カッコつけて無様
何にも語らなくていい
何度も呼ばなくていい
何故だと問いかけなくていい
俺は黙って背を向ける
またな、と手を振り
爪先投げ出し歩き出す
本当は、本当は
たくさん話したいんだ
だけど、出てくる言葉は
「別れたくはないんだ」
お前が好きだった俺は女々しいヤツじゃねぇ
お前が好きだった俺は弱々しいヤツじゃねぇ
お前が好きだった俺はカッコつけて無様だった
何にも言わなくっていい
何度も呼び止めないでいい
何故だと叫ばなくていい
俺は黙って背を向ける
あばよ、と声を震わせ
地面を蹴って走り出す
本当は、本当は
たくさん話したいんだ
だけど、出てくる言葉は
「別れたくはないんだ」
お前が好きだった俺は漢らしくなんかねぇんだ
お前が好きだった俺は強くなんかねぇんだ
お前が好きだった俺はカッコよくなんかねぇんだ
それでも、それでも
「そんな君がカッコいい」
って笑うからよ
泣きべそ見せずに頑張った
振り返るな、と命じたんだ
本当は、本当は
たくさん文句を言いたいんだ
それでも、それでも、
お前を好きだった俺をウソにはしたくないんだ
だから、だから、
最期までお前が好きだった俺でいたかったんだ
何にも語らなくていい
何度も呼ばなくていい
何故だと問いかけなくていい、
本当は、本当は
「そんな君がカッコいい」
最期くらいお前にそう言われたかったんだ