最上階
「今のは良かったぞ。」
シスの刃は頬を掠めた。
全てはこのため。此れで倒せる予定だった。
「さすがに小さく見積り過ぎたか…」
シュースが刃を向ける。
三人は避ける。
一人の男が作戦外の動きをしていた。
「『爆発刻砲』最大出力!!!」
静かに力を貯めた一撃。
コノクの全てを賭けて。
影が残る。
一つ、二つ、三つ…
!
「やった!」
「後ろだ!」
振り向くのが遅かった。
気づくのが遅かった。
刃が振り下ろされる。
ポロ ポロ
「コノク!!」
涙が落ちる。
その影は完全に刃に貫かれていた。
「待たせて悪いな。」
「少し残していてよかった。」
死んだ刃が落ちる。
「シリスは上に行ったのか?」
「はい。」
「無事だといいが。」
その二つの背中にはとてつもない安心感があった。
「他人の心配していていいのか?」
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(一段と強いのがいるぞ。」
「勝てるか?」
「お前では無理だ。やれるだけやれ。」
「最初からそのつもりだよ!!」
最上階
「ずいぶんと早かったな。」
寒気がする。
刀を構える。
構える以外の選択の余地はなく。
「血の気の多い奴だ。
私は神の力を多く引き継いでいる。
つまり私は神だ。キビ様と崇めよ。」
コノクとかが言ったら笑える冗談だった。
次元が違う笑えるどころか冗談ですらない。
「指一本で相手をしてやろう。」
「優しいんだな。」
「神は慈悲深く残酷なのだよ。」
隙だらけだ。
だが分かる何処から攻撃されても反撃される。
時間を稼ごうにもこのまま立っていたら殺される。
「はぁぁぁあ!!」
真正面から斬りかかるそれが最善だと思った。
奴が刀に触れる前に視界から消え、頭に激痛が走り、千切れそうになる。
「痛みで意識が飛んだか。弱い生き物よ。」
立ち上がる人影
「まだやるきがあるのか?」
「戦闘は久々だ。」
「何を言っている?」
「交代だ。」
「貴様!何者だと聞いている。」
「お前が神を名乗るならワシも神を名乗ろう。」
「何だと!」
刀を収める。
「何をする気だ?」
「天罰ってところか?」
「貴様!!!」
光速よりも速く首を飛ばしに行く。
「はは。速すぎて通りすぎてしまった。」
奴にとっては脅し。急に態度が変わった雑魚の実力確認と自分への恐怖を思い出させるための。
「かっはっは!
速すぎて四肢を忘れておるぞ。」
「!」
キビの四肢は神によって切り落とされていた。
キビは恐怖する。圧倒的な格上。負けなど知らなかった自分よりも圧倒的に強い。勝てない。
突然空気の流れが乱れる
「何をしている?」
「はっ!我等が神!」
「新手か?…!貴様だったか。」
その瞳に敵が映る。
「その力思い出したぞ。姿がかわったか?
殺されに来たのか?」
「減らず口を。」
「我等が神?よ…要件はなんで御座いましょうか?」
キビを睨む
「はぁ…星を喰うために邪神を殺る。
放印の鍵を探せ。」
「今は、き…厳しいです…」
「死にたかったか。」
キビに向けて火炎球を放つ
「シュース地下帝国に戻れ。」
「次に日の光を浴びる時は死ぬ時だと思うがいい。」
「威勢のいい台詞だな。だが次会う時は俺がお前を殺す。」
姿を消す。
星を喰うか。まずいな。
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「シュースとか言ったか?ずいぶん硬いな。」
「再生が出来ないから硬くする必要があるんだ。」
「俺達はお前を倒せそうか?」
「無理だな。体力がほぼないお前達では相手にならん。」
「シュース地下帝国に戻れ。」
「はっ!」
シュースが姿を消す。
「終わったのか?」
「ひとまず終わった。」
「問題が多いな。」
「地下帝国…対応が遅れたな。」
今回の戦いだ得た物は一時の安全と大きく歪な問題だけ。