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アリタリア武器、防具店

ほんと見てくれている人も居ないとおもいますが

頑張ります

レイフィルがミラル達に連れられて訪れたのは

町外れに隠れるようにたたずむ建物

「ここは、私の知り合いが営んでる武具の店で小さいけど、この国でも有名なんだよ」

有名と言うよりはかなり古い建物

ミラルはアリタリア武器防具店と書いてあるガラスドアを引いて

レイフィルを促し店内に入る

「こんにちは」

店の中は人の気配がしない

「いらっしゃいませ」

店の陰から急に初老の男性が現れた

「ラルクさん久しぶり」

「おお、これはミラル様いらっしゃいませ

今日はどのような御用でございましょう?」

「今日は私のパーティーの新メンバーの装備を整えたくて見繕ってもらえる?」

そう言ってミラルはレイファルを前に出す

「ほうほう、それはミラル様のお目にかなうとは・・」

そう言うとラルクさんは方眼鏡越しにレイフィルをジッと見る

よく見ると方眼鏡の奥の瞳が金色に光っている

レイフィルは少し怖くなり後ろに下がろとしてガシッと肩をつかまれる

「大丈夫、怖くないよ?」

「なるほど、なるほどわかりました」

そう言いながらラルクは頭を下げる

「不快な思いをさせ申し訳ありませんでした

さて、少し質問をさせて頂きたいのですがよろしいでしょうか?」

レイフィルはミラルに後ろから支えられながら頷いて答える

ラルクは片眼鏡を外しレイフィルに向け笑顔を作る

「ごめんなさいラルクさんこの子、言葉が・・」

「さようでございますか、では頷いてお答え頂けますか?」

レイフィルは頷く

「ありがとうございます、では

お客様のジョブは精霊使い・・で、よろしいですか?」

レイフィルは黙って頷く

「ふむ、とても繊細で魔法力も高くないと出来ないジョブですね

何より、とても精霊に好かれていらっしゃるようですね」

レイフィルはラルクに言い当てられ目を丸くする

「相変わらず凄いわね、ラルクさんの鑑定眼は

レイフィルは私達とは意思疎通で話すことが出来るし、とても良い子よ」

目を離さずレイフィルを見るラルクに庇うようにミラルが告げる

「そうですか、それなら何故ご自分を偽るのですか?」

ラルクのいきなりの言葉に3人はレイフィルを見る

「偽る??」

アレッタのつぶやきに

「ハイ、常時魔法をまとっているようです

このままでは身体を壊してしまうと精霊も心配していますよ」

ミラルは驚いてレイフィルの肩に置いた手に力が入る

アレッタとサライラもビックリしたように固まっている

レイフィルは下を向いたまま少し震えている

ミラルはレイフィルと目線を合わせて

「ねっレイフィル、あなたが何を隠そうとしているのか分からないし

構わない・・・でもね

本当に身体に負担が掛かっているなら今自分に掛けている魔法を解除してお願い

たとえどんなことになっても驚いたりしないから」

レイフィルは頷くと大きく息を吸い込み手を前に出して目を閉じる

精霊が飛び始め光り始める

店内が光に包まれやがて消えていく

「き、綺麗・・」

そう言うのが精一杯だったレイフィルは元から肌が白かったんだけど

焦げ茶色の髪の色が薄い黄色から毛先に向って緑がかっている

「これは、すごい」

「ってレイファル・・背伸びてない?」

アレッタの言うとおりレイフィルの身長がアレッタと変わらなくなっていた

「魔法で姿を変えていたのはその髪の色のせい?」

ミラルの質問に

『はい、小さい頃は濃い茶色なんですが成長するに従って、この色に・・おかしいでしょ?』

「おかしくなんかないよとっても素敵じゃない」

『でも・・・・』

ラルクには一方通行の会話に聞こえるため軽く咳払いをして話?に割って入る

「ミラル様、彼はなんと?」

「この髪の色を隠したかったんだって・・きれいなのにね」

「その色は聖刻の森の末裔、かも知れませんな」

