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8話

シュステマ学園 教室


「あぁ…ムリ死ぬ…。」

「ほんと昨日はひどい目にあった…。」


 さすがに昨日セランにこっぴどく怒られた次の日にサボったことがバレたらどんな目に合わされるか分かったもんじゃないから朝から授業を受けに来たけどしんどすぎる…。ていうのも


 あの後お説教が終わって帰れるかと思ったらセランったら


「お前たち少したるんでるのではないか。どれ私が久々に稽古をつけてやろう。何、場所については本部の演習場を特別に借りてあるから心配することはない。」


 って言い出して地獄の稽古が始まったのよね。明日授業だからって言っても

「サボってクエストに行くくらい元気が有り余ってるんだから問題なかろう。」


「もうそう言う問題じゃないのよ!おかげでまだ魔力不足よ…。」

 寮に帰って寝てたい…。


「たしかにはるのあれはしんどそうだったな。」

 同じく隣の席でだるそうにしてるアザールが声をかけてきた。


「でしょ。セランったら

 「魔導具を使うのは構わんがいざというときの為に魔導具無しでもある程度は魔法を使える様にしとかないとな。どれ試しに無しで魔法を使ってみろ。」

って言うのよ。それで魔法を発動してみたら…」



「魔力の収束が甘い!それでは魔力を無駄に垂れ流してるようなものだ。ここに魔力回復薬を置いておくから私がいいと言うまでひたすら練習をしておけ。」



「そのままきちんと魔力を収束できるようになるまでひたすら魔法を撃ちまくって……。」

 私は収束が苦手だから自作で魔導具を作ってまで誤魔化してるっていうのに…。


「それはおつかれさん。俺も昔セランに同じ事やらされたわ。」

 話を聞いたアザールが同情する眼差しを向けてくる。


「けどそう言うアザールだってセランと模擬戦でしょ。そっちの方が大変じゃない。」


「ああ。しかもセランのやついきなり…」



「水に氷に通信魔法と。相変わらずあれもこれも手を出してるみたいだな。アザール、お前ははると違って水星タイプの特化型って事を分かっているのか。

 特化型のクセにあれもこれも出来る事全てに手をだしてるせいでどれも中途半端になっているな。

 どれだけ中途半端なのか骨身に叩き込んでやろう。かかって来るがいい。」



「て言うんだぜ。」

 

たしかにアザールには水か氷、通信のどれか一つに絞ってもらったらほうが…。

「けど私達の場合はねぇ。」

 隣の机で死んでいるオースターに顔を向ける。


「まぁパーティーのバランスを考えたら手を出さざる負えなかったってのはあるんだが。」

「けどこれからはオースターが魔力をこめて殴る以外の事ができる様になったから、アザールもやる事絞れるんじゃないの?」


 そう言って頭にはムリフェインの能力で変身?したオースターと屋敷を切り裂いた斬撃が頭に浮かぶ。

 オースター自身も言ってたけど今までも魔法を破壊出来て重宝してたはしてたけど、どうしてもゼロ距離しかだったからね。その上火力を上げようとしたら魔力消費が馬鹿にならなかったみたいだし。


