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スクセの巫女がチョロすぎて…  作者: アホイヨーソロー
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神の試練に果敢に挑む…の9

「あの靴はすごいですよ!」

 ルリが両手を体の前で構えて興奮している。数秒程度空中を歩けるもののようで、地面に降り立ったと思ったらまたひらりと宙に戻る。飛んで跳ねてを繰り返して人々を魅了している。

「年寄りのくせに…」

 年若い女性にきゃあきゃあと声をかけられているからといって、老年の男性への嫉妬もいかがなものかと思う。キーウィがそうやって歯噛みしているのは誰も気にしていなかった。

「で、あの靴がどう凄いんだ?そりゃ空中を少し歩けるなんてすごいとは思うけど。」

 アルバートが適当にルリに話題を振ると彼女は得意そうに鼻で笑った。

「ふふん、アルもまだまだですねえ。いいでしょう。」ルリがアルバートの方を向く。

「あの靴は一見単純なように見えて一度に複数の魔法が施されているんですよ。」

「ふうん?」

「まず、この大地から解き放たれる術が必要なので、大地のエレメントをいじります。ただそれだけではどんどん空高く上っていってしまうだけなので風のエレメントもいじります。一歩歩くごとに位置を修正して、体の傾きを計算して…いつでもどこでもバランスの取れた状態にしておく必要があるんですよ。」

「『大地から解き放たれる』ってどういうことだよ。常にジャンプしているってことか?」

 レンリの様子を見るとそう考えてもおかしくはなさそうである。アルバートの解釈に呆れたように肩をすくませて首を振った。

「アルも結構物知りだと思ってたのですが…。」

「まあまあ、アルバートはこんな男ですし。」

 フリティアもすかさず調子を合わせる。

「…では、ご教授願いますかね?」

 アルバートの渋い表情に気づかないままルリは一つ咳払いをして講釈を垂れた。

「んんっ、いいですか、アル。この世界の万物は大地の上に存在します。」

「…そうでしょうか?」

「そうなんですっ。例えば私がこうやって」

 ルリは腰につけていた小さな小瓶を上に放り投げる。しかし、当然というかその小瓶はルリの掌に戻ってきた。

「投げても必ず下に落ちます。これがどういうことかわかりますか?」

「…普通のことだと思いますがね。」

 アルバートのわかっていない様に気分を良くしているのかもったいぶって頷いてみせる。

「そう、これはちゃんとこの世界のことを学ばないとわからないんですが…私たちは大地に…」

「おや、またお会いしましたな。お乳…いや、お嬢様がた。」

 ルリが勝利宣言のようにアルバートに説明しようとしたとき、デモンストレーションが終わったレンリがこちらまで空中を渡りながらやってきた。

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