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青空で昼食を

昼休憩中の教室には高音域の大音量が飛び交っている。

その刺激の強さが閾値を越えてしまったのか先程から鼓膜や渦巻き管が脳に救援要請信号を伝達しているような気がしてならない。

ここは一つ静かで落ち着ける場所に移ることにしよう。

大判のバンダナで包んだ三つの混ぜ込みお握りを右手に水筒を左手に北館の屋上に向かう。

余談だがこのお握りは手製で具は削り節と紫蘇梅と菜漬けで米も具材も田舎の実家から送られてきたものだ。

階段を上り鉄扉を開ける。先客は居ないようだ。

痩せ我慢でも強がりでもなく時々ふと一人で物思いに耽りたくなるとよくここへ来る。

日陰に腰を下ろしバンダナの真結びを解きアルミ箔を捲って頬張る。

高校全体が丘の上に立地していることもあり風と陽射しは強いが見晴らしは抜群に良い。

雲行きをぼんやりと眺める。この分だと今日は夕方に一雨降りそうだ。

お握りを平らげ水筒の麦茶を飲む。

察しの良い方ならお分かりだろうが一応蛇足説明しておくとこの麦茶の茶葉も田舎から送られてきたものだ。

傍から見ればこの状況は非生産的に見えるに違いない。

将来の為に情報収集や人脈作りに勤しんでいる人間にしてみれば時間の無駄遣いにしか思えないだろう。

そうした考え方を否定するつもりは毫毛無い。

ただ十五で中学を卒業するまで大自然の中で山犬山猫のごとく育った人間としては都市の喧騒にはしばしば眩暈に似た感じを覚えずには居られない。

ここで目が覚めた。

産業革命から今日に至るまで地球には一体どれだけの数の都市人間が量産されたのだろう。

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