88.踊りましょう、人集まる賑やかな世界の中心で
人間の軍勢の国境越えの報告を受け、オルカナティアから再び飛翔。
エルザのパパママや連れてきたウィッチたちのことは館ごとキャスの秘書さんやササラ、アクア・ラトゥルネのみんなに丸投げし、私たちはサンクレナとの国境沿いへと向かっております。
「まさか人間たちが南下してくるとはな……目的はオルカナティアへの侵攻か?」
「侵攻というより奪還でしょう。もともとこの地は人間の支配下だったものを、私たちが奪い取ったものだもの。ラグ・アースを味方につけたとはいえ、人間から見れば略奪に変わりないわ。いつかこういう日が来るとは思っていたけれど……キャスの読みが外れたわね」
うむ、キャスは王位争いに決着がつくまで、当分の間は進軍してこないだろうって言ってたもんね。
この世界には、人間の巨大国家が三つ存在し、互いに牽制をしあってるとかなんとか。
睨み合っている以上、次期王が決まるまでの混沌とした状態の中でこっちに兵士を送ってくる余裕なんてない……というのがキャスの読みだったんだけどにゃあ。
「となると、サンクレナの王様が決まったってことかな? 王が決まって『南の楽園に現れた美少女オル子とやらを連れて参れ! 強くて可憐、才色兼備の戦乙女こそ王たる俺の嫁に相応しい!』なんて命令されたのかも! きゃー! 俺様キャラに強引に求婚されてオル子さん困っちゃいます! ふひひ!」
興奮のあまり、ヒレで自分の横腹をペチペチと叩いて盛り上がり。
ミュラも私の頭をリズミカルに叩いて大興奮。ミュラ、あなたに俺様系はまだ早くてよ!
「オル子の妄想はともかく、王が決まったという可能性はあるかもね。ま、正直興味はないのだけど」
「ないのですか?」
「ないわよ。人間の王はその者の強さではなく、血筋やら策謀やら指示やらで決まるのでしょう? この子やハーディン、イシュトスのように強者が王だと言うのなら、警戒に値するけれど。『魔選』にも関係ない以上、無理に王を仕留める必要もないでしょうから」
ほむほむ、エルザさんとしては、攻め込んできた兵士を撃退すればそれでいいって考えかにゃ。
まあ、確かにわざわざ人間のホームであるサンクレナまで進軍して、戦争しても仕方ないもんね。
喧嘩売ってきてる以上、その代価は進軍してきた兵士さんたちにしっかり払ってもらうけれど、必要以上に踏み込んでリスクを負う必要もないってことかな。魔物相手じゃないから、倒しても支配地ももらえないし。
「何より、つい先日に『森王』との激戦を繰り広げたばかりでしょう。病み上がりのオル子に負担をかけたくないのよ」
「あ、愛を感じる! エルザさんの愛を一身に感じまする! 愛され過ぎて申し訳のうござる! 愛され系ヒロインでかたじけのうござる!」
「オル子、籠が揺れるからジタバタしないで。危ないでしょ」
狂喜乱舞してるとエルザにきっちり怒られました。でもニヤケは止まりませぬ。うへへ。
そうよ、私たちは死闘続きでヘトヘトなの。これからオルカナティアに戻って、しばらくの間はゆっくり休暇を楽しむ予定だったのよ。
ここで人間との泥沼戦争なんてやってる暇はないのです。オルカナティアでは私の帰りを執事喫茶が待っているの!
セバス! ダニエル! モノクルと燕尾服を着用してカップの準備をよろぴこ! オル子さんは麦茶とか好きよ!
国境へ向けて空を飛ぶこと数時間。
大空を高速移動していると、視界の先に何人かのラヴェル・ウイングを発見。おお、ライルの部下かしら?
私たちの姿に気づいた兵士たちは、私に近づいてきてくる。うむ、どっちも筋骨隆々のオジサマ兵士、範囲外でございます。
「おお、オル子様! お戻りになられていたのですね!」
「うむ! ついさっき戻ったよ! キャスの部下の子から聞いたわよ、なんでも人間が攻め込んできたとか」
私の言葉に、マッチョ兵士たちが深く頷く。
オルカナティアの人たちの前ではワル子演じなくて済むから楽でいいわあ。まあ、人間たちの前ではちゃんと演じないといけないけども。悪い魔物を演じてビビらせるよ!
