4話 天使といえば?
家に着いて最初にすること......
家族に紹介する?
答.今家には俺とルミナスしかいないから出来ない。
さて、では何をしよう。
(ルミナスは俺が養わないといけない。パンツを見たお詫び...代償として)
「取り敢えず俺の部屋に来てもらえるか?」
「いいけど...エッチな事はだめよ?」
「しねぇよ!」
流石にそんな事は天使に出来ない。
いや、そんな言い方だと他の女の人にはやるみたいな誤解が生まれるけどもちろんそんな事はしていない。
ちなみに俺の部屋は特にパッとしたものは置いていない。
クローゼットにかけられた服達とベッド、本棚、机とゲーミングチェアと机の上に置かれたゲーミングPC。
パッと見渡してそんなもんだ。
まぁ、部屋の隅の方にゲーセンで取ったフィギュアとかぬいぐるみがバッと乱雑に置いてあるが。
「へぇ、今の16歳はこの様な部屋なのか...」
うーん......
俺の場合は高1からバイト初めて貯めた金でPC買ってからやり始めた動画投稿で結構いい所まで行けた。
今はバイトはしていないが動画投稿だけで普通に生きていけるくらいはお金が入ってくる。
だから他の16歳の高校生に比べたら多少はいい部屋だろう。
部屋自体の大きさも大きい。
この家自体俺が5、6歳の頃に建てたものだから結構最近だし、家自体大きいから部屋も大きい。
「ふぅん。このベッドいい感じじゃん」
ルミナスはぽんぽんと手でベッドを押してからくるりと反転してベッドに腰掛ける。
それだけで見るからに軽そうなルミナスの身体がベッドに沈んでいく。
「当たり前だろ...それ母さんが俺の誕生日プレゼントにくれた一級品なんだから」
プレゼントの値段を調べるのは家族でも失礼だから調べていないけど、絶対高い。
逆にこれで高くなかったら俺が今まで使ってたベッドはなんだったんだろう。
「というか私のより質......いい?」
どうやらルミナスのベッドはあまり良くない様だ。
「ねぇ。私...このベッドで寝ていい?......いや、全部借りるわけじゃなくて半分!半分だけだから!」
このベッドはダブルだ。余裕で2人入れる。
問題は俺の理性だが......
いずれ慣れるだろ。
「まぁ、いいけど...」
「やった!」
よし!と手を上げて喜ぶルミナス。
そんなにいいなら買えばいいのに。
「あれは何だ?」
とルミナスが指差す先はゲーミングPC。
流石に天界にもパソコンは置いてないんだろう。
完全初見なのか物珍しそうにPC本体をツンツンして電源ボタンを押してビクッ!ってしてる。
「パソコンだな。まぁ、俺はゲームと動画編集でしか使ってないけど...」
あとはちょっとした調べ物とか動画を見るくらい。
「ゲームか!ミッちゃんが楽しいって言ってたな!」
ミッちゃん?また新しい人が出てきたな。
それにしてもここまで天使らしい事って翼と天使の輪っかしかないけど......
「翼と天使の輪っか以外に天使らしいこと出来ないの?」
「て、天使らしいこと......」
なにやら考え込むルミナス。
「あぁ!これなら天使らしいな!」
と言って人差し指をつん!と俺の腕の上に伸ばして言葉を言い放つ。
「ヒールドロップッ!!」
するとルミナスの人差し指の先から一滴の滴が落ちてきて、俺が俺の腕に当たった瞬間、身体に爽快感が駆け巡った。
ちょっと言い方を変えると逝った。
全身の疲れとかが全部吹き飛んだ感じだ。
「ふふん!どうだぁ!!」
ルミナスはドヤ顔で俺の事を見てくる。
「今の回復魔法か?」
「聖魔法だよ!他にも魔法は使えるけど天使といえば癒しの魔法でしょ!」
例外もいるけど......とボソッと呟いたのが最後に聞こえた。
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