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剣戟巨人のアベンジャー ~同級生に叩き売られた剣闘奴隷がバカどもに復讐を果たしながら女子生徒を奪還する話~  作者: 藤原ゴンザレス


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細川さん(暗黒前)1

 私……細川香織の初めてのカレは……バカだ。

 いやバカではないのだが……品性というものが欠落しているのか、すぐ脱ぐ。

 さらに無鉄砲で意地っ張りで……そのくせ根性はある。

 まあ、根性に度胸もあって度量もある気っ風もいい。

 いいやつだ。

 あと……テレビで見たが良い体してるな。

 腹筋割れてるし良い尻してる。

 ……そうじゃなくて……バカだ。

 いや頭は悪くない。

 あの小難しいおっさん……吉田先生と二年間も一緒にいたのだ。

 教養というものを叩き込まれているだろう。

 私が言いたいのはそっちじゃなくて、タカムラがおバカだと言うことだ。

 中学時代のタカムラは一見すると大人しそうな顔だ。

 問題なんて起こさない。

 みんなそう思っていただろう。

 だがそれは違う。

 タカムラは爆弾だ。


 ある日タカムラはレスリング部の数人に言いがかりを付けられた。

 四人がかりで、羽交い締めにされ、動けないようにされてから殴られた。

 ボコボコにされたのだ。

 あの手のクズは相手の人格を否定し、服従させることに喜びを覚える。

 とても動物的な生き物だ。

 幸いなことに吉田は男子生徒限定で公平だ。

 もし、そんなことをしたのを知ったのなら全員レスリング部を出入禁止。

 もしかすると体罰と言えない範囲でスパーリングで死ぬような思いをさせて制裁したかもしれない。

 ところがタカムラは吉田になにも言わなかった。

 仲が良いのに。

 当時はさすがに心が折れたのだと思っていた。

 でもしかたない。

 暴力に勝てる人間などいないのだ。

 

 でも……今思うと、タカムラは例え相手がどんなに強くても殴られたまま大人しく殴られるタイプではない。

 この時点でタカムラはまた悪いことを考えていたのだ。


 普通だったらそのままパシリにでもなって暗い3年間を過ごすのだろう。

 心が折れた人間を奴隷化することに執念を燃やすのがクズというものだ。

 だがタカムラはヤツらが思ってるより危険な人物だった。

 彼は全国大会の遠征費捻出のためにPTA主催で開かれたバザー。

 そのレスリング部主催のバザー会場に……


 爆竹を投げ込んだのだ。


 母親とバッグを見ていた私はその時見た。

 パニックになる父兄。

 ゲラゲラ笑う彼。

 そのまま彼はしれっと職員室に出頭。


「レスリング部に脅されてしかたなくやりました」


 と、大嘘をぶち上げた。

 嘘泣きしながら、携帯で撮影した暴力の証拠つきで。

 レスリング部のアホどもは親に死ぬほど怒られたらしい。

 だが彼らがどう言い訳しようとも後の祭りだった。

 学校が全力で隠蔽することまで見通しての犯行だったのだ。

 学校中にこのことは光の速さで伝わった。

 だがあくまで公式にはなかったことだ。

 これは公然の秘密だった。


 だが、あのバカ……タカムラは未だにバレてないと思っている。

 計算高いくせに一周回ってバカなのだ。

 あの頃から変やつだなあとは思っていた。


 中学の時もそうだったが、案外抜けている。

 今回も隠し事が未だにバレてないと思っている。

 新しい領主が嫁をめとった。

 その噂は一瞬で広まった。

 狭いセクション47では、日本と比べて話題は少ない。

 噂話をするなというほうが愚かだ。

 バレてないと思っているのは、ジェイソンとの長年の確執からテレビを見ないタカムラだけだろう。


 二年かけて約束を果たした男だ。

 私という彼女を差し置いていきなり他の女に走ることはないだろう。

 そんないい加減な男ではないはずだ。

 なにか理由があるはずだ。

 おそらく他の女子を助けるためだろう。


 そしてそれを私に言わない原因には身に覚えがある。

 脱ぎ芸を披露したときに玉を蹴ったのがまずかったかもしれない……

 ついカッとしてやってしまった。

 結局、白目をむいたタカムラが担架で運ばれたせいで全てがうやむやになってしまった。

 かなり酷いことをしてしまったようだ。

 親方にも怒られた。

 「男のそこは蹴っちゃダメ!」って。

 涙目で。

 うん反省しよう。

 次に会ったらうんと優しくしてやろう。


 なあに。

 相手は12歳の女の子だ。

 心配することはない。


 そうだ。

 大人の女の威厳?

 そういうのを見せつけてやるのだ!


 ……大丈夫だよね?

全話完成致しました。

場面ごとに分けて投稿します。

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