「聖刻の森?」

「ええ、昔栄えた北方の深い森の中に精霊と人が共に暮らす国があったと言われ

そこに住む人々が新緑に溶け込むような髪の色をしていたと聞いています」

ミラルはラルクの話を聞き、考え込むが

「分かった、少し調べてみるわ、情報ありがとう」

「はい、かしこまりました、それではこちらをお使いください」

「これは?」

ラルクがミラルに渡したのは手のひらに軽く乗るぐらいの丸い球

「もとは、化粧品として開発された物ですがカモフラージュに最適と当店でも置いています」

「ほう、使い方は?」

「頭の上でつぶすだけです」

ミラルはそれを聞きレイフィルの頭の上でつぶしてみる

ポンという音がして一瞬でレイフィルの髪の色が茶色く変色する

「これは、すごいな」

「へー元の色も素敵だったけどこれはこれでいいんじゃない」

『なにが?』

何が起こったかわからず困っているとミラルがショートソードを半分抜いて

刀身にレイフィルを映す

『あっ』

レイフィルはみんなの顔を見渡した後ラルクの顔を見る

「それなら、魔法をまとわなくてもよいでしょ」

『あ、ありがとうございます』

「どういたしましてって、あれ」


「えっラルクさんレイフィルの声聞こえたの?」

「ええ、不思議と何故か」

「レイフィルに良い人認定されたんじゃない」

アレッタの一言にみんなが笑い出す中、レイフィルだけ恥ずかしそうにしている

「それで装備ですがこちらのダブレットはいかがでしょう?」

ラルクが持って来た同装備は布鎧、しかし鎧と言うには見事なまでの刺繍が施されていた

「すごいな、この刺繍この胸当ては?革か・・革にも刺繍?」

「これは、現代の物ではありません、今から200年程前に聖刻の森で造られたとされ

今となっては布を織る製法 刺繍の入れ方、すべてが分かっていません

特に、胸当てなどに使われている革はベヒーモスの革、現代のどんな刃物でも

傷をつけることが出来ないと言われています」

横で聞いていたアレッタが目を見開きながら

「傷つけられないってカービングして刺繍までして・・・マジで?」


「精霊使いのために造られた物と聞き伝わっています」

ミラルはダブレットを受け取って驚く

「これ、軽い・・それに凄い綺麗」

「てか、これ幾らするの?」

全員の視線がモラリさんに集まる

「少し前になりますが西メルキア王国の競売にこれより劣る聖刻の森製のダブレットが

7千万バリル、金貨700枚で落札されたと聞き及んでいます」

「しかしお勧めした手前、代金はお気持ちで結構でございます」

「えっ?お気持ちって・・・これほど貴重な・・・うーん」

「よし、わかったは」

ミラルは腰につけたバックから革の袋を取り出す

「これで、何とかなるかな?この中に白金貨で20枚入っているわ・・私の全財産よ」

そのやりとりを見ていたレイフィルがアレッタに近づき袖を引く

「ン?」

『白金貨って?』

「ああ、金貨100枚で白金貨1枚で・・20枚だと金貨2000枚かな」

『それって、凄いんですよね?』

「確か騎士団の隊長の年収が金貨50枚とかじゃ無かったかな」

それを聞いてレイフィルは青ざめミラルを止めようとするが

ミラルに笑顔で止められる

「レイフィルの言いたいことは分かるわ・・・でもね

これだけは絶対手に入れないといけない気がするの、だからまかせて」

ミラルはそう言うとラルクと商談を続けようとする

なおも止めようとするレイフィルをサライラとアレッタに肩を押さえられる

「大丈夫よ、ミラルにまかせて・・・ね」

「どおかなラルクさん・・足りなければ、後10枚何とかするわ」

それを聞いてラルクは口元を緩め

「ありがとうございます、それでお譲りいたします

それと、こちらも一緒にお納め下さい」

それは、綺麗な鞘に収められたショートソードとベルト

ミラルはショートソードを手に取ると鞘から抜いてて驚く

「これ、刀身が白い?」

「はい、その刀身は石を一度粉にして魔法で固めた物を焼き上げて造られています」

