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記憶喪失?

 大災害を起こした張本人である卵は爆風に飛ばされ、二体の龍の戦いに巻き込まれずに済んでいた。爆風に飛ばされ、木の葉のクッションに助けられ、無傷で地面にたどり着いた。


【称号:小さな破壊者を取得しました】


 数日後、卵にヒビが入りだした。


◆◇◆◇◆


身体にまとわりつく窮屈な物を内側から壊すと、明かりが射し込んできた。暗くて狭い、そんな場所に長時間、閉じ込められていた気がして、明かりを求めていたのだろう。必死に明かりを求めて必死にもがいた。


 このままだと、暗い暗い闇に飲まれる気がして、明かりと言う希望を求めて、ではなく、闇と言う恐怖に刈られて、必死にもがいた。


 そして、明るい場所に出ることが出来た。


 ずっと暗闇にいたために、余りの眩しさに目を細める。


 段々と目がなれてきたのか、周囲の景色がはっきりとわかるようになってきた。


 見上げると首が痛くなる程もある大きな木の根本にいるようだ。周りを見渡すと同じような大きさの木がたくさん生えている。


 景色を見ていると、あることに気がついた。先程まで、暗闇への恐怖でそれどころでは無かったけれど、風景をボーッと眺めていて、落ち着いてきたからか、ある不安が現れた。


 私は誰?ここはどこ?――――八ッ!?まさか、これが記憶喪失?はじめて、記憶喪失になってしまった!!


 ――――まぁ、記憶ないから、初めてかもわからないけどね。


『生まれたばかりで何言ってるんですか?』


 えっ!?誰?てか、どこ?


『申し遅れました。私はダンジョンコアです』


 なんだ、幻聴か……。この歳で、もう耳が悪くなるなんて……。


『幻聴ではありませんし、悪いのは耳ではなく、あなたの頭です!!』

 

 またまた〜、幻さんたら〜。


『幻さんって……全く信じてませんね』


 信じてる信じてる。で、ダンジョンコアって何?美味しいの?


 ヨダレを垂らしながら聞くと、


『食べようとしないでください!!というより、私は、あなたの心臓です。無くなったら、あなたも死んでしまいますよ!!お腹がすいているのなら、卵の殻でも食べていてください!!』


 怒られてしまった。そんなに怒らなくてもいいのに、軽い冗句だったのに……。お腹空いてるのはホントだから、食べるけどさ、卵の殻って……。


 そう思っていた時はボクにもありました。なにこれ?うっま!なにこれ?なにこれ?サクサク進む。全身が卵の殻を欲していたみたいだ。ビバ、卵の殻!!


 ボクが夢中になって、卵の殻に頭を突っ込み、尻尾を振りながら食べていると、


『はぁ、食べながらでもいいので、話を聞いてください。ダンジョンコアとは――――』


 美味しい。美味しい。あ、おかわりある?


『聞け!!』


 は、ハイッ!?ごめんなさい。


『いいですか?ダンジョンコアとは』


 だ、ダンジョンコアとは……。ゴクリ。中途半端なところで切られたため、もどかしい。緊張して、幻さんの言葉に耳を傾ける。


『ダンジョンコアとは、ダンジョンの核。つまり、心臓です』


 えっ!?そりだけ?


 大事な話そうだから、佇まいを正して聞いたのに、損した気分。で、結局、ダンジョンコアがダンジョンの心臓ってことはわかったけど、ダンジョンってなに?幻さんがダンジョンコアで、幻さんんはボクの心臓?ってことは、ダンジョンはボクって事?


『大体あってます。正確には、ダンジョンがあなたではなく、あなたがダンジョンの一種です』


 え?ボクダンジョンなの?で、ダンジョンてなに?


『わかりました。説明します


◆◇◆◇◆

 

 幻さんの話は長かった。とても長かった。何度も寝てしまい、ひらひらと空を飛ぶカラフルなものに気を取られて怒られてしまった。


 僕は悪くないと思う。あのヒラヒラとしたのが悪いと思う。


 長かったけど、要約すると、こういうことらしい。


 ダンジョンとは、自然にできるものと、人為的にできるものがあるらしい。自然に出来る場合は、魔素っていう魔力の素が局地的に多くなった場合に出来るものや強大な魔力を持つ魔物の魔力が溜まって周囲を作り変える自然現象で、人為的な場合は、神様が試練を与えるために作る場合と、悪い神様が世界を乗っ取る

ために自分の眷属を生み出す場所として作ったり、悪い神様の眷属が自分たちの拠点として作るんだって。


で、ダンジョンの機能を司るのがダンジョンコアなんだって、ダンジョンの機能をいろいろ言われたけど、忘れちゃった。長いし。


 で、そのダンジョンコアの幻さんがなぜ、ボクの心臓なのかっていうと魔物の生まれ方に関係しているんだって、普通の生き物みたいにお母さんから生まれるのと、魔素が集まって生まれる方法があるんだって、あ!ボクは魔素で生まれた魔物なんだって!だから、生まれたてでも知性があるんだって、ボクが生まれたばっかりなのに頭がいいのはそういうことなんだね!

 

『……』


 幻さん、何か言いたいの?


『いえ……。何も(ああ、太陽がもうあんなところに)』


 あ、話がズレちゃった。で、ダンジョンも魔物も似たような生まれ方がらるからか、幻さんみたいに意思のあるリビング……


『リビングコアです』


 そうそれ!!リビングコアと体内がダンジョンになってる魔物が生まれるんだって!!


 じゃあ、どっちの性質を持つボクは特別なんだね!!


『……そ〜ですね』


 あ。ひらひら!ボクが幻さんの話をまとめているとひらひらがボクの鼻の上に止まってくれた。


 わー綺麗だな。


『それ、告死蝶ですよ』


 うん?こくしちょう?


『死を告げる蝶と言われている蝶です。死を告げると言われていますが、弱い生き物や死にかけの生き物に群がり、血を吸い尽くす蝶です』

 

 えっ!?怖!!ひらひら怖!!早く言ってよ!!うわっ!?いっぱい集まってきた!?


 ボクは必死に逃げた。幻さんのため息が聞こえてきたけど、それでも必死に逃げた。必死に必死に逃げた。



◆◇◆◇◆


 はぁ、はぁ……。逃げ切った。ひらひらしつこい。あれ?ここどこ?道がわからなくなってしまった。


 ――――まあ、はじめからわかってないけどね。


『お疲れ様です』


 幻さんはいいよね。他人事で、と白い視線を向け――――向けようと、あれ?幻さんどこ?キョロキョロと幻さんに白い視線を向けるべく、視線を漂わせていると、


『他人事では無いですよ。あなたが死ぬと私も死にますから』


 あれ?ボクしゃべってないよね?どうやって会話しているの?っていうか、心読まれてる?


『はぁ、今更ですか?念話です』


 はっ!?こいつ心に直接!?


『もういいです!!』

 


後日。ダンジョンの話は綺麗に忘れていたという。おそらく、頭の栄養が幻さんに集まったんだね。


ありがとうございました。明日も投稿します。


次回から、ダンジョン作成に入ります。この小説は三勤交代シフト制です。


ブクマ、感想、評価よろしくお願いします。


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