1話
「なぁ...なんで俺の部屋にいるんだ?」
「そんなの決まってるじゃないですか......私を養ってもらうためですよ」
☆ ☆ ☆
ある日、それは突然現れた。
電車が時刻通りの1秒のズレもなく出発する。
学校の授業中になんとなく窓の外を見る。
何か用事があるのか街中を歩く人々。
そんないつもの日常の中に現れた異物。
その名は...............《殲滅天使》
それが発生してから10数年経った。
☆ ☆ ☆
「ふわぁー。ん、ねむ」
おっと失礼。つい眠気に耐えられなくて欠伸をしてしまった。
俺の名前は望月湊。
現在実家暮らしの高校2年生。
よくアニメとかラノベとか見てると高校生のうちから一人暮らしとか見るけどそんなん普通出来るわけねぇだろ。と思う今日この頃。
「おいっすー、湊。」
「おはよー」
俺に今挨拶してきたのは小学校からずっと同じ学校同じクラスになっている腐れ縁みたいな感じの友達だ。もう腐りすぎて発酵してる。いや発酵だと良い方だから腐敗だな。
ちなみに名前は松本零士。
「ニュース見たか?また天使出たんだってよ。アメリカで」
こいつが言ってる天使は14年前、俺がまだ1歳とか2歳の頃。
突如この世界に現れた異物..........それはこの世界に現れた瞬間から世界中で暴れ出し一通り暴れ終わったら消えた。
こいつの名前は世界で決められて、日本語に訳すと殲滅天使。
何故この名前になったかと言うと、世界中の街を原型がなくなるまで叩きつぶし、街が消えたところから殲滅と取られ、天使はその殲滅した者の外見が天使のようだったからだ。
頭の少し上に宙に浮かぶ白く光る輪。
背中に生える3対6翼の大きな純白の翼。
そして目、鼻、口と顔のパーツが全て整っていて美少女だったため天使と言われた。
殲滅と天使を合わせて殲滅天使。まぁ、安直だな。
「それこないだも言ってただろ。たしかイギリスだっけ?」
「あぁ!テレビで見たけどイギリスに出現した天使はサマエルだ!」
そう。殲滅天使にも個体があるのだ。
1番最初に現れた天使名は熾天使ルシファー。
さっき言っていたイギリスに出現した天使名は死の天使サマエル。
ちなみにこれは俺たち人間が名付けたものではなく、天使自身が名乗っている。
だからこの名称は絶対なのだ。
そして、この殲滅天使達。実際に殲滅したと思われる天使は今まで出現した中でほんの1%だ。
その他は普通に遊びにきたり観光しに来たりしている。
「今回のアメリカは誰だ?」
「今回のアメリカは初めての子なんだよ!その名も!ミカエル!これまで確認されてきた3人目の熾天使だ!」
「だからそんなに機嫌がいいのか......」
こいつは普段「だりぃ」とか「死にてぇ。そしたら天使に会えるのに」とか言っていたりするが、天使が現れた後は基本ハイテンションだ。
その理由はこいつが天使大好きだからだ。
「1度でいいから生で見てみたいなぁ」
零士がそう言った瞬間に空に亀裂が入り、その亀裂の中から翼が6枚生えためっちゃ可愛い女の子が出てきた。