1話
ソラーレ王国シュステマ学園
「はるか昔、創世の時代ある一人の大賢者がいたとされている。
その大賢者は天地創造の魔法を使い人類に繁栄をもたらさんと奮闘した。。
しかし、創世の時代は今と比べ物にならないほど過酷でいかに大賢者といえども険しい道のりであったとされ夢半ばで倒れた。
大賢者亡き後、その弟子8人が師の偉業を引き継ぎ人類にさらなる繁栄をもたらした。
その弟子、一人一人は大賢者の御業には及ばないが各分野で突出した才あり。
その弟子達、己が大賢者から引き継いだ技を『水、金、地、火、木、土、天、海』と分け人類に魔法として誰もが使えるよう授けた。
そして今までは属性はこの8属性のみと考えられていたが、ここ数十年の研究によりこの基本属性のほかに一人一人に星の加護が与えられていてそれらの組み合わせにより様々なユニーク魔法があることが明らかにされており.....」
「オースター、オースター。起きて。先生にばれるよ。ほら起きなさいってば。」
私はそう言って授業中にも拘わらず右隣で気持ちよさそうに寝ている白髪の青年の体を揺する。
「っは。そんなんでそいつが起きるかよ。ここはこうしてだな。」
それでも一向に起きる様子の無いのを見かねてか左隣に座っている青年が割って入ってくる。
「ちょっとアザール何する気よ?」
「まあ見てなって。アイスハンマー!」
そうアザールが唱えるとオースターの頭上に氷でできたハンマーが振ってきた。
それはもう盛大に机を壊しながら...。
「痛ってー!誰だ!アザールお前か。何すんだお前!」
「あぁ?授業中眠りこけてるお前が悪いんだろ。起こしてやったんだからむしろ感謝しろ。」
「おいおい。また始まったぞ」
「逃げろ巻き込まれるぞ。」
オースターとアザールの言い合いをみてみんな一斉に教室のはじに避難する。なぜならもうそろそろ...ほら。
「もう頭来た。アザールお前は一回ぶん殴る。」
「やれるものならやってみろ、オースター。アイスランス。」
「そんなもんは効かん。どっせい!」
「はあ相変わらずどうやったら魔法を殴って壊せるんだよ。まったくでたらめな奴だな。」
アザールがオースターに向けて撃った氷の魔法をオースターが殴って破壊する。
授業中にも拘わらず私を挟んで暴れているバカ二人は幼馴染でありパーティー仲間である。ええ、たとえ教室なのにも拘わらず派手に魔法を打って備品を壊しまくってるバカどもでも私のパーティー仲間なのだ。
「あんたたち...おとなしくしなさい。サンダー。」
「「あばばばばば。」」
ちゅどーん
私が魔法を発動すると両隣で騒いでるバカ二人に向かって雷が降り注いだ。
「ふん。まったく授業中なんだから静かにしてなさいよ。それにこんなにいろいろものを壊して。」
そういって周りを見渡すと壊れた椅子や机もはや誰のものかわからない筆記用具などが散らばっている。何人か氷漬けだったりそれ以上にプスプスと雷に撃たれたみたいに煙を上げてる人がいるような気もするけど気のせいよね...。
「どう見てもはる。お前の魔法被害が一番でかいだろ。」
「そのとおりですよ。はるさん。」
「あれ~先生。ははは......。」
後ろを振り返ると先生が仁王立ちをしていた。こころなしか後ろに般若を背負っているように見える。
「しばらく廊下に立ってなさい!!」
先生はそう叫びドアの方を指さす。
「はひっ!」
「ぷぷぷ。どんまいはる。」
「どんまいではありません。あなたたちもですよ。オースター、アザール。」
「「はいっ!!」」
「まったくこれで何回目ですか。しばらくそこで立って反省しなさい。」
ピシっ
そう言い残し先生は勢いよくドアを閉めて教室に戻っていった。
「お前のせいだぞはる。おれは寝てただけなのに。」
「あんたが寝てたから私が起こそうとしたんでしょ。
それを言うなら初めに魔法を使ったアザール。あんたのせいでしょ」
「なにをぉ。オースターがさっさと起きないからだろ。」
「「「ぐぬぬぬ」」」
「はぁ~。廊下に立たされるなんてサイアクよ。」
「そうだな。ずっと立ってても面白くないしギルドでも行くか。」
「おっ、オースターにしてはいいこというじゃねーか。」
「そうと決まればささっと行くか!」
「こらバカ。静かにしとかないと。」
「あなたたち。静かに立ってなさいと言ったでしょ。」
「やべっ。ばれた走れ。」
オースターが叫んだのを聞きつけた先生が教室から顔を出して私たちをしかりつけた。
それと同時に私たちは一気に廊下を駆け抜ける。
「ほら。静かにしないからばれたじゃない。」
「どうせ授業中で追ってこれないんだから関係ないだろ。にっしっしし。」
「なんなら廊下に氷張っといておってこれないようにしとくか。」
「もうこれ以上余計なことするのやめなさーい!!」
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