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断罪される悪役で当て馬な仔ブタ令息に転生した僕の日常  作者: 藍生らぱん
第一部

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第10話 昇級試験

 

12歳になって、僕の冒険者としての活動は週二回になったんだよ。


僕の護衛の聖騎士たちを最低二人連れて行くなら、という事で父上から許可が下りたんだ。

兄たちは「まだ早い!」と騒いでいたけれど・・・


でも、まだダガーが思うように扱えないから、街の中のお手伝いの依頼しかできていない。


犬の散歩

迷子の猫探し

お使い

店番

子守


毎日できないせいもあって、僕の冒険者ランクは最下層のFランクのままだ。

父上との約束でFランクの間は王都から出ちゃダメってことになってるんだよね。

だから早くEランクに上がりたいんだ。

そして草原とか森とかに行って、冒険者らしいことをしたい!


「ねえ、オスカー君。」

「なんだ?」

「スライムより弱い魔獣って王都にいる?」

「・・・いないな。」

「魔獣倒すの無しでどうやったらEランクに上がれるかな?」

「・・・難しいな・・・」

「今のこのペースでいつEランクになれると思う?」

「来年か、再来年にはなれるんじゃないか、な・・・」

「ゾンビ系なら倒せるんじゃない?」

そう言ったのは僕と同い年の見習い聖騎士のアンディ君だ。


アンディ君はフルール王国の隣の国、アゼルスタン王国出身の貴族令嬢で、聖なる慈悲の剣ミセリコルデの主なんだけれど、自国を出奔して教皇国の聖騎士見習いになったんだ。

でも、アンディ君、王子たちのお妃候補だったらしくて、ちょっとした外交問題になったらしいよ。

そこでアンディ君の母親の女侯爵様がアンディ君を廃嫡と親権放棄してね、離婚した父親の籍に移る事ができたおかげで一件落着。

離婚した父親、なんと、教皇国の聖騎士団長ベルナール君だったんだよ!

つまり、教皇様と僕の家とも親戚!


でも、アゼルスタン王国の王家がアンディ君のことを諦めてくれなくて、断っても断っても婚約の打診がしつこくて、アンディ君、苦肉の策で僕の長兄の婚約者(仮)になりました。

教皇国の大公家を敵に回してまで婚約の打診はできないから、ようやく静かになったみたい。

めでたしめでたし。


話は戻って、昇級、どうしたらできるかな?

「ゾンビ系とレイス系なら浄化魔法でいけるし、ダガーいらないでしょ?」

と、アンディ君。

「レイス系はランクC以上だから却下。ゾンビ系で一番弱いゾンビスライムはランクD以上。ランクFは受注できない。」

と、オスカー君。

「シャルルならゾンビ系楽勝なのに、ランクの壁か・・・」

「何とかならないかなぁ・・・」

と言ったのは僕。

「Fランクはレイドも受注不可だし、地道に活動するしかない。」

オスカー君の正論に僕とアンディ君は揃って大きなため息を吐いた。

「だが・・・」

「だが?」

「昇級試験を受けるという手もある。」

「あ、そうか、それがあった!」

「昇級試験?」

「試験内容によってはEランク飛ばしてDランクになる事も可能だ。ただし、俺たちは手助けできない。シャルル一人で受ける事になる。」

「試験ってどこで受けるの?」

「ギルドの闘技場。低ランクは安全面が考慮されている。」

「僕、受けてみたい!」


僕らはギルドの受付カウンターに向かった。

でも、現実は、厳しかった・・・


「解体?」

「ええ、FランクからEランクへの一般的な昇級試験はEランクの角兎(アルミラージ)一体の討伐と解体です。闘技場にて制限時間は二時間。魔法の使用は可能ですが、解体した素材、毛皮、角、肉、いずれも欠損は認められません。」

つまり、火魔法で丸焦げにしたり、風魔法で切り刻んだり(スプラッター)もダメってことだね。

でも、それ以前に、一番の問題は・・・

「解体したことない・・・」

「これくらいできなければ、冒険者続けるのは無理ですよ?」

受付のお姉さんの言いようが厳しい・・・

まあ、ずっとFランクでくすぶってるから、仕方ないかぁ・・・

と、諦めモードに突入してたら、アンディ君が思案顔で受付のお姉さんに声をかけた。

「あのさ、僧侶固定の試験ないかな?」

「僧侶固定、ですか?」

「この子、聖者目指してるから、回復とか付与系が得意なんだ。」

「ジョブを僧侶に固定されるなら、Dランクの昇級試験がありますよ。」

「どんな内容ですか?」

「状態異常を回復するポーションを作るか、空の魔石に状態異常を回復する魔法を補充していただきます。」

「僧侶固定で受けます!」

「わかりました。冒険者ランクはFランクのままになりますが、僧侶ランクがAランクに昇級した時点で冒険者ランクはCランクに自動昇級します。」


自動昇級!

そんな裏技があったなんて!


僕はアンディ君を食い入るように見つめた。

「昔、親父たちがそれで仲間の僧侶のランク上げしたって言ってたの思い出したんだ。僧侶ランクDになればゾンビ系の討伐、受けられるぞ。シャルルはどっちみち教会所属だから、僧侶固定で浄化と治癒中心の依頼がいいと思う。」

「うん、そうする!」

「で、どっちにする?」

「んと、ポーションにしようかな。」

僕は受付のお姉さんにポーションの方で昇級試験を受ける手続きをお願いした。



余談

「昔、親父たちがそれで仲間の僧侶のランク上げしたって言ってたの思い出したんだ」


「親父」はベルナール君で、仲間の僧侶はバーナードさん。


10代の頃のベルナール君がリーダーのパーティにバーナードさんの他にいたのは、シャルル父のテオドール、ジャン叔父上、アンドラーシュ。


テオドールとジャンはコンビで活動中、ベルナールのトリオチームと意気投合して合併した。

現在、ジャンは基本ソロで、テオドールが討伐で動く時には補佐として同行。


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