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  作者: SE7EN
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例えば、世界について。

大学弓道って存外、熱血競技なんです。

:例えば、世界について


 「僕の代わりはいないけれど、僕の上位互換は沢山いる」

 使い慣れたSNSのタイムラインに、その言葉は突然に、でも忽然とそこに現れた。

 この世界は誰かの上位互換、または下位互換で溢れている。僕もまた、誰かの上位であり下位なのだ。過去に感じた言葉にできない感覚、胃に真っ黒な何かが雪崩れ込んでくるような、そんな感覚に苛まれる。世界は淘汰の連続だ。淘汰の連続が世界だ。どんな世界でも唯一の価値を証明できない限り、どこかの誰かにとって変わられる。

 部活もその例外ではない。淘汰の連続を勝ち抜いた上位種が見事栄冠を手に入れる。

「聡介…?」

こんな時に聴きたい声じゃなかった。

「…部活は?来なよ。」

女にしては少し低めの落ち着いた声も、今ばかりは耳障りだ。

「もうやめたから。弽もない。」

「…んー。そっか。」

案外あっさりした返事に少し物足りなさを感じる。でもまあ、しつこいよりはマシだろう。少しメンヘラ気質な自分がいることに驚きと不満を覚えながら席を立つ。こんな時間まで大学にいるからこうなる。浅はかだった。

 駐輪場に停めた自転車に跨り、駅までの道を飛ばす。バイパス沿いを買ったばかりのBluetoothイヤホンを付けて走る。前に一度警察に見つかって怒られた事もあったが、そんな事はどうだっていい。部活というデイリーイベントがなくなった今、僕は自由だ。バイトもするし、タバコも吸う。高校まで品行方正だった分、大学では自由にさせてもらうと決めていた。

 でも今年で大学入学から2年が経とうとしている。次の春には3年で、就活やら企業説明会やらがあるらしい。髪を染めることができるのも今のうちだ。

 一人暮らしの家に帰るとヤツには「ない」と話した弽と弓が玄関先に置いてある。本当は見るのも嫌だけど、かと言ってこんなバカ長い弓を片付けるスペースも一人暮らしの狭い部屋にはなく、傘同様、玄関に立てかけるしかなかった。

 もう弓道は、僕の世界ではなくなった。

まずは、読んでいただきありがとうございます。


さて、ここから始まる物語ですが、弓道については私個人の経験に基づいて書かせていただきます。まだまだ知識も文章も拙いですが、ご容赦ください!!何卒!!!

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