突然の別れ
それは突然だった。
まさか病気になるなんて思いもしなかった。そして病気は進行し、私は命を落とした。
セキセイインコ オパーリンカラー 名前はらいむ。5年間の短い歳月だった。飼い主さんの拓也くんに思いも伝えられず。
(……む…いむ、らいむよ……)
私は自分の名前を呼ばれ、目を覚ます。そこは真っ白い空間。何も無いまっぴらな空間。そこで私は声の主に問いかける。「あなたは誰なの?」そう言うと声の主は訳の分からないことを言う。
(らいむよ。人間の拓也の事が好きなのだね? )そう言われると私は間違いなく返事をする。「そうなんです。私は拓也くんが好きです。」声の主は私の言葉を聞いたあと、ううん…と声を漏らす。すると声の主は口を開き、こう言う。(お前の本当に好きという気持ちは分かった。だが、お前はもう体がない。会いたくても会いに行けないだろう。そこで一つ提案だ。お前の鳴き声と人間の体と声を交換しようじゃないか。)その言葉に私は目を丸くした。もしかしたら、拓也くんに会いに行けるんじゃないか?という気持ちが私を埋め尽くしていく。いつの間にか私はペンをくちばしに咥え、契約書にサインをしていた。
気が付いたのも遅く、声の主もいなくなり、キラキラと光る黄昏が私を包んでいた。
どしゅ…
「ぐはぁ!」私は思いっきり地面に叩きつけられ声を漏らす。それと同時に気が付いたのだが、体が異様に重い。落ちていた鏡で姿を見てみると、くるくるとカールがかかったセミロングくらいの髪の毛に白い半袖のシャツ。胸元には黄緑のリボンがついていて、黒いスカートが存在を主張しているように風に靡く。スカートから露出した長い足はとても美しく、黒色の瞳孔はキラキラと輝いていた。
これが私、人間のらいむ。
新しい生活の幕開けだ。私はそれと同時に伸びをした。
いやあ~初書き緊張したよ……。
皆さん、これからよろしくお願いいたします!