表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
インベンションマン|Invention-Man  作者: 黒珈|くろこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/55

episode 032

「どうしたの?急に」

 突然教室にやってきた友人の姿を見付けた河崎柚香は、驚いて駆け寄ってきた。

「うん、ちょっとね」

 丁度休憩時間らしく、生徒達が行き交っているのでそれほど目立ってはいないが、それでも秋希の身体には、周囲から冷たい視線が痛いほど突き刺さっている。


(やっぱり、この雰囲気は苦手だわ)


 普通コースに変更して良かったと、秋希は改めて実感した。

 彼女も、春都と同じく数少ない『天下り組』の一人だったのだ。


 特進クラスは、まさに毎日勉強漬けの生活を強いられる。

 日曜日以外は朝から晩まで、授業・講習が続くのだ。

 当然、部活などはもってのほか、学校行事も別枠扱い。

 生徒会活動でさえ、勉強の妨げになると、誰一人参加していない。

 つまり7番地は、生徒会・相談室の影響が届かない『聖域』とされているのだ。


 秋希は、生徒会に入るために一年の夏で特進クラスを抜けた。

 柚香は、クラス変更をしても関係が続いている唯一の友人だ。


「実は、ユカに聞きたい事があるんだ」

 次のチャイムまであまり時間がない事から、秋希は手短に用件を話し出した。

「このクラスに、北野鐘子さん、っていたよね」

 彼女の言葉に、柚香はびくっと身を固くした。

 そのまま、黙って視線を向ける。


 彼女の目線の先には、教材の代わりに小さな一輪挿しの花が置かれた机があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