表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺が選ぶ卵は常に双子になる法則  作者: しいたけ
双子の勇者は大きな旅に出る。
5/5

第一幕 たびのはじまり

第一幕


双子の勇者は悪魔の国と化した統治国付近の村に到着した。


討伐国エルフェカトからどれ位旅をしただろうか。

これまで数多くの崩壊した村を見てきた。

そして、豊かな暮らしを送っていた村の墜落も数多く見てきた。


旅をする毎に絶望が一行を支配する

目標間近にも関わらずその眼には出発当初の輝きは無かった。



村をひと通り散策した一行は、屋根が残っている家屋を拠点とし今後の計画を練る事にした。

勇者達が引き連れるはアークプリースト(ヒーラー)とシールドガーディアン(盾持ち)。幾多の闘いを潜り抜けてきた勇敢な戦士達だ。


彼らには力がある。

2人は双子を家屋に残しあたりの散策を続けた。



---拠点にて


勇者A「この村もやっぱりダメか。。骸骨ばっかり転がってるや」

勇者B「お姉ちゃん、ねぇ、まだ行くの?」


姉「うん。。正直・・・もう帰りたい。。辛い」

姉「でももう目の前まできてるから、行かなきゃ」


妹「なんで?」

姉「なんでって、、勇者だから」


妹「勇者だから行くの?誰が喜ぶの?行ったところで世界中にいる悪魔が居なくなるわけないじゃん」

姉「・・・」



姉「帰ろうか・・・」

妹「うん・・・」



救済国に近づくにつれ暗雲が広がっていくが

ここまでくると薄暗いでは済まない。常に夜なのかと言わんばかりの暗さになる。

いつ悪魔が現れるか分からない。そんな状況が2人をさらに不安の渦に追いやって行った。


姉「お腹すいたな・・」

姉「ねえ、ちゃんと食べたのいつだっけ・・・」


妹「9日前のラインプールって村だったと思う」


姉「ここにも何か保存食とか残ってないのかな・・・」



---


妹「何も無かったね・・・」

姉「・・・・」


妹「ガーディアンさん達、早く帰ってこないかな」

妹「早くみんなで帰りたいよ・・・」

姉「・・・」



姉「勇者になったけど、ここまでやらなくて良かったのかな・・・」

妹「え?」



姉「みんな見てるのって結局は自分の周りだけじゃない。。こうやって私たちが旅をする傍ら楽しい会話をして・・美味しい食べ物を食べて。ぐっすり寝て・・子供を産んで・・・家族に見守られながら死んで。」

姉「そう考えると、とても悲しくなってくる。あたし達、このままだと死ぬしかないよ。。」


妹「でも、、この村とか、前の村とか。私たちが守れなかった村の人達にはどうしたら良いの?謝れないよ」


姉「そんなの知らない。謝る必要あるの?」

姉「・・・結局は自分自信を考えるしか無いよ。だって、、あたしらが何かした?たまたま立ち寄った村が襲われただけだし。。」

姉「あたし達にとってこの旅は敵討ちでも無い。守りたいと考えた事もない。。」

姉「ただ、進む事が出来たからそうしてるだけじゃない。」


妹「お姉ちゃん・・・」



闇はさらに深まって行く。

すでにお互いの顔すら確認できない。

ただそこに黒い影があるな。と言うレベルでしか確認できない。

静かに、静かに闇が2人を包み込んで行く。




ガタンッ




扉が開く音が家中に響く。



姉「おかえりなさいプリーストさん」

プリースト「・・・盾持ちが1人で逃げたわ」


妹「えっ?」


プリースト「あなた達、あの人に帰還の宝珠を預けてたでしょう。転移する光が見えたわ」



姉「え・・あたし達は・・・?」

プリースト「知らないわよ。見捨てられたんじゃないかしら」


妹「プリーストさん、、私達ももう戻ろうってさっき話してたんです・・」



プリースト「そうね・・・ここから進むと死んでしまいそう。」

プリースト「でも、歩いて帰るしかないわよ。私には帰還の魔法は唱えられないし・・・」


姉妹「・・・」



プリースト「よし、そうと決まればすぐ行きましょう。いつ襲われるか分からないわ」


妹「お腹すいた・・・」

プリースト「流石に魔法でお腹は膨らませれないわ・・」

姉「がんばろ・・・来た道だからきっと悪魔も居ないよ」



双子の勇者とプリーストは魔都を背に母国目指し旅を始めるのであった。




第一幕 おわり


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