06 つーくろっと
なんかめっちゃめちゃ蝙蝠の皮があるからなんか作ろう。
ちなみに皮膜の説明はこんなかんじ。
『夜蝙蝠の皮膜:夜蝙蝠の翼膜。薄さの割りには丈夫』
その他牙とかもゲットしてるけど今はいい。
というかいいかげん簡単な物でいいからレザーアーマーとか欲しい。
買ってもいいけどせっかく皮革職人持ってるんだから自分で作りたいよな!
で、皮をなめして、所々ウサギの毛皮でクッションを付けて、部分部分に狼とかの牙を付ける感じでーー…
皮が薄すぎるわ!
向こう透けてる翼膜とかんなもんでアーマー作れるか!初心者の剣でも抜けるんだぞこの皮!
という事でこの皮を何とかしないと行けない。初志貫徹、この皮でアーマーを作るといったら作るのだ!
で、俺は今南の森に居ます。
なんかなんとかボアとかいう猪系の敵がいて、ソイツ等が骨とか肉とか落とすらしいんですよね。
そう骨。ここまで説明して分かる人は分かる。
膠を作るのだ!あとは兎の皮も狩りまくるぞ!ウサギで鎧作れとかそういう意見は却下だ!!
あとウサギの皮からも膠作れるってのも一度南に来たかったと言う理由で却下な!
「ブギー!!」
『ビッグボア:戦闘中』
と、言うことで追われています。
猪恐いね。しかも2mはあるの。蟹とはまた違った直進のヤバさがある。
所々巧妙に曲がってやり過ごそうとしてるけどドリフトして付いてくるのなアイツ。
よし次のカーブをまがって直線を避けて…
「あ」
木の根に転びました。
「あー」
空を飛びました。
死にました。
猪の牙に脚を砕かれて臓腑引きずり出される感覚とかゴメンですよね。もう半ば慣れたモンだけどさ。
で、また南の森に居るわけですよ。
だって悔しいじゃないか。殺されるだけ殺されて殺せないなんてさ。
何度でも死ねるんだから殺せるまで殺しに行けばいいんだよ。ゲームなんだしさ。
ってわけで死ねや。
まず相手の足跡を探します。新鮮なフンが在れば近くにいるでしょう。
次いで木の上に昇ります。
昇るに当たっては鞘に入れヒモを付けた初心者の剣を足場にするとベター。
忍者か俺はという気分になりながら木の上で待つこと…何時間だっけ?来るまで待ってたからわかんないや。
そして木の下に猪が来た瞬間をねらって…
『ビッグボア:待機中』
「ッ!!」
声も上げずに降下する俺の剣は猪の延髄に刺さる。
だが即死には至らなかったようで、大猪は最後のあがきとばかりに全力で藻掻き始めた。
「うぉおおおお!!!」
ロデオ状態のまま剣を離さぬよう、いやもっと押し込むように俺は力を込め続ける。
そして最後の悶絶が何分続いたか、時間感覚が曖昧になった頃…猪はぐったりを地面に頭を垂れた。
勝ちました。
ということでドロップ品。
『大猪の骨:それだけでも鈍器になる巨大な骨』
『大猪の牙:結構な大きさを誇る猪の牙』
『大猪の皮:多少柔軟性に欠けるが丈夫な大猪の毛皮』
なんか多くね?
というか妙にレアそうで弄りにくいんですけど?
…もったいないから鎧の部品にしよう!
あとは初心者の剣で燃料になりそうな柴を刈って次の目的地に移動だ!
ということで東の草原。
ウサギの毛皮狩りじゃぁ!
逃げまどうウサギを追いかける追いかける。
途中でばからしくなったので草を編んでリングを作り、ウサギの上に投げて固まった所を突き刺す。
猟師の知恵もバカにならんね。木の根っこに転げるのを期待してはいかんはやっぱ。
んでたんまり溜まりましたこの兎の皮。
ここから膠を取りたいと思います!
のでまず鍋を用意する。あと石灰も。
なーに金は蟹と蝙蝠あたりでたんまり儲けてある。
でっかい鍋を買って背負い、次は竈造りだ。
臭いがキッツイから町中でやるわけにもいくまい。東の草原の真ん中に陣取ってやるぞー!
で、此処で役に立つのがまたしてもストーンフォージ。
ていうかストーンバレットも役に立つ。出た石消えないんだなこれ!
石を出してはこね回し、こね回しては竈に作る…ってな事をしてるとふと気付いた。
『ストーンウォール:石の壁を短時間発生させる』
『マイナースワンプ:短時間沼地を作る』
新しい魔法増えてたよ!
どっちも防御系らしい、とりあえず今は用ないけどな!
んで、できあがった竈に鍋をのせ、水と毛を取った皮を入れて火に掛けます。
この火を付けるのが意外と難物だ。火魔法も取っておきゃ良かったか…
と、悩んでいると練金の在る項目が目に付いた。
『乾燥:物質から水分を抜き取る』
ッシャァ!お兄さんは山へ芝刈りにいったあと柴をカラカラに乾かしましたぁン!!
ということで燃えろよ燃えろ炎はゆるゆる鍋を煮立てる。
すんげえ臭いがするがそれに耐えなくては膠は手に入らない
そのまま何時間となく沸かすことなく膠をかき混ぜていると、次第にどろりとした液体になってきた。
これが膠だ。兎膠だ。ついに出来た!
次にやることは単純。鞣した蝙蝠の羽根をゆっくり煮込んで浸潤させ、叩いて固めて複数枚を一つにするのだ!
練革とも呼ばれる昔からの皮加工の方法だが、やってみるとここまで大変とは思わなかったなぁ。
んで、ついでに買っておいた砧と台で膠の染みた翼膜を叩き締めることどれだけか。
夜が来ても俺には問題ないし、狼なんぞ片手間で何とかなる。
夜の闇の中にコンコンコーンと砧を打つ音は聞きようによっちゃホラーかも知れないなぁ。
そしてできあがったものがこちらになります!
翼膜の形を生かして鱗?状の分厚い練革に固めた。
あとはコレを綴って鎧状にし、皮鎧を作るだけだ!
くそめんどい。
兎の皮からから作った革ひもで綴っていくのだが、練革が硬いすぎる。
カンカン錐を叩いて一つづつ穴を開け、針を通してなんとかスケイルメイル風にしていくのだが…
あれぇ?見切り発射で作ったから足りないぞ?前面ほとんどを覆い草擦まで作れたけど、背中がかなり寂しくなってしまった。
手足の角は狼の牙で装飾し、首もとは猪の牙で護っているけど背中が寂しい。
…ということで毛皮もそのままに鞣して膠で固めた猪の皮を付けてみました。あったけー。
試着すると蛮族の指揮官って感じだね!まあいいや、思いながら兎皮のベルトの左右に二本の剣を差すのでした。
いや、初心者の剣って便利なのよ。
盾に。
あ、あとついでに鎧の説明はこんな感じでした。
『蝙蝠の翼膜の鎧:特殊な製法により分厚く重ねられた翼膜により作られた革製スケイルメイル。後部はビッグボアのなめし毛革で保護されている』
なんか強そうだな!やったな!
プロット無いからちょういいかげん