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第27回参議院選挙 自公大敗北! それでも続投宣言する石破首相は「憲政史上最強のメンタル」の持ち主か?

作者: 中将

◇総括:「既存大政党」の敗北



筆者:

 本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。


 今回は7月20日投開票の参議院選挙に対する個人的な総括と意見を述べていきたいと思います。



質問者:

 まず投票率ですが、速報値で確定では無いですが58%前後と、去年の衆議院選挙の53.85%を上回る数値になりました。



筆者:

 投票に行かれた方々は熱い中、お疲れさまでした。

 どの党やどの候補者に投票しても、「少しでも日本を良くしたい!」と思って政治参画した1票だと思うので胸を張って良いと思います。


 参議院選挙は衆議院と比べて投票率が低い傾向にあり(過去3回は48%、54%、52%)、しかも史上初の連休の中日の国政選挙で投票率が低いことが予想されました。


 それでも去年の衆議院選挙より高いのは、それだけ今の政治に対して皆さんが危機感を抱いているからだと思います


 30年間ゼロ成長、物価高対策は不十分、関税交渉は失敗、石破氏の発言は公約違反連発という惨劇ですからね。あまりにも順当すぎると思います。



質問者:

 しかし、自民党は壊滅的なダメージを受けなかったという意見もありますがそれについてはどうでしょうか?



筆者:

 そうですかね?


 僕は自公非改選合わせてギリギリ過半数割れぐらいかな? と思っていたので大体当った感じでしたけどね。


 投票締め切り直後は自民30前半ともっと減るという予想もありましたが、

 出口調査(当日投票の調査)より上方修正されていた地区も多かったので、

 期日前投票に自公支持の人達の方が行っていた印象を受けましたね。


 それでも改選議席で自公66から47ですから歴史的大敗と言っていいですよ。

 2007年の安倍総理(当時)は自公で46議席しか取れずに退陣しましたからね。


 元々の目標議席50が異常なぐらい低すぎただけですから、それから比べるとあまり減ってないように見えるのもマスコミのプロパガンダだと思います。



質問者:

 なるほど、そういうことですか……。


 自公で19も減らしたというのはどういった要因があるのでしょうか?



筆者:

 自民党が選挙で勝ち続けてきたのは「岩盤保守層」と呼ばれている人たちが安定して投票していたからです。


 しかし、今回そういった保守層は出口調査によると参政党、日本保守党、国民民主党の順で流出した感じですね。


 もっとも安倍元総理大臣も僕から見ると保守とは思える政策をしておらず(カジノ、種子法、事実上の移民政策)、「保守っぽい演出」が上手い方だったのかなと評価していますけどね。



質問者:

 なるほど……従来から入れていた人がいなくなればそりゃ大きく減らしますよね……。


 しかし、野党第一党の立憲民主党も22議席で横ばいと全く増やせなかったみたいですね。



筆者:

 立憲民主党は今まで散々出していた内閣不信任を解散を恐れて出さなかったのが、

 野党第一党としての責任を果たさなかったとみなされて、

 評価されなかったのだと思いますよ。


 元々の地盤がある候補者がいるから選挙区が前回より少し上回る議席になったに過ぎないです。

 比例代表では前回と比べて7議席から6議席に減少していますからね。


 あとは、野田氏から増税の影がチラついたり「国境をなくそう」「国籍の壁をなくそう」とか無党派層にはウケない発言もマイナスだったと思います。


 自民党の体たらくの中、実質的に総得票数を減らした立憲民主党も密かに「大敗」したと言っていいですね。



質問者:

 九州地区では自民党1人区全敗という報道まであった中、北九州は取ったので立憲民主党がそれ以上に酷かったということですか……。


 国民民主党は改選4から17議席と大躍進しましたね。



筆者:

 無党派層は立憲民主ではなく国民民主党に流れたのだと思います。


 国民民主党は予算や年金改革法案など僕が「悪法」とされている法案に対してことごとく反対しましたし、一貫して年収の壁やガソリンの暫定税率など切り崩しやすいところを主張し続けました。 


 こうした「手取りを増やす信念」を貫いたのが非常に大きかったですね。


「国民民主党が増えれば実現できるかも」という期待感が広がったのだと思います。


 公認されたと報道された瞬間に批難が殺到した山尾氏を最終的に外したのもマイナスを最低限に食い止められた要因だと思います。


 国民が声を上げれば政党の一存で決まる比例代表の公認すらも取り消させられるという点で非常に大きな意味のある一幕でしたね。



質問者:

 衆議院選挙だけでなく参議院でも力を持つと発言力も増すでしょうね。


 参政党が改選前1から14と劇的に増えましたね。


 これはどういった要素が有権者に響いたのでしょうか?



