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なろラジのお部屋

夜に彼女と行く夏祭り

作者: スタジオ めぐみ

クリスマスイブに付き合ってから、8ヶ月。

俺にとっては人生初の彼女。

彼女は同じ職場の同期。

よく笑うし、よく食べる。

面倒くさいことは後回しにしがち。

予定は立てるが臨機応変が多い。

「夏休みの宿題、最終日に焦ってやる子だった?」彼女に聞いてみた。

「日記だけ毎日書いて、あとは全部ラスト1週間で終わらせた。」と彼女。

意外としっかりしていた。

付き合ってから彼女のことを知っていく。

喧嘩して、仲直りして、この繰り返しだ。

彼女は我慢するタイプで、定期的に爆発する。

爆発の度に、女は難しいといつも思う。

今は、我慢しないを目標に上手くやっている。

そして、彼女の扱いにも少し慣れてきた俺がいる。

定期的にハーゲンダッツや、コンビニスイーツをお土産にあげると喜ぶ。

雑誌に【女性はプレゼントの金額よりも回数が重要!】長続きカップルの秘訣と書いてあった。

結局のところ、俺は彼女が大好きなんだ。


「この夏祭り行きたいな。花火やるみたい。」と彼女が携帯片手に見せてきた。

今度のデートは夏祭りに決定した。


夏祭り当日は小雨だった。傘が邪魔だ。

彼女はせっかく浴衣着たのにと少しご機嫌斜めだ。

普段見ない浴衣姿にドキドキした。

「浴衣似合ってる、髪も可愛いね。」

変わったことを気がついて褒めるのも長続きするカップルの秘訣の1つだ。

「この髪時間かかったけど、やっぱりいいよね。あのさ、そっちの傘入っていい?」

「いいけど、濡れない?」

「相合傘したい気分なの。濡れてもいい。」

夏祭りは小雨のせいで人がまばらだった。

花火はやるのだろうか?

相合傘で俺の左肩が濡れていく。

浴衣で歩きづらい彼女の歩幅に合わせて歩く。

屋台を吟味する食いしん坊な彼女。


突然、ドンドンと音がした。花火の合図がした。

彼女は、お好み焼きとりんご飴を買っていた。


ヒューーー。ドォォォン!

夏の音を体で感じる。


歩きながら、花火を見た。

途中で温かい飲み物が欲しいと言われ、探したがなかった。

8月の自販機は全て冷たい。

傘で花火が見づらいし、傘で手が繋げない。

相合傘はあんまり好きじゃないかもしれない。

「花火綺麗だね。」と彼女が言った。

雨でも来てよかったと思った。




「あの雨の日の夏祭りのあと、2人して風邪ひいたよね。」

毎年、彼女は夏が来る度に今日の出来事を笑いながら楽しそうに話すんだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 雨って厄介だけど、特別な思い出になりますね。 二人で雨の日に花火を見に行った記憶も、思い出としてずっと残るんだろうなぁって思いました。
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