まどろみの中…の5
横切っていく通行人からの視線に耐えながら、ルリとキーウィはテントをたたみ終える。昨晩多いに役立ったマジックウェイトの魔法を切って身につけている小さなカバンにしまう。
「あーよく眠れました。」
街の隅とはいえ往来でテントとタープ広げてその下で寝てたのだから相当目立った。ルリはもうそれだけで恥ずかしくて死んでしまいそうである。このあたり一体が夏場のように蒸し暑くなる。
キーウィは方をぐるぐる回し、蒸し暑さも朝の日差し程度にしか感じず気持ち良さそうに過ごす。
「とっ、とりあえずこの場から離れましょう!」
ルリはキーウィの支度を急かしながらそわそわしていた。
「ただ目立ったおかげで、この街で合流するはずの仲間に見つけてもらえるかもしれませんよ。」
「そんな出会い方はごめんですっ…」
明るくなって人の目にさらされると、仕方がないとはいえ自分のやっていたことな異質さを思い知らされるようだった。ルリはキーウィを手招きしてともにその場から逃げ去っていった。
「合流場所は街の外れの広場なんですよね。」
なるべく目立たないように、との協会からの御達しである。もう既に注目を集めてしまったが。
「広場に行くのはいいんですが、そこで待っていればいいんでしょうか?それとも声をかけて回る…?」
「そうですねえ…。両方しましょうか。」
「両方…?」
「巫女様が安全なところで待機、俺が騎士っぽい人に声をかけて回る。役割分担ですよ。」
ルリは頬に手を当てて考える仕草になった。
「わかりました。それでやりましょう!」
彼女はキーウィの案に乗る。