい。
「一生悔いろ”デリート”」
「あああああああああああああああああああああああああああああ!」
特殊空間魔法「デリート」。指定範囲の物の存在をなかったことにする、そう言えば聞こえはいいが
その効果範囲は、目に見える範囲の15センチ四方の立方体だけだし、ダメージもない。
だがら、俺はやつの太ももと太ももの空間を指定して魔法を発動した。
察しのいい人なら、どうなったかおわかりだろう。
そう、やつの息子はこの世からいなくなった。ざまー見ろ
これで二度と、今回の様な事をしようとは思わないだろう。
これでasokoと同じようにやつもおとなしくなればいいのだが・・・
コウキの息子をぶっ飛ばした後、俺はリーナを連れて捕まる前に王城から逃走した。
「リーナ、宿に荷物を取りに行ってくれ。俺は馬車を買ってくる。
決闘は自己責任って言ってたから問題ないと思うけど、一応この国から出るぞ」
「分かりました。でも、あれはやり過ぎだったのでは・・・?」
「いや、その、だって、はら、あいつが・・」
「私を性奴隷にするといったことですか?」
「え!全部聞こえて・・」
「はい、耳の良さも獣人族の自慢ですから」
「忘却魔法ってないのかな」
「あったとしても、乙女パワーでレジストします。
一生忘れたりなどしません、ありがたいお言葉として代々受け継ぐのです」
「うう、一生いじられそうだ・・ちょっとカッコつけたのは認めるけどさ・・・」
「・・・また、なにか勘違いしているようですね」
その後、安い馬車を買って俺たちは王都を出た。
ちなみに、馬車は心得のあるリーナにすべて任せっきりである。
「いやー、無事に出れてよかったなリーナ」
「はい、追手もいないようですし」
「ところで、隣国について何か知ってるか」
「リヒト王国って言って、魔法学校やお米で有名らしいよ」
「「!!!!!!!!!!!!」」
「な、まさか、いつのまに?」
「ごめんなさいーーーーーーーーーーーー」
リーナが戸惑っている横で俺は、突然の来訪者に土下座を敢行した。




