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スクセの巫女がチョロすぎて…  作者: アホイヨーソロー
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不審な少女にご用心…の5

 栄華を誇るエンパイアシティを守るため、各騎士団の守る領地がディアマンの同心円状の国土に三重にも四重にもなって点在している。国境付近は山岳地帯になっており前線基地を担う騎士団すら精鋭が揃っている。たとえこの国に相対しようとも良くて痛み分けといったところ、もしかしたら傷をつけようともすぐに回復されてしまうかもしれない。かの国の守りの堅さは世界随一である。

 守りやすいがなかなか出ていきにくいので交易はもっぱら海路を利用している。

 さて、一行の目的地はこの大国を抜けたコラルマリン。だが一度は首都を見てみたいと、この国の中心地まで向かうことになった。

「もうそろそろで次の街だから、そこで装備を買い揃えりゃいいだろ。」

「旅はまだ続くというのに…」

 キーウィが珍しく凹んでいる。今回の出来事は相当身に堪えたらしく、むき出しになった肩をがっかりと落としながらうつむき気味に歩いている。

「はぁ…」

「自業自得でしょう。今回は勉強料だと思うことですね。」

 仲間内から、同情の声は少ない。

「…キーウィ、私はキーウィが無事なだけでもよかったと思ってますよ。」

「さすがルリ様!慈愛に満ちたお言葉に私の胸も打ち震えます!」

 フリティアが感激したようにルリを拝み倒す。彼女ほどの変化は求めないものの、ルリに言われてもなおキーウィの気分は戻らなかった。

「そんなに大事なものならなぜ、受け取るときにちゃんと確認しなかったんです?」

「…え?いや、ははは。」

「フリティアさん、キーウィくんも相手のことを信じていたのでしょう。」

 いつの間にか、オーギの中で「キーウィさん」から「キーウィくん」に格下げされていたが、それも仕方のないことである。

「紋章は家の誇りであり、正しき血筋を表す身分証でもありますからね。彼のテアロア家はたしかに伝説に語り継がれる英雄と繋がりの深い家柄です。」

 オーギの言う伝説とは、四神の神使と英雄の世界創生の物語のことであり、現代では様々な学説が唱えられているものの、概ね確かにその神使と英雄のモデルは存在していたと言われている。

 それを各メディアが面白がって虚実交えて取り上げたので、子どもたちのなりたい職業に「勇者」や「巫女」がランクインしたのも記憶に新しい。ちょうどその勇者ブーム時に子供だった若者たちが今こぞって冒険者になりたがっているという噂もある。

「そんなんじゃないんですよ。」

 だがキーウィは首を横に振った。

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