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第参話 結婚式とまんじゅう


はい、ラインハルトです。

七歳になりました。


領内の荒地だったところの半分が小麦畑と大豆畑になりました。

相も変わらず、8人兄弟仲良しです。

俺とデリアはおマメ感は拭えないが、仲良しであることは変わりない。

そんな俺達兄弟は今日も今日とて仲良く森にお散歩中です。


最近、長兄がやたらと色気付いたと思ったら、

隣領の商家の娘に懸想していることがわかった。

そのほかの兄弟たちも遅い春が来たみたいだ。

長年、うちの男爵領が貧乏なせいで縁談が来なかったのだ。

貧乏子沢山で縁組したら、集られるとでも、思ったんだろう。

なんだかなぁ〜

では気を取り直して

婚約ラッシュの内訳を:

長兄アウグスト  → 隣領商家の娘  アデル

次兄ベルンハルト → 領内庄屋の娘  ベス(婿入)

三男コンラート  → 領内酒屋の娘  コリンナ(婿入)

長女アンネローゼ → 領内庄屋の息子 アルフレド

次女ベアトリス  → 領内庄屋の息子 バルトロメウス

三女シャルロッテ → 領内庄屋の息子 クラウス


と見事に皆領内に収まった。


うち(領内)には庄屋が4つ。酒屋が一つと数もぴったりだった。

そうなると、長女から下の兄弟たちの持参金が大変だ。

しかし、慌てることもなく、ここ二年で今までの苦労を取り返すくらいの黒字経営で

なんとかなって目出度く縁組が相なったというわけだ。


さて、結婚式に付き物の引き出物

どうするって話


六組合同の結婚式となると貢物を豪華である。

それに見合う引き出物を用意しなければならない。


こういう時、いつも俺におハチが回ってくる。


「ライン、何かいい策はないの?」

と長兄が言う。

「食べ物がいいな」

と次兄。

「甘いものがいい」

と長女。


ほかの兄妹も、なんやらかんやら言ってたが、割愛ではなく総括すると。


食べ物

甘いもの

領内にあるもの


ポク・ポク・ポク・ポク・・・チンっ!


まんじゅう!

饅頭と書いて、まんじゅう

中国では、具が入っていないのを饅頭まんとうと呼び、

具があるのを包子パオズと呼ぶそうだ。

饅頭の起源は、言わずもがな

ある日のこと、諸葛亮孔明が河を渡るときに、

現地の人々が河の主に生贄を捧げないと、いけないと騒いでいて、

生贄なんてナンセンス!

これでも喰らえって饅頭(具入り)を河に投げたとか


さて、必要なのは小豆だが、実は大豆の近くに作っていた。


よし!つくるぞ、あんまん


餡子をつくります。

貴重な砂糖をこれでもかって具合に使い、小豆を大鍋に煮ていく

マメに火が通れば、水分を飛ばすように弱火でことこと、焦げないように

底を混ぜながら、全体をかき混ぜる。

ずっと大きな木べらを

船を漕ぐように

何回か途中で代わってもらって、できあがった。

熱々のあんこ。


今度は皮だ

基本ぎょうざの皮と一緒だが、造り酒屋の跡取りもいることだし、

蒸留酒を少しいれる。

ドウ(小麦粉を水・アルコールをいれたヤツ)を寝かせる。

寝かせている間、餡子作りを手伝う。

今度はピンポン玉ではなく、より多きめに切り分ける。(テニスボールより小さめ)

丸く成型して、餃子の皮の十枚の厚さに合わせて、めん棒で伸ばしいく。


あんこと合体。

あんこをピンポン玉くらいにして転がして、次つぎと皮に包む。


みんなもどんどんツムツムしていく、婿さんやお嫁さんたちも参加しだした。


包み手が増えたから、俺は二次発酵を蒸籠でしていった。


最初のロット分の二次発酵が終わった。


お、膨らんでる・膨らんでる


これを蒸すこと二十分。


出来上がりだ。


あんまんだ!


デリアが興味深げに匂いを嗅ぐ。そして一口ぱく

「ラインにいに、これ甘いね。デリア、これ好き!」


はい、デリアの「これ好き!」頂きました。

兄ちゃん頑張ったよ。


でもなんで、あんまん?

本当は紅白まんじゅう作りたかったが、食紅が時間的間に合わなかった。

パリピの諸葛亮孔明様も許してくれるっしょ!?



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