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落ちたさくらんぼ

初めて会ったあなたは

さくらんぼのように頬を染めていた


初めて会ったあなたに

さくらんぼのような恋を私はしていた


会いたい時には会いたいと言えない

寂しい時には寂しいとは言えない

私の弱さを貴女は埋めてくれた


もう一度、貴方の笑った顔を見せてほしい

もう一度、貴女といる未来を見せてほしい


どうしてこんなにも残酷な未来を

一人で歩いて行かなきゃいけないんだろう


好きだと言葉を紡ぐ貴女は

私の目を見ることも出来ずに

さくらんぼのように頬を染めていた


最後に会ったあなたは

腐った果実のような目を私に向けていた


最期に会ったあなたの

腐った果実のように私の恋は終っていた


会いたい時には会いたいと言えない

寂しい時には寂しいとは言えない

私の弱さを貴方は許してくれなかった



もう一度、貴方の笑った顔を見せてほしい

もう一度、貴女といる未来を見せてほしい


どうしてこんなにも残酷な未来を

一人で歩いて行かなきゃいけないんだろう


別れの言葉を紡ぐ貴女は

私の目をじっと見て

腐った果実を見るような目を向けていた


貴女が私を好きだと紡いだ唇が

目を合わすのも恥じらっていた貴女が

私の目を見て別れを告げる


もう一度、貴方の笑った顔を見せてほしい

もう一度、貴女といる未来を見せてほしい

もう一度だけでいいから振り返って下さい


突然の別れを受け入れることが出来ません


どうしてこんなにも残酷な未来を

独りで歩いて行かなきゃいけないんだろう


二人でこの先も歩いていくと信じていたのに

二人がこの先も続いていくと信じていたのに


さようならを告げた貴方はもう二度と振り向かない

それでも、貴女の背中をじっと見つめた


会いたい時には会いたいと言えない

寂しい時には寂しいとは言えない

私の弱さを私は許せなかった


初めて会ったあなたは

さくらんぼのように頬を染めていた


初めて会ったあなたに

さくらんぼのような恋を私はしていた


その果実を腐らせたのは他でもない私だった

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