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インベンションマン|Invention-Man  作者: 黒珈|くろこ


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44/55

episode 043

 その衝撃は、相談室から7番地に向かっていた春都にも伝わっていた。


「何だ?」

 その時、腕時計から発信音が聞こえる。

「ナタリー、何かあったのか?」

『何カ異様ナ物体ガ、5号館付近ニ落下シタヨウダワ』

「よし、とりあえず今から現場に向かう」

 彼は通路を外れ、5号館にショートカットするコースを取る。

 暫く藪地を駆け抜けた彼は、ふと自分が何者かに尾行けられている感覚を覚えた。

 走りながら、左手の通信機をONにする。


 やや広い空き地に出た春都は、丁度真ん中で立ち止まった。

 四方の藪の中から、白衣を着た5人の男が現れ、彼を取り囲む。

 その中のリーダー格らしい一人が、静かに口を開いた。

「お前が、源無春都か?」

「確かにそうだが、今はちょいと急いでいてね。サインはまた後で」

 春都のジョークを無視して、彼は手を挙げた。

「殺さぬ程度にな」

「え?」

 次の瞬間、4つの光の束が春都を弾き飛ばした。

 吹き飛ばされて地面に転がった彼は、ピクリとも動かない。


「馬鹿!」

 リーダーは、4人を叱責した。

「殺すなと言っただろ!」

「すみません、つい」

「全く」

 深い溜息をついて、彼は言った。

「『あの御方』に何て説明したら良いのだ……まあ、後悔しても仕様がない。見付からないうちに、そのガキを始末してこい」

「はい」

 男が一人、ぐったりしている春都を担ぎ上げようと近付いた。

 が、次の瞬間、彼は地面に転がり、口から泡を吹いて気絶してしまった。

「何っ?!

 目を丸くしたリーダーの前で、春都はよっと起き上がって言った。

「あっちゃー、ボールを強く蹴りすぎたかな。潰れていたらゴメンね」

「貴様……何故!?」

「バリヤーって言葉、知っている?」

 春都は、わざと悪戯っぽく言った。

「ちいっ!」

 別の男が、腰だめに構えたレーザーガンを発射する。

「だから、無駄だって言ってるでしょ!」

 光線は、春都の手前30センチ位で四方に拡散された。

「ぐっ!」

「じゃあ、さいならー」

 加速を付けて走り去っていく彼を見て、リーダーは指示を出した。

「ヤツを追うぞ、射程距離に入ったらぶっ放せ」

「え、しかし」

 バリヤーの威力を見せつけられた他の3人は、彼が発した言葉に躊躇している。

 しかし、リーダーはニヤッと笑って言った。

「あの程度なら、レーザーを一点集中すれば破る事ができる」


男達は、静かに春都の後を追い掛け始めた。

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