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ハザク現る
2009年、はじめて、ハザクはその存在を明らかにしたそうだ。
その夜、元旦那が寝ている時、枕元で『ハザクです』という声が聞こえたという。
元旦那は、それを『葉桜』と覚えたらしい。
ハザクは、その後彼に対して、自分のルーツや彼とのつながりの理由、宇宙の真理らしき情報を発信したという。
ハザクは、実哉の肉体を借りて、私の前に突然現れた。
ハザクはとても誠実で紳士で、しかしユーモアに溢れていて、本当に魅力的な存在だった。ちなみに旦那はユーモアに溢れてはいるが、約束は守らないわ嘘をつくわ借金はするわで、ハザクとは真逆の人格だ。
私はハザクに惚れてしまった。
何度も濃厚なセックスをした。
やはり、魂の記憶というものはあるらしく、私はハザクが愛しくてたまらない。
どうやら、魂の記憶とは、未来のものも含むようだ。
私には、彼がとても懐かしい存在に思える。
だから、おそらく、元旦那にも同じ感情を抱いたのだ。