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気を取り直して奮い立つ…の8(終)
最後の一人が倒れ、ようやく神殿内が静けさを取り戻す。荒縄を持ち出し四人の従者は紫の者たちを一人ひとり締め上げていく。
「…あっ!」
キーウィがある近くの一人のフードを剥がした。
その少し小柄な男の顔には見覚えがあった。廃砦地下管理人のハツネである。男は気絶しており、苦しそうにうめいている。
「とりあえずあとでいろいろ聞きたいこともあるから、そのあたりの柱にても縛り付けておこう。」
テキパキと、まるで物を扱うかのように縛り上げると邪魔にならないよう一人ひとりを部屋の隅に移動させた。
「みんな、よく無事で!」
ルリが再会を喜ぶ。
「ルリ様、ご心配をおかけしました。この失態は我々に責があります。この処遇、いかようにもしてください。」
フリティアが地に頭を擦り付けながら謝り倒す。
「ティアったらそんなにしなくても!」
慌てて彼女の身を起こすルリ。フリティアが頭を上げたとき、彼女のおでこから少し血がたれていた。