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スクセの巫女がチョロすぎて…  作者: アホイヨーソロー
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気を取り直して奮い立つ…の7

 自分に渡された指輪は実はペアリングであった。二人を結んで離さない束縛の印の謳い文句に偽りはなく、お互いがこのリングを身に着けることでお互いリングから放たれる魔法の光を探知することができる。穴を抜けた四人は迷うことなくたどり着くことができたというわけだ。

 お揃いのリングに急に恥ずかしさを感じてルリはもじもじと落ち着かなくなり、彼女の持つマナもまた嬉しさと羞恥が混ざって大変な熱を持っていた。

 だが再会を喜んでいる時間もあまりない。特にフリティアなどはしれっとルリの好感度稼ぎをするアルバートに対して、嫉妬心が溢れどこかにぶつけないと気がすまないでいた。

 そのお誂え向きの相手が今目の前でうろたえている。

「誰だか知らないが、うちの雇い主に手を出すとはいい度胸だなぁ!」

 四人が武器を構える。

 神聖な神殿内だが場所などお構いなしだった。

 相手も武器を抜いたことを見届けると、三人が一斉に襲いかかる。オーギがルリのそばで味方に対して加護の魔法を唱える。

 三人の体を覆う皮膚を、さらに上から空気の膜で包む。

 相手が剣で切りかかっても、クッションのように衝撃を吸収し致命傷には至らなくなった。

 一人がキーウィの傷ついた足を狙うが、ぬるりと滑るように勢いが殺されてしまう。仰天したところを槍の柄で一突きにされた。

 大振りなフリティアの一撃はローブのものは誰一人耐えることかできない、木の葉を散らすように斬り伏せられていく。

 アルバートは長剣でローブの隙間を切り裂いていく。服をどんどん文字通り剥ぎ取られていく元ローブの者は相手の剣捌きの正確無比さに肝を冷やして、腰を抜かして逃げ出す。それをみすみす逃がすようなアルバートではない。その健脚から相手のふくらはぎを貫くほどの蹴りを繰り出しその場で倒してしまった。

 全くどちらが悪かわからないほどの蹂躙ぷりである。

 戦いに加わってなかった何人かが手薄なルリに狙いを定める。オーギはそれを許さず一人で三人の剣を受けきってしまった。

 幅広の剣の側面を叩いて相手の攻撃をそらす。眼前までひきつけて軌道を見切る。オーギは全く動いていないのにかすりすらしなかった。だが、流石に多数相手では分が悪い。ルリは自身の荷物を探り、敵の向こう側にいるアルバートに向かって叫ぶ。

「アル!こ、これを!」

 アルバートが振り向くと、彼女から四角いブロックが山なりに投げつけられてきた。いつぞやのマジックウェイトである。いくつも投げられてきたものを軽くキャッチするとアルバートは彼女が何をしたいか察する。

 彼はためらわずオーギとルリを囲む敵に狙いを定める。

「おら!」

 ルリに合図するようにブロックを敵めがけて投げつけた。ルリが向こうにいるアルバートの声に反応して瞬時にマジックウェイトを作動させる。

 勢いづいたブロックがまるで鉛のような重さになって敵に強くあたった。

「おらっおらっ!」

 アルバートの手元にマジックウェイトがなくなる頃、彼らを襲う敵はみんなのびてしまっていた。

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