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クールな彼と私、時々ライバル  作者: いちごぷりん
二人の出会い
2/10

喫茶《レモングラス》にて(2)

俺は、喫茶店に入った。


適当な喫茶店に。


何があったわけでもなく、喫茶レモングラスへと。


そこには笑顔の可愛い女性が店番をしていた。それを見て、自然と見ていたい気持ちになったが、慌てて目線を逸らす。


そしてなぜか俺はそのまままっすぐ歩いていき、彼女の前に座った。動揺を隠せないまま座ってしまった……。


「ご注文が決まりま……」


「コーヒー」


バカか、俺は。彼女の声を遮って注文してどうする。



「は、はい、かしこまりました。コーヒーですね……ホットとあ……」


「ホット」



またやってしまった、くそ。


頭を抱えたくなったがそれをしたらおかしい奴だと思われる。俺は平然を装いつつも……目は彼女を見てしまう。追ってしまう。ふとコーヒーを淹れている彼女と目が合うが、すぐに逸らす。何事もなかったように。


なぜか、沈黙も心地よく感じる。



「お待たせいたしました、コーヒー、ホットです」


俺は無言で飲む。


味もなかなか悪くない。悪くないどころか、旨い……彼女にそれを伝えたいが、声が出ない。

声を出そうとすると、何かに遮られるように言葉に詰まる。


それを何度か繰り返しているうちに、全て飲み干してしまった……これで旨いと彼女に伝わるだろうか……


「会計」



「え、あ、はい!」



愛想がないやつだと思われただろうか。それとも嫌な奴だと……彼女の表情を見ようとするが、なかなか顔を見れない。


素っ気ない俺にも、笑顔で接してくれる彼女に惹かれた。


その気持ちに気付くまでには時間はかからなかった。


そうか、これが一目惚れか……



「ありがとうございましたー」



彼女の声を背中に受けながら俺は自然と笑みがこぼれた。



また来よう、そう決意しながら。

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