「石の粉?」

「はい、ダブレットと同じで精霊は大量の金属を嫌うので造られたようですが

物凄い切れ味ですのでお気をつけ下さい

ベルトもバックルに金属を出来るだけ使わずフックで止めています」

「へー至れり尽くせりね・・レイフィル売買契約成立したわ

着替えさせてもらったら」

ハイと言ってレイフィルにダブレットを渡す

レイフィルはシャツの上からダブレットを頭からかぶり手を通す

「少し大きいかしらね」


その瞬間ふわっとダブレットが光り輝きスッと消えていく

みんなが驚くなかレイフィルは目を閉じてジッと動かない

「レイフィル?」

「大丈夫?」

レイフィルはゆっくり目を開ける

「はい、大丈夫です」

「「「えっ?」」」

「レイフィル貴方声が・・・」

「やっぱり聞こえたよね」

「ねえ、ダブレットも、ちょうど良くなってない?」

「まって、アレッタ、それも気になるけどその前に声が出た方が重要よ」

「レイファル何か喋って」

いきなり振られてレイファルは困り顔で

「あ、あの・・・えとっ・・」

「やっぱり普通に聞こえる、どうしたのいきなり」

「それは、ダブレットの力でしょうな」

「服の力?」

「このダブレットは聖刻の森に住む森人が制作したと言われています」

「聖刻の森の?」

「ええ、恐らく魔法の糸でダブレットに施された刺繍に

レイフィル様が自分の身に掛けた戒めを解いてくれたのでしょう」

「はぁー、どんだけ自分いじめてんのよまったく」

とりあえず、そのことは後で調べるとして

レイフィル、このベルトを着けて剣もね」

ミラルはベルトと剣を渡す

レイフィルは不器用にベルトと剣を装着する

「これもベルトに付けると良い」

「サライラさん?」

サライラがレイフィルに渡したのは小さなカバン

「貴方の異空間収納はとても素晴らしい・・

でも、世の中には良からぬ事を考える奴もいるそのカバンは

魔法バッグ容量を魔法で大きくしてあるの

これはあまり大きくは無いけど普段はこっちを使って」

「サラにしては長文だったけどさそれ小さい家一件分ぐらい

入るマジックバックバッグだからね・・幾らすんのよそれ」

「姫に比べればたいしたことない・・・白金貨3枚・・・」

「ぬおー」

「モラリさん何かないレイフィルに送るの何か良いの無い?」

自分だけ何もしていないと思い慌てるアレッタ

「まったく負けず嫌いなんだから・・ねぇ」

ミラルはレイフィルに微笑みかけながらマジックバッグをベルトに取り付ける

「あ、あの・・・」

「ン?どうしたの?」

「えーと、このピンク・・・・」

「レイフィルーーこれ、どう?」

レイフィルが何か言おうとしたのをアレッタが遮る

「アレッタ何それ・・マント?ケープ?」

「短めのケープだよ魔法耐性と物理防御機能が付加されてるし

その他、色々アップ機能付き・・どう?」

「おおアレッタにしては良いじゃん、かっこいいよ」

「にしては、はよけいよ」

「ありがとうございます・・でも、このピン」

「では、私からはこちらを・・」

そう言ってモラルがレイフィルに渡したのは拳三つ分ぐらいの短い杖

精霊使いの方に適した杖ですお三方のように高価な物ではありませんが

レイフィル様に会った物を用意いたしました」

モラリはレイフィルに杖を渡す

レイフィルは杖を2~3回振ってみると光と共に精霊が飛ぶ

「精霊が喜んでる・・モラリさんありがとうございます」

モラリは笑顔でお辞儀を返す


「よし、次はキルドね、行くわよ」

「「おお」」


僕のピンクのショートパンツを何とかしたかったけど

言えなかった、お金稼げるまで我慢しよう


覚悟を決めてモラリにお辞儀をしてミラル達を追って外に出る





見つけて頂き

お読み下さりありがとうございます

もし、面白い 続きが気になりましたら登録お願いいたします

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