閉幕 まほうのせかい
閉幕
--二日目
その日はとてもいい天気だった。
雲一つ無い青々とした空。こんな空見るのも久しぶりだ。
今日からクリームパン専門店を目指すべく、どんなパンを用意するか案出しを始めた。
「ぜったい、メロンクリームパンとベリークリームパン用意してください!」
相変わらずミリアちゃんは甘めを推してくる。
しかし、ありかもしれないな。。
そんなとりとめの無い話をしながらまた一日が始まる。
「そうだ!アマルさん」
「何?」
「アマルさんって戦士ですよね!魔法とかでパンとか作ったら良いんじゃないですか?」
・・・・確かにそうだ!戦士はそれが出来るんだ。
よーし、と腕をまくり両手を前に突き出し呪文を創造した。
でも、こういうのってやっぱり大爆発したり氷出したりっていう呪文がメインなんだろうなぁ
召喚呪文でヤバイのを召喚するのも良いな。。
そんなのをパンに使うなんて・・なんて贅沢なんだ・・・
やがてテーブルの上に緑色の光の渦が生まれる
横でミリアちゃんがすごいすごいと連呼しているのがとても気が散る。
渦の中からニュッと手が飛び出してくる。
((あっ、、これはパンじゃないな・・・!))
多分そこに居合わせたミリアちゃんも同じことを思っただろう。
出てきたのは黒い甲冑の腕。ガシッと全身を持ち上げるように机に手の平を付け
肩から顔と渦から這い出てきた。
容姿はヒト型。漆黒のフルプレート。隙間なく黒に染まっている。
「やっとお呼びになられたか、マスター(召喚者)」
「マスターとは先の大戦以来であるな。また国滅ぼしをご所望か」
「・・・・???」
「???」
二人共状況がよく読み込めていなかった。
「・・・どうやら宿り主が変わったようだ・・失礼をした」
「私は貴殿が宿る前のマスターに召喚されたサモナー、称号はワールドクラフト」
「先程話に出した”大戦”では我の召喚により大勝を収めた実績がある」
「「?????」」
「試しに何か召喚して差し上げよう。新しいマスターよ希望を申されよ」
「・・・・じゃあ、、パンを・・」
「パン・・・?パンデモニウム?マスターよ地獄を所望するか?」
「いや!パンです!パン!」
「パン!?パンを召喚せよと・・・よかろう、ではパンを呼び出そう」
楽しいパン作りが始まった。