少女が現れ四苦八苦…の3
許可をもらったのでルリたちと別れ、アルバートとキーウィは二人で街に出た。
「なんか最近、取り締りっていうかルールに厳しくなってきましたね。巫女様。」
「あんま外でその言葉を口にするな言ってんだろ。」
二人肩を並べて街角を歩いていく。もう夕暮れである。このあたりは背の高い建物が多く、通りは日が暮れると暗くなってしまうため街灯が等間隔で道に連なっている。
昔はガス灯に燃料を供給し明かりをともしていたらしいが、光源としては弱くまた外の空気を淀ませてしまうので、マジックランタンなどの魔具による点灯に切り替えられる。ただそれも魔力の管理機関に月2の定期検査を頼んだりと効率があまり良くないので、結局のところダイオードライトが今では一般的である。
そんな電灯をすっ飛ばして現れた視感性の高い道をブラブラしながらお目当ての防具屋を探す。通りに面した防具屋は人気店が多いがどれも質はそこそこ値もそこそこといったところで、一級品の品があるようなところは大型の百貨店などに入っている高級志向の店に限られる。
「オーダーメイドがいいなあ…」
「アホ言うなよ」
そういう職人制作のものは当然値がはるし、予約しても何ヶ月、下手したら何年も先のことになる。しかも質は腕前に大きく左右される。
「汎用鎧で我慢しろ」
とは言っても、使い捨て前提の壊れやすいボロをこの男に与えるわけにはいかない。前線に立つキーウィにはきちんとした防具を与えるつもりではあった。
「そういうのはこういう路地に…」