なんだかんだで頼り切り…の6
アルバートが地図を開きみなを先導する。ルリの隣をフリティアとオーギで固め、後衛はキーウィが務める。
「…アル、アル。」
ルリがアルバートに構ってほしいのか声をかけてくる。彼はちらりと視線を送り、ルリが自分を呼んだ理由を待った。
「次の町はあとどれくらいですか?」
「まだ半分も行ってないな。まあ途中に休憩所があるからそこで一息つこうか。」
車や馬車、様々な移動手段がある中で、冒険者は割と徒歩か荷馬車を選びがちだ。ゆえに町と町の間には冒険者向けの休憩所が必要になるため、大手冒険者支援小売業のフランチャイズ店舗がしばしばそのエリアに出店している。
食料やジャンクフード、ある程度の旅の携帯品がそこで補給できるのでこれが意外と馬鹿にできない存在である。
「添加物が多いからあんまり食べないほうがいいですよって言われるんですよね。」
「そのとおり。ルリ様には安心安全の栄養価の高いものを口にしていただきたい。」
ルリがこっそり隠し持っている、つもり、の干した芋がそれである。黙ったまま少し下をうつむき気味に歩いているときは大抵これを一切れ口に含んで静かに咀嚼している。