「今より四日ほど前、人間どもの群れが国境を超えて南下する姿を砦の者たちが確認しました。その数は500を超え、砦の監視隊ではどうすべきか判断がつかず、族長……いえ、空軍長のライル様と、政務長のキャス様に指示を仰いだのです」
「砦? 監視隊?」
「私がライルとキャスに命じて作らせていたのよ。サンクレナの国境付近を監視するための砦の建造、および兵士の常駐。役割はこんな事態になった時、いち早く対応するため」
ほええ、エルザ、裏でそんなことまで指示してたんだ。流石オルカナティアのブレーン。プレーンオムレツ食べたい。
頭の中でフライパンをひっくり返していると、エルザが兵士たちに質問をぶつけてた。
「もう既に人間たちと戦闘に突入しているの?」
「いえ、まだ手出しをしておりません。人間の数が500を超え、武装も固められておりますので、迂闊に手を出せず。知恵を持たない魔物たちはオル子様に認められていない人間を敵と認識して襲い掛かりますので、それらが時間を稼いでいる間にどうすべきかを探っている最中です」
「英断ね。キャスたちは砦に?」
「はい。砦に向かわれるなら、このまま我らで先導いたします」
「お願いするわ」
マッチョ二人に連れられ、少し飛行した先にある山に隠された砦まで移動。
おおう、結構本格的な砦じゃない。前に山賊連中がねぐらにしていた場所よりよっぽど頑強そうで立派。これなら百人くらいは滞在できるかな?
ラヴェル・ウイングたちの敬礼や歓声にヒレを振って応えつつ、奥の部屋へ。そこには、キャスとライル、そして隊長格のラヴェル・ウイングが集まっていたわ。
私たちの姿に気づいたキャスは、大輪の笑顔を咲かせて迎えてくれた。
「おお、オル子にお前たち! とうとうオルカナティアに戻ったのじゃな! 随分と待たせおって!」
「ただいマリンブルー! おみやげに沢山のエビ肉を持って帰ってきたよ! ウィッチの里の近くの湖でとれた、ぷりぷりした歯ごたえがたまらぬ特選素材です!」
「うむ、それは後で堪能させてもらうとして……ここまで来てくれたということは、状況は既に?」
「人間たちが国境を超えて攻めてきたと聞いているわ。数も500を超えるそうじゃない。人間の攻めてくる時期をどうやら私たちは読み違えたようね、キャス」
エルザの言葉に、キャスが息を吐いて肩を落とした。
そして、ぺこりと頭を下げて謝罪。
「すまぬ、完全に妾の読みが外れてしもうた。まさか、こんなにも早くサンクレナがオルカナティアに兵を本格的に差し向けるとは思わなんだ。恐らく、兄の誰かが王位争いの勝者となったのじゃろう……未だ信じられぬことじゃがの」
どうやらキャスは王位争い決着説に納得がいっていないみたい。
多分、当事者であったキャスだからこそ分かることがあるのでしょうね。随分とドロドロしてたみたいだもん、実の妹を山賊に奪わせ、竜族に売り払おうとしたりするくらいには。
「先日、少数の人間の兵士がオルカナティアに足を踏み入れたのを殲滅したのですが、どうやらそれらは先遣隊だったようですね」
「オルカナティアの情報を持ち帰るための偵察隊と呼んでいたのじゃが、大軍を進ませるための先発だったようじゃ。兵士が戻ってこないとみるや、完全武装で固めて進軍してきおったわ」
逆に人間たちを警戒させてしまったとキャスは頭を下げる。
ぬう、別に謝る必要なんて何もないと思うんだけど。侵入者をキャスとライルはちゃちゃっと撃退してくれたんでしょ?
その結果、兵士が来たのは結果論って言うか、撃退しなかったらもっとひどいことになってたかもしれないし。
そのことを伝えると、キャスは私の頭を抱え込むように抱きしめてくる。ほむ、よく分からんけどオル子さんなら幾らでも胸を貸すよ! 貸してるのは頭だけども!
満足したのか、キャスは私から離れ、息を吐いて表情を引き締め直す。
「うむ、元気を分けてもらった! 妾の心はオル子成分でいっぱいじゃ! さて、早速じゃがこれからのことを話し合いたい。サンクレナの兵どもは魔物を倒しながら、次々に南下を進めておる。オルカナティアまで進軍されては困る以上、止めねばならんのじゃがどうするべきか」
「現在、この砦にはラヴェル・ウイングが100人ほど連れてきています。このまま人間どもと交戦するなら、僕を含めてすべてオルコの指揮下に入ります」
「ただ、話を聞く限り、サンクレナの兵士は弓兵も魔法兵も揃えておるようじゃからの。正面からぶつかれば、ラヴェル・ウイングたちにも少なからず犠牲が出るじゃろう。正直、ラヴェル・ウイングたちのように知性を持つ魔物をこんな戦いですり減らしたくはないというのが本音なのじゃ」
なるほど、キャスの言うことは最もね。
彼らはオルカナティアでも知性があり、空も飛べ、空戦に斥候と何でもいける種族。
いずれ訪れるハーディンやイシュトスとの戦いに備える意味でも、彼らをこんな戦いで失うのはオルカナティアにとって非常に痛いもんね。
頭を悩ませるキャスに、私は視線をエルザに向けて話しかける。
「エルザさんエルザさん、キャスの言う通り、ここでラヴェル・ウイングを戦わせて兵士を失うのは駄目だと思うんですよ。人資源は大切ですよ?」
「そうね。キャスやオル子の判断は間違っていないと私も思うわ」
「だがのう、相手は500を超える兵士なんじゃ。数には数で対抗せねば、どうしようも……」
ほむ。どうやらキャスは少し勘違いをしてるみたい。
頭にミュラとチビドラ形態のミリィを乗せたまま、私はエルザたちに問いかける。
「エルザ、ミュラ、ルリカ、クレア、ポチ丸、ミリィ。『森王』と激闘の後、連戦になるようで申し訳ないんだけど、私についてきてくれる?」
「当然でしょう? 本当はあなたを無理させたくないのだけど、この場合は仕方ないわ」
「残れと言われても、ついていきます。もう二度と、あのような思いはしたくありませんので」
「主殿の向かう戦場、どこまでもお供します」
「カハッ! 次の相手は人間どもか! 『六王』ほどとは言わねえが、ちったあ歯ごたえのある野郎がいればいいんだがな!」
「きゃうー!」
みんなの返事を聞いて、にっこり笑顔の私ですよ。ミュラも張り切って私の頭を盛大に叩いておりまふ!