「まあな。で、その肝心のムリフェインって言ったか?オオカミは何処言ったんだ?」

「そこ。オースターの足元で伸びてるわよ。」


 オースターの火力アップのキーマンとなるムリフェインは初めてのセランの稽古に疲れきったのか一夜明けた今も完璧に伸び切っている。


「あー。俺らが力尽きた後ひたすらセランと模擬戦してたんだってな。そりゃそうなるか。」


「結局何時くらいまでやってたのかしら?」

「さぁ。ただあのうなされ様を見ると相当やってたんじゃねーのか。」


「アルティマ…ソード……。ブレイク…スラッシュ……。ソード……ぐぅ…。」


「今回のは相当きつかったみたいね…。」



キーンコーンカーンコーン

 そうこう話してるとチャイムがなり教室に先生が入ってきた。

 オースターは…。うんどうせ今日は多分今度の卒業試験の内容の発表だけだろうしそのまんまにしといて上げたらいいか。


「ほらお前ら早く席につけー。うすうす感づいてるやつも居るかもしれないが今度の卒業試験の内容を発表するぞ。今年は例年と違うから心して聞くように。」


「おい、じゃああの噂は…。」

「例年通りだと思って準備しちゃったじゃない。」

「甘いな。俺は変わるのをみこして…。」

 例年とは違うという先生の言葉を聞いて教室がざわつく。

 事前に仕入れた情報通りね。てことは今年の卒業試験の内容は…


「今年の卒業試験の内容はずばり、先月完成した…」


人工迷宮探索ね。

「人工迷宮探索だ。

お前たちには3日以内にこの迷宮の全体の3分の2地点の到達を目指してもらう。つまり目標地点に到達したら卒業、到達できなかったら留年と言うことだ。」


 人工迷宮。最新の魔法工学を駆使して当初の完成予定から大幅にずれて先月ようやく完成した世界初の人工的に作られた迷宮。人工的に作られてるから出てくるモンスターや途中のギミック、はては通路に至るまで全てを自由にいつでも改変できるという。

 ようやく完成して、卒業試験に使われるかもと言う情報を仕入れたから準備はしていた物のまさか本当に使ってくるとは。


「後は…あーそうだ。一応今回が初の実践導入と言う事で不足の事態が起きた時に対応できる様外部から魔導師を招いて各パーティーに一人ずつつくことになっている。特にお前たちがその魔導師に対して何かするとか言うのはないが一応頭に入れとく様に。

 それじゃあ各自準備もあるだろうし解散!」

 伝えることだけ伝えて先生はさっさと帰っていった。てか最後の各パーティーに一人魔導師が来るってまさか…


「おい。さっき先生が言ってた魔導師って。」

「多分昨日セランが覚悟しとけって言ってた事よね。」


「セラン!も、もう模擬戦は…。」

「オースター、いそいで逃げるぞ!」

 セランという言葉に反応したのかさっきまで席で力尽きていたオースターとムリフェインが飛び上がる。


「はいはい。あんたたちやっと起きたのね。もう授業終わったわよ。」

「起きたなら丁度いい。卒業試験の内容も発表されたことだしさっさと準備しに行くぞ。」


「なんだ…。ん?試験内容発表されたのか?」

「うん。事前の予想通り例の迷宮探索だってさ。」

「やっぱあれになったのか。」

「なんだ?その例の迷宮ってのは。」


 オースターには前もって伝えてあったが、ムリフェインは当然わかんないから質問してくる。


「その辺は後で歩きながらアザールが説明してくれるわよ。」

「説明すんの俺なのか?」

「てかムリフェインはこれからどうするの?昨日もなし崩し付きにセランの特訓に付き合わされて今も普通に学園までついてきてるけど。」


 クエストの帰り道にも色々話を聞いたけど結局正体も謎のままなのよね。まぁ悪いやつではなさそうなんだけど。


「俺はこのままオースターについていくぞ。もう契約もしちまったしな。それに特に行くところもないし。」

「俺いつの間に契約したんだ?」

「あのときペルフィーデと叫んだだろ。」


 気づかないうちに契約してたとかまったく相変わらず…。


「お前ら、話してないでさっさと準備しに色々買いに行くぞ。」

 気づいたらいつの間にか荷物をまとめていたアザールが教室の入り口のところで待っていた。たしかに買い出しもしないとなんだけど例の魔導具が最終段階でまだ出来上がってないのよね。だからここは悪いけど


「ごめん。私このあとちょっと用事あるから3人で行ってきてくれない。お金は言ってくれればあとから払うから。後これ、必要なもののメモ。この通り買えば大丈夫なはずだから。

それじゃあ先行くね。ばいばい。」


 そうしてすこし駆け足で教室を出ていく。

 ふふふ。後少しで例のアレが出来上がるわ。それさえあれば試験なんて余裕ね。


「よーし。頑張るぞー!!」




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