表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
インベンションマン|Invention-Man  作者: 黒珈|くろこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/55

episode 024

 影が、鋭い拳を突きつけて来た。


 素早く左に体重を移動し、躱わし際にカウンター気味の右ストレートを放つ。

 しかし、そこには既に目標物は無かった。

「ちッ」

 舌打ちする間もなく、空気が横に動く。

 両足を前方に投げ出して身体を落とした途端、頭の上に銃口が押し当てられた。

 タアンという甲高い音と共に、目の前が真っ暗になる。


『ハイ、げーむおーばー』

 からかう様な電子音声に、ムッときた春都はヘルメットを乱暴にむしり取った。

「ちくしょォ、あそこで飛び道具とは」

『マダマダ甘イナア』

「るせー」

 悪態をつきざま、PCから接続端子を引き抜く。

「今ので、こないだの奴の何倍だ?」

『すぴーどデ2倍、ぱわーハ1.5倍ッテトコネ』

 能力値をざっとチェックしたナタリーが答える。


(確かに、まだまだだ)

 春都は改めて実感した。

 多少は武術の心得がある彼だったが、実際の戦闘となると、相当の経験が必要である。

 それを補うべく、春都は日頃から様々なイメージトレーニングを行っている。

 今日は、ナタリーが先日の下着泥棒のデータを入力し終わったので、早速仮想対決をしている所だった。


「おっ、頑張ってるねえ」

 陽気な声と共に、蔵敷が準備室に入って来た。

 手元には、ハンバーガーショップの大きな包み紙を抱えている。

 春都は、細い目をして言った。

「……何だ、蔵敷ハカセか」

「そんな嫌味言わないでくれよ。この前参加しなかったからってさぁ」

「お蔭様で、試作品まで投入することになって大変だったわ」

「『エアーハンド』か。まあ実験する手間が省けて良かったじゃない」

「まったく」

 春都はこめかみを軽く押さえた。

 無言のまま、スッと右手を差し出す。

「ん、何?」

「例のヤツ、完成したんだろう?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