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2話

シュステマ学園前


「武器よし。装備よし。追ってなし。毎度のことながら完璧な脱走ね。」


 学園の敷地を出たところで宣言すると


「ったく。やっと来たか。寮に装備取りに戻るだけでどんだけかかってんだよ。」


 ぼやきながら隠れていた物陰からアザールが出てきた。


「お、女の子にはいろいろあるのよ。」


 開発中の魔導具が散らかってる部屋がチラリと頭に浮かぶ。


「何がいろいろあるのよだ。どうせ開発中のカシェット散らかしてて必要な装備が見つからなかっただけだろ。」


 その物言いにむかつきアザールを殴った

 どうしてうちの男連中はデリカシーが無いのかしら


「ふんっ。余計なお世話よ。

それよりオースターはどこよ。」


「あぁ。オースターならあそこだ。」


 そうアザールが指さしたところを見ると何やらぶつぶつと考え事をしているオースターがいた。


「お待たせ。はやくギルド本部行くわよ。」


「お、おう。」


 オースターに声をかけ3人でギルドに向かって歩き始めるも依然と考え事をしているオースター。


「オースターがそんな考え事をするなんてどうしたのよ。」


「いや。今向かってるのって統括ギルド本部だろ。」


「そうね。」


「なんで俺らはギルド本部で依頼を受けれるんだ。普通自分とこのギルドじゃないと受けれないよな。」


「まじかお前。さすがに俺でもそれくらい知ってるぞ。」


 私はオースターのあまりにもあほすぎる質問に頭が痛くなってくるのを感じた


「ほんとよ。何年学園通ってるのよ。授業中ずっと寝てるからそうなるのよ。まあギルド本部までもうちょっと距離あるし歩きながら説明してあげるから心して聞きなさい。


いい。まずギルドは各都市に1つあって、私たち魔導士はギルドに所属することで所属先のギルドから依頼を受けたり様々な恩恵を受けることができるの。」


「ほら、やっぱり自分とこのギルドじゃないと依頼をうけれないじゃん。」


「黙って最後まで聞く。」


「はい…。」


「んんっ。

 けど王都は別。王都には私たちが通ってる学園だったり研究機関だったり、ギルドには属さない王立の色んな機関があるわ。その恩恵を受けるために各都市からたくさんの魔導士が集まってくるからそういう人たちのために、各ギルドを統率する立場にある統括ギルド本部で所属ギルドに関係なくギルドに所属して入れさえいれば誰でも依頼を受けれるってわけ。


まぁ私たちのギルドに比べれば若干サービスは悪いけど、依頼を行けれるだけありがたいってものよ。

わかった。」


「おうよ。」


 私の説明を聞いたオースターが元気よく返事をする。


「ほんとにわかったのかよ。どうせ明日には忘れてんだろ。」


「なんだとアザール。やんのかこらぁ。」


「あぁ。ただの事実だろうが。教室では邪魔が入ったしその続きをやってもいいんだぞ。」


 今にも魔法を使いだしそうな雰囲気で二人がにらみ合う


「はいはい。ケンカしないの。あんたたちこの前も街中でけんかして物壊して怒られたばっかでしょ。

それよりギルド本部ついたわよ。」


 まったくこの二人は仲がいいんだか悪いんだか。

 学園内なら魔法ですぐ直るけど街中で物を壊しながら暴れられたら弁償代がどうなると思ってるのよ…



統括ギルド本部


 ギルド本部のドアを開けると空調の効いたひんやりとした空気が漂ってくる。


「いつきてもなれないんだよな。ギルド本部のこの雰囲気。」


 ギルド本部の役所にもにたお堅い雰囲気を感じ取ったオースターがぼそっとささやく


「うちのギルドだと酒場が併設されてるせいでいつ来ても誰かしら騒いでるからな。」


(はは~。私もなんとなくこの雰囲気は苦手なのよね。ちょっとでも騒いだら怒られそうな感じと言い…。)


 そう思いつつもいつまでもそうしてはいられないから、依頼を受けるためのカウンターを見渡すと


「あれ?いつも私たちを担当してくれる人がいないわね。休憩中かしら。」


「誰でもいいじゃねーか。さっさと行こうぜ。」


 オースターはそういいながらさっさと窓口に歩いていく


「依頼受けに来たんだけど、なんかおすすめのあるか?あ、これギルドカードな。」


「はいギルドカードの提示ありがとうございます。ってセレスティア所属の魔導士さん!まさかこのタイミングで大手ギルドの方が来てくれるとは。少々お待ちください。」


 そう言うやいなや慌てた様子でバックヤードに駆け込んでいった。


「オースター、お前なにしたんだ?」


「ギルドカード出しただけだよ。だいだい後ろで見てただろうが。」


「え、ギルドカードの方出しちゃったの。学生証じゃなくて。」


「なんでだ?普通ギルドカードだすだろ?」


「あちゃ~...。まぁ出しちゃったのはしょうがないからいいわよ。」


(学園さぼって依頼行ったのセランにばれなきゃいいんだけど。)


 オースターのうかつさに頭を抱えてると、依頼票を持って受付の人がバックヤードから戻ってきた。


「すいません。お待たせしました。こちらの依頼などいかがでしょう。」


 受付の人が持ってきた依頼表を見てみるととある屋敷の調査クエストと書いてあった。


「おう。いいぞ俺らに任せとけ。」


「ばか。うかつに返事をしないの。ちょっと黙ってなさい。」


 改めて依頼表を詳しく見てみると


「あれ?この場所って近くに生産メインのところだけどギルドがあったわよね。普通この手の依頼って近くのギルドで消費されるはずよね。なんでこっちに回ってきてるのよ。しかも私たちがセレスティア所属って分かったとたん裏から慌ててこの依頼を持ってくるとか。あきらかに普通じゃないわよね。」


 そのうえ調査依頼にしては妙に依頼料も高いし絶対なにか裏があるわね。


「はい。初めはそちらの方が言う通り近くのギルドに出された依頼でした。しかし最近魔物の動きが活性化し各地で討伐依頼が増加傾向にありまして、もともと生産寄りで所属している戦闘職の方がすくなかったために手が回らなくなり、今朝本部に回されてきた依頼になります。」


「けどそれ屋敷の調査依頼だろ。こういっちゃ何だがあんなに慌てるようなものには見えないけどな。」


 アザールの言うとおりよ。本部のこの対応…。まるで急ぎの討伐位来みたいな


「ええ。本来ならそうなんですがこれにはちゃんと理由がありまして、調査対象の屋敷から異常な魔力波が検出されたとの報告が上がっており緊急性のあるクエストと本部は判断しました。いやこのタイミングで大手ギルドの方が来てくれて助かりました。」


「うぁ。怪しさ満載じゃない。オースター、アザール、どうするのよ。」


 怪しさ満載の説明を聞き依頼を受けるかどうかを二人に聞いてみるとそれはいい笑顔で


「受けるに決まってるだろ。」


「こんな楽しそうな依頼逃がす手はないよな。」


「その依頼、セレスティア所属パーティーライラプスが引き受けた。行くぞはる。アザール。」




???

「っく…まさかこうもあっさり封印術に捕まるとはな。やっぱ・・・にいる時の様にはいかないってことか。」

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