表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スクセの巫女がチョロすぎて…  作者: アホイヨーソロー
197/211

少女のことも受け入れそう…の4

 ずっとアルバートにつきまとっていたカノだからこそ彼の発言に嘘がないことがわかる。わかるが、もう一度聞き返した。

「うっそだぁ…師匠、盗み、やってないなんて…」

「本当だ」

 当然のように盗賊時代に培ったワザは使っていた。だがそれはルリを守り、ルリを先に進ませるためであって自分の稼ぎのためではない。

 今回、キーウィから鎧を盗んで換金したものを追い詰めに来たのも、鎧以外に重要な書類やら身分のわかるものやら、身元と目的がバレていないか確かめるためでもあった。どうやっても目立ってしまうルリの力を制御して、隠し通すには周りのものの努力が必要なのだ。

「じゃ、なんで傭兵なんか?目的はあるんでしょ。」

「悪いが探りを入れようとしてもこれ以上は掴ませる気はないぞ。」

 これは彼の盗賊の技術である。

 そうやって技術は捨てていないせいで、カノは不機嫌になった。

「ジブンを置いてって…なんですか、それ」

「何度も俺に付きまとわないように警告してたし、何度もまっとうに生きるよう伝えてたと思うけどな」

「師匠、あなたのマネをすることが私にとってのまっとうな道だったんですよ」

 腰掛けるベッドのシーツを千切れそうなぐらい握った。

「…悪いがな。その金は奪わないでおくから、それを元にお前の愛嬌なら普通の明るい職業につけるはずだから…」

「…ハァッ?」

 アルバートも眉をしかめた。薄暗い部屋でも彼女の目が鋭く光り、恨むような泣き出しそうな苦しみに満ちた表情をする。

「ジブンは…」

 血が出そうなほど強く唇を噛んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