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6話

屋敷 牢屋

side オースター


「久しぶりのしゃばの空気だぜ。ありがとよぼうず。」


 牢屋に張られてた結界を壊したら中から2足歩行の、あれ?よく見ると足がなくて浮いてるから0速歩行の?狼が出てきてお礼を言ってき…お礼…


「オオカミが喋ってるだと!!」

「そりゃ俺はエリートだからな。喋るのなんて当たり前だろ。」

「そうか。お前エリートなのか。なら喋るのも当たり前だな。」

「自分で言っといてなんだがそれでいいのか…。」

「なにっエリートじゃないのか!?」


ブーブーブー

 辺りに突然アラートが響き渡り、結界か何かで分からないように巧妙に隠されてたのか今まで通って来た道に突然脇道が現れ中からモンスターが大量に出てきた。そのうえどこからともなく水が流れ込んできた。


「な、何だ急に?」

「結界が壊されたら自動的に発動する仕組みか…。おいぼうず、このままここに居たら仲良く土左衛門だ。さっさとずらかるぞ。」


 モンスターは脇道に隠れていた分が出きったのかこれ以上増える気配はないが、水は一向に止まる気配がなく少しずつだけど溜まってきている。


「おうよ。それと俺はぼうずじゃねぇ。オースターだ。」

 そう言いモンスターを1体ずつ倒しながら通路を突破していく。くっそ…1体ずつは大した事ないけど数が多すぎる。水の溜まるスピードを考えたら出口まで間に合うか微妙なとこだな…。

 てかそもそも出口の場所知らないし。オオカミが言うにはずっと1本道みたいだけど。


「てかお前。見てないで手伝えよ。」

「お前じゃない。ムリフェインだ。手伝ってやりたいが俺自身は戦闘力はないから諦めろ。

 それよりもオースターとか。さっき結界を壊したのを見るにお前は魔道士だろ。なんか範囲攻撃とかないのかよ。」

 ムリフェインは本当に戦えないのかやる気が無いのかわからないけど、腕を組み悠々と飛んでいる。


「範囲攻撃できたらとっくにやってる!

このままじゃ埒が明かない。無理やり強行突破するぞ!」


 強行突破の為の魔力を貯めるために、地面を叩いて水飛沫を上げてその隙にモンスター達から距離を取る。

 この際多少周りに放出してロスしてもいいから魔力を一気に…


「お前、その魔力…。オースター。俺自身は戦闘力は無いが手は貸してやる。ペルフィーデって叫べ。」

「なんだってそんな。」

「いいから早く言え!」


 そうこうしてる間にも水はすでにすねの辺りまで溜まってきていて、モンスターも大量の魔力に気づいたのか向かってきた。

 強行突破も上手いこと行くか分からないし…このオオカミにかけるか

「いいぜ。叫んでやんよ。ペルフィーデ!!」


 叫ぶと全身が謎の黒い球体に包まれ、体に自分の物でない他の魔力が入ってくるのを感じた。

 なんだこの魔力は…いやに体に馴染むというかむしろそれ以上に…何だこれは

 魔力が周囲に漏れ出しその漏れた魔力が体に纏わり付き次第にまるで防具の様に形作られていく。

 それは白と黒を基調にして頭部はフルフェイスにそして体部分はシンプルに必要最低限の防具と他は身体のラインが出るような装いに。両手には手甲、足元は膝までのブーツに覆われた装備となった。

 魔力による装備が出来上がると全身を被っていた黒い球体が身体の中央に吸い込まれていき丁度胸の部分にコアの様に収まった。


「なんだこれは一体。いつも以上に力がみなぎって…。」

[ほう。こうなったか。なかなか格好良くできたな。]

 すると隣にいたはずのムリフェインが居なくなっていて頭の中に声が響いた。


「いったい何がどうなってんだ。」

[説明は後だ。取り敢えず手甲を剣に変えるよう念じてみろ。それで剣に変わるはずだ。後は長さも自由に変えられるからそれで大分攻撃範囲も広がるだろ。]


 言われた通り念じて見ると本当に手甲が剣に変わった。今は兎に角リーチが必要だから思いっきり伸ばして一気に剣を振るった。

「あ、やべっ壁にっ。って壁ごと切れた!!

これは楽でいいな。それじゃあさっさと脱出するぞ。」


その後は壁にぶつかろうが天井に当たろうが気にせずモンスターごと切り裂きながら一気に通路を駆け抜ける。


 モンスターを倒しながら通路を駆け抜けていく。

「ムリフェイン本当に1本道なんだよな?そろそろ水もだいぶ溜まってきて走りにくくなって来たし間違ってたら大分まずいぞ!」

[あぁ。俺がここに連れられて来たときの記憶が会ってたらもう少しで出口が見えるはずだ。]


 その言葉を信じて進んでいくとすぐに


[出口だ!出口にも結界が張ってあるかもしれないから準備しとけよ。]

「おうよ。」


 出口の扉目掛けて、結界が張ってあっても大丈夫な様に魔力をこめて蹴り飛ばす。


「しゃー!脱出成功!!ムリフェインおまえすごいやつだったんだな。」

 扉から勢い良く飛び出すとそこは立派な部屋の中だった。

[まあな。ただまだ敵地だ油断するなよ。それとモンスターが上がってこないように念の為入り口を壊しておけ。]


 ムリフェインの言葉に素直に従い扉付近の壁を思いっきりぶん殴る。すると音を立て壁が崩れて今通って来た通路の入り口は完璧に土砂に埋もれて隠れた。


[もっと静かに出来なかったのか…。まぁいい。それでこの後のプランはなんかあったりするか?]

「この部屋が俺が侵入しようとした屋敷なら俺の仲間が来てるはずだ。仲間の一人に通信魔法が使えるやつが居るから運良く連絡くれれば早いんだけどな。」


 アザールのやつはいっつもこう言う必要なときに限って連絡してこないからな…。如何でもいい時はしょっちゅう覗き見して連絡してくるってのに。


「だから取り敢えず探索するぞ。敵が出てきたらその都度殲滅で。」

[そんな適当な…。けど俺様が手を貸してそうそう負けるはずないしそれで行くか。]

「この部屋は何もないしさっさと次行くぞ。」


 この部屋にはさっき壊した入り口と椅子が有るだけで他に何も無さそうだから唯一ある入り口から部屋の外に出る。


「おおー。何だこれは扉がいっぱいあるぞ。いくつあるんだこれ。」


 部屋から出ると長い廊下に繋がっていて大量の扉が通路の両サイドについてた。


「この部屋は、大浴場。うちのギルドについてるの並のデカさだぞ。こっちは厨房か。おっ食べ物発見。今度は書庫か。書庫は…いいや。次の部屋はー」

[おいオースター。ちゃんと探索するきはあるのか?そんな不用心に開けて人がいたらどうするつもりーっておいどうした?ってなんだぁ、この部屋は。]


 他の所より広い部屋で中には大勢が食事をする用の長テーブルが置いてあった。ただそれだけなら普通の部屋だけどそこは天井から木の根っ子が生えていた。


[なんだって部屋の天井から木の根が生えてんだよ。]

「あー多分さっき話した仲間の一人の仕業だな。」


 そう言って天井を見ていると突然亀裂が入ってそこから水が漏れてきたかと思うと、突然一気に天井が降ってきた。

[おいおいおい。どっからこんな大量の水が。]

「アザールあいつやりやがったな!あばばばぶくぶくぶく…。」


side out

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