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断罪される悪役で当て馬な仔ブタ令息に転生した僕の日常  作者: 藍生らぱん
第一部

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第4話 攻略対象者そのニ 宰相子息との接近遭遇 前編

 

今日、兄たちは母方の叔父上に連れられてフルール王国の冒険者ギルドの依頼を受けに朝から出かけていて家にいない。

冒険者ギルドは10歳から登録できるから、兄たちは二年前に登録して叔父上の指導の下、冒険者活動をしているんだ。


教皇国には冒険者ギルドの本部があるんだ。

本部は登録情報の管理、高難易度の依頼やレイドの取りまとめ、特殊素材や物資の管理、各支部への人材派遣の業務等をしている。

だから新規の冒険者の受付は支部の方ですることになっているんだ。

教皇国は主要各都市に支部があるんだけれど、教皇国内で兄たちは顔も身分も一般の国民の大半に知られていて、活動に支障が出るといけないから、フルール王国で登録して活動することにしたんだって。


母方の叔父上―ジャン・アルベール・ド・ブランシュールは独身の魔法騎士でS級冒険者をしているんだ。

魔術研究より体を動かしたいし、自由恋愛をしたいからって、魔法伯の地位を継がずにあちこちでギルドの依頼をこなしているんだ。

父上の相棒バディでもあるんだよ。

叔父上がこういう自由人というか、チャラ男だから、祖父は早々に賢者の称号を持って生まれたメルク兄さまに教育を施して、自分の後継者に指名したんだ。

叔父上は面倒ごとを甥っこに押し付けた弱みがあるので、多忙な父上に代わって、兄たちがB級になるまでは師匠兼保護者としてパーティを組むことにしたんだって。


そういうわけで、週に二日三日、兄たちがいないんだよね。

教皇国の国立魔法学園に入ったら寄宿舎に入るから、そうなったら毎日会えなくなるんだけど、家には転移陣があるから、週末には帰って来るって約束しているんだ。

もう二年前からだし、兄たちがいない日にも慣れたけれど、遊び相手がいないのがつまらない。

うるさかったギルバート君が懐かしいよ。


ギルバート君は王子教育漬けで祖父の家に突撃訪問することは無くなったんだ。

たまにお茶会で半年に一回会うかどうかだね。

会っても兄たちのガードで僕と話をすることは滅多に無いんだけれど、いまだに婚約婚約うるさいから困ってるんだ。

まあ、勇者マニアのギルバート君の本命は僕じゃなくて父上なんだけどね。


あれ、僕、既に当て馬?

そうそう!

この世界、同性でも結婚ができる世界だったんだよ。

同性同士では子供ができないから、結婚するには孤児院へ一定額以上の寄付が義務付けられているんだ。

だから同性カップルが身近に結構いるんだ。

うちで働いてるメイドさんと女性騎士のカップルとか、男性神官と聖騎士のカップルとか。

叔父上は男女両方の恋人がいるし・・・


僕の前世の母親は腐女子で、父親は百合男子だったから、もしも僕がいるこの世界に両親がいたら、そこらへんで壁になってたり、薄い本をたくさん作る出版社とか作って布教活動をしていたかもしれないね。


***


今日は珍しく父上が家にいるので、僕は父上の膝の上でお菓子を食べているんだ。

そして、目の前には父の友人のフルール王国の宰相とそのご子息。


そう、二人目の攻略対象者と僕は何故かお茶をしているんだよね。


宰相の子息のスチュアート君は、お行儀よくお菓子を食べて、お茶を飲んでいた。

そう、ひとりで座って・・・


「父上さま、僕も一人で椅子に座ってもいいですか?」

「ルルは小さいし、危ないからダメだよ?」

「スチュアート君は僕と同じ年なのに一人で座って、とてもお行儀が良くて、立派です。僕は彼を見習って一人で座ります。」

そう言って僕は父上の膝から降りて、隣に置いてあった子供用の椅子に座ったんだ。

「・・・・・・」

座って数秒、僕は父上の膝の上に自ら舞い戻った。


みんな、でかすぎだよ!


僕、一人で座ったら、テーブルの上のお菓子に手が届かなくなったんだよ!!

悔しいけれど、父上の言う「小さいし、危ない」を身を持って知ったよ・・・


ぐすん・・・

いつか、お前ら全員見下すくらい大きくなってやるんだからな!!!


父上の膝の上で涙目になっていると、スチュアート君が僕にお土産のケーキを取り分けてくれたんだ。

「このケーキ、僕の大好物なんだ。シャルル君のお口に合うといいな。」

「ありがと、いただきます。」


胡桃とドライフルーツの入ったシンプルなケーキは大人の味がしたよ。

前世でこの味に似たパウンドケーキを食べたことを思い出した。

確か、前世の父の誕生日に母と二人で作ったんだ・・・


二人とも、元気かな?

前世の両親が幸せでありますように・・・

僕は心の中で祈った。

僕の祝福と加護の力が前世の両親のもとに届くといいな。


「美味しいよ・・・とっても懐かしい味がする。」

涙ぐみながらもニッコリ笑ってそう言うと、スチュアート君もニッコリ笑ってくれた。

「良かった。」



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