そして、キャスの方を振り返り、私はトンとヒレで胸を叩いて口を開く。
「という訳で、キャス、ライル、ラヴェル・ウイングのみんなはここで待機! 後のことはこのオル子さんにお任せあれ!」
「後のことはって……まさか、お主」
「うむ! たかだか500程度、物の数ではありませぬ! 私たちが押し潰してあげましょうぞ!」
眉を寄せるキャスに、私は声高に宣言。それを聞いて、興奮に湧き上がる会議室のラヴェル・ウイングたち。
魔物って強い王様が好きとは聞いてたから、こういうのは感触良いわね。ぬふう! 雰囲気に流されやすいことに定評のあるオル子さん、持ち上げられることに弱いと評判のオル子さんですよ!
このノリのまま、人間の500くらいぱぱっと追い払ってさしあげましょうかね! そしてオルカナティアに戻って、休みをエンジョイするぞーう!
とにかくこんなのはささっと終わらせて、執事喫茶に入り浸りたいのですよ! 急いでお家に帰りたい、叶うなら今すぐにでも! 執事執事―! イケメン執事―!
ところで売店に執事たちのプロマイドは販売してるかしら? ほほほ! 全種類買占めは乙女として当然の嗜みでしてよ!
我らの新たな王――アルガス王が我ら騎士団に命じたラーマ・アリエの奪還。
新王による『真なる人間国家の樹立』宣言の直後にもたらされた、ラーマ・アリエが魔物により奪われたという情報は、王がその地に進軍を命じるには十分過ぎる理由だった。
国内の『混血』を全て『処分』し、次にラーマ・アリエのラグ・アースを片付けようという方針を掲げたアルガス王にとって、魔物によって植民地を奪われたなど笑い話では済まされない。
すぐに魔物もラグ・アースも一掃し、人間による開拓を進める。そのために、俺たち騎士団はこのラーマ・アリエの地に派遣された。魔物も、不浄たる混血どもも、その全てを一匹残らず殺し尽くすことを目的として。
初めての魔物退治の任務に、俺たちは誰もが高揚した。
人間ではなく、魔物を殺すことができる。罪悪感も何もなく、正義によって剣を振るう。
巨大なカエルを、狼を、ウサギを。様々な魔物を殺すたびに、まるで自分が物語の勇者にでもなったかのように興奮した。
襲いくる魔物たちを撃退し続けて、勝利を重ねて。俺たちは知らぬ間に増長していたのかもしれない。
魔物など大したことないと、不浄の存在など俺たちサンクレナ騎士団にとって敵にもならないと勝手に思い込んでいたのだろうか。
勝利に酔いながら、軍を進める俺たちの前に――その『絶望』は、突然現れた。
歩みを進める俺たちの前に、まるで初めからそこにいたかのように姿を現した魔物たち。
その先頭に立つ魔物に、俺たちは絶句するしかなかった。言葉を発することも、身動きを取ることもできなかった。
「――ようこそ、私のオルカナティアへ。歓迎するわ、この地に足を踏み入れてしまった、哀れで愚かな人間ども」
空に浮かぶ、黒と白に包まれたその巨体はどこまでも禍々しく。
開いた口から見えるその牙はどこまでも鋭く。
その異形たる姿から放たれる重圧はどこまでも重苦しく。
眼前に現れた存在を見て、俺たちは初めて『魔物』という存在に恐怖することになる。
「さて、折角の来訪だもの。丁寧にもてなしてあげたいところだけど、生憎と私には時間がなくてね。お前たちの相手をのんびりしてあげている暇はないの。だから――」
「き、貴様がラーマ・アリエを簒奪した魔物の頭か! この地はサンクレナ王家の所有する属国であるぞ! この地に居座るということは、すなわちサンクレナ王家に弓引くということ! このロバーツ・ガルバラが下賤な貴様の首を叩き落とし――にっ、いっ、ぎぎっ」
黒白の化け物に言葉をぶつけた団長、その首が、一瞬にして大地に転がった。
血飛沫をあげて、馬上から崩れ落ちる団長の体。そして、大地をコロコロと転がり、黒白の化物の前で停止する。
奴の傍には、金髪の女剣士の魔物が剣を抜いて血を滴らせている。剣で団長の首を叩き落としたのか。あの距離から、一瞬にして。見えなかった