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Cockasite online コカサイト・オンライン~悪役ムーブで竜王に至る~  作者: こひる


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ep55 森を抜けて

 さっさと別の大陸に渡るのか、この大陸の探索を優先するのか、別に白熱した議論があったわけでもないのだが、私たちのクランが出した結論は、ひとまずこの大陸から探索する。といったものであった。

 ちなみにその最たる理由は、意外と早く終わりそうだから、である。


 フカセツさんに言わせれば私とリュティの開拓は、探索などではなくただのマップ開放だということであるが、探索ガチ勢の意見はいったん置いておいて、開拓を続けるとしよう。

 そういえば、マップの最南端を目指したトップ層とやらが、海沿いにそびえ立つ塔を見つけたらしい。そしてどうもその塔の攻略難易度がすごく高いようなのだ。私としてはぜひとも挑んでみたいが、そんなことよりも、6に相当する街を探してこいとのことだ。フカセツさん的には、数字に穴があるのは耐えられないらしい。

 まあ、空きがあると気になるというのはおおむね同意だ。しかし、私的には最南端が6だと思っていたのだが………。


 「いや、というか何の手掛かりも無いのに町を探して来いって結構な無茶ぶりなんじゃ………」


 まずいな、少し面倒になってきた。こっそり別大陸を探索してみたら怒られるかな?


 「怒られるよなぁ………」


 いやいや、冷戦に考えるんだ私。そう、考えてみれば私はあのクランのリーダー(仮)じゃないか。そんな私がどこで何をしたところでとやかく言われる筋合いなど無いんじゃないだろうか。


 少しばかり防御力が欲しいなということで、アハトゥ周辺にいた明らかに耐久力のある岩でできた人型のモンスターをぼりぼりと食べながらそんなことを考えていると、ゲームと連携させていたチャットアプリに通知が入る。




フカセツテン

アヤさん、もしも探索する場所に困っているのであれば、ドライの町の西にある森を攻略していただけませんか?


アヤ

了解。攻略しておくよ




 さすがフカセツさんである。暇つぶしにちょうどいいことを持ってきてくれる。ドライの西の森、そういえばあったなそういうの。森をスルーして北へまっすぐ進んだらアハトゥがあったのだった。


 「……行くか」


 リュティ曰く、モンスターのレベルは50程度とここよりも少し低いらしい。まあ、いけるだろう。







 「さて………」


 やってきました。森の前。ここまで来ておいて何なのだが、森の攻略ってどうすればいいのだろう。森の主的なのを倒すとかならばわかりやすくていいのだが、あいにくそのあたりの情報はない。なんというか、こう………わかりやすく主的な何かへの道が開けているとかならばありがたいのだが……………。

 この広大な森からモンスター一匹探すなんてちょっと勘弁してほしい。


 「いや、しかし……………ふむ」


 私が本気でこのエリアを攻略したらどの程度の時間でできるのだろうか、とふと思う。アハトゥへの道のりもかなり早く攻略できたとは言え、あくまでもリュティに合わせて速度はそれなりに抑えていた。しかし今は一人だ。ちょっと本気でやってみてもいいんじゃないだろうか。


 「竜化」


 スキルを起動することで私に翼が生え、手足が鱗に覆われる。


 「さあ、よーい…………ドンッ!」


 地を蹴り、勢いよく森に入る私。森なので当然常にまっすぐ進むことはできないが、それでも木を避けながらできるだけまっすぐ進んでいると、やがて視界に生物が映る。ちょうど私の進行を遮るように前に現れてしまった、少しサイズの大きなオオカミのようなそれに、私は速度を落とすことなく近づく。「竜眼」は使わない。相手の強さが分かるのは楽なのだが、あまりMPに振っていない私としては、「竜化」でじりじりとHPが減っていく中で回復手段を削りたくはない。


 「っほ!」


 何となく面倒だったので「隠密」を使用せずに殴ってみたが、当然のように一撃で消し飛んだ。なんというか、もはや驚きが薄くなってきた光景である。まあ、ここのモンスターはレベル50程度という話だし、こんなもんだろう。

 ドロップした素材を拾おうか少し悩んだが、放置して駆ける。どうせこの程度のモンスターの素材なんて大したものはないだろう。


 似たようなモンスターを似たような状況で倒しながらぐんぐんと進む。オオカミ以外にも猿やでかい猫のようなものもいたが、戦闘としてはあまり変わらなかった。全員まとめてワンパンである。

 森の主的なものを探して、とりあえずまっすぐに進んでいた私だが、やがて周りに木が少なくなっていき───。


 「え、抜けた………」


 森を抜けた。てっきり、主的なのは森の中心部にいるものだとばかり思っていたため、まっすぐ駆け抜けてみたのだが、まさかの反対側に出たようである。


 「これは探索しなおしかなぁ………」


 森の中から主の巣か何かでも探してきて、戦う必要があるのだろうか?そんなことを考え、少しばかり憂鬱になっていると。


 「あれ………?」


 私が今いる森を抜けた先に広がる平原のような場所。視界の端にちらりと映った………家。いや、おそらく町らしきもの。

 森に面している町はドライだけだと聞いたのだが……………ということは、ふむ。


 「もしや、新しい町かな?」

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