筆者:

 参政党は未知数で言動に非常に危うさを感じるのですが、「外国人政策に対する不安感」というのをうまく刺激したのだと思います。


 これまで争点にされていなかったことが争点化したという意味では大きかったですね。


 その他の政策面でも減税や食糧安全保障などを訴えており、外国からの依存の脱却を訴えていたのは一貫性があると評価されたのでしょう。


 あとは選挙直前に維新の党内選挙で敗北した梅村氏が加入し5人になったことで、様々な選挙特番に長い時間出演できなかったのも非常に大きかったと思います。

今回の参政党の躍進を支えたMVPと言っても過言ではないでしょう。



質問者:

 テレビを見ている選挙に関心がある層からすると認知度が無かった参政党が選択肢に浮上したわけですからね……。



筆者:

 3年前の参議院選挙では比例で1議席取るのがやっとでしたからね。


 今回は複数区とは言え選挙区でも東京、神奈川、埼玉、茨城、愛知、大阪、福岡で取りましたからね。それも自民公明立憲に競り勝っているのですから大したものだと思います。


 専門家の評価では参政党は一過性だという評価もありますけど、地方議員が140人もいるので、今回ほどは獲得できなくても「草の根」の力の強さはあると思います。


 ただ、「連立入り」が一番危うさのある発言だと思っていまして、

 不用意に連立入りすれば


「既得権益者になりたかったのか!?」


 と認定されて瞬く間に支持者が消滅、所属議員は離党するでしょうね。


 今の中規模程度の政党が乱立する状況ですと、今の国民民主党のような与野党両方に影響力を出せる「部分連合」の立ち位置になれれば長期的に伸びると思います。


 また、参政党は「スパイ防止法」を出すと宣言していることが注目されていますが、まずはその内容次第では一般人にも火の粉が及ぶので内容もみていきたいところです。


 内容がまともなら「反対した政党は全てスパイ」という判断もできると思います。



質問者:

 共産党は裏金問題に鋭く切り込んだのに3議席と7から半減、

 れいわ新選組も3議席とあまり伸びませんでしたね。


 

筆者:

 この2党の理想は「対話で外交解決」「消費税即時廃止」などと高く掲げているわけですが、その政策の「実現可能性が非常に低い」と支持が伸ばせなかったと思います。


 高い理想では現実的なご飯を食べることはできないということです。


 維新の会は改選議席と比べれば1増の7議席ですがですが、3年前(12議席)に比べれば5議席減の状況です。

 これも自民と予算案を迎合したのがマイナスポイントだったと思います。


 それぞれの役割に応じた責任を果たしたかどうか? が焦点だったのだと思います。

 既存大政党に対しては「その責任が果たされなかった」と評価されたのでしょう。


 その点で、国民民主党と参政党には期待感が集まったということなのでしょう。


 まぁこれは政治家の方だけでなく僕たちの日常生活でも責任を果たしたか? の問いは課題ではありますけどね。



◇不信任が提出されれば政権交代もあるが……



質問者:

 自公は衆参で過半数割れという事態になりましたけど、今後は首相交代などあるのでしょうか?



筆者:

 これから政局論争が活発化していき、流動性が高いので21日午前時点の話だと思ってお読みください。


 まず、石破氏自身が首相の座を降りる可能性はゼロだと思います。


 20日晩に石破首相は、


「自民の獲得議席が非改選を含めて比較第1党となる見通しであることを強調」


「国家に対する責任、比較第1党としての責任はきちんと果たしていかなければならない」


と続投するやる気に満ち溢れていますからね。 


 これは僕の感覚からするとこれまでの言動から「意地でも首相の座にしがみつく」ことは明らかでした。



質問者:

 国政選挙で2連敗しても首相の座にい続けるなんてメンタル強いですね……。



筆者:

 そんなに美味しいんでしょうかねぇ(笑)。憲政史上最もメンタルの強い総理大臣だと思いますね。ただ、責任感が無いだけなのかもしれませんけど(笑)。


 また、自民党の議席総数は減って国会内での地位は下がっているのですが、自民党内では石破氏は少数派だったので、自民党内での石破氏の地位はむしろ相対的に上がっているんです。


 だから不信任を提出して成立しても首相指名選挙で負けるまで居座り続けると思います。


 この状況は、国政選挙2連続で過半数割れしながら居座ろうとしている中、

自民党内で「石破降ろし」を起こせないという可能性が高いというのは本当に問題です。


 本当に政党のトップや総理大臣という座は強いし、党内の自浄作用って無いんだなということが改めて示唆されているということですね。



質問者:

 自民党内から降ろすことは難しくても不信任提出で解散ということはあり得ますよね?



筆者:

 不信任を単独で提出できるのは立憲民主党だけなのですが、

 現状の状況で衆院選挙をやったらむしろ立憲は衆院で減るまであるのにそれができるのか?


 と言ったら中々できないと思います。


 出す気があるのならこの間の国会で出した方が損失が少なかったでしょうから、さらに悪い今の状況で「損切り」というのは難しい決断だと思います。



質問者:

 自らの保身のために不信任出せないって悲しすぎますね……。



筆者:

 ただ、立憲民主もこの状況で議席を伸ばせないことで責任問題に発展し、代表交代の可能性はあります。

 代表が代わることで方針転換が起きる可能性はありますね。


 これが実は今後の最大の焦点になるのではないかと思います。


 

質問者:

 何か内部と外部の不思議なパワーバランスの中で石破さんが総理大臣の座にいるんですね……。


 筆者さんは自公と維新の会と連立すると選挙前からの予想でしたが、維新の会は連立入りはしないと明言されていますがそれについてはどうなんでしょうか?



筆者:

 そうですね。この点は外れそうな感じがありますが、日本維新の会は「野党に見せかけた与党」として今後も静かに法案に賛成していく可能性はありますよ。


 ただ、参議院選挙前と比べて「自公の安定感」というのは崩壊したのは間違いないです。


 これも普段選挙に行かない方が全体の数%分ではありますが投票に行った結果だと思います。


 本当にお疲れさまでした。


 今後もこのような政治・経済について個人的な解説をしていきますのでどうぞご覧ください。

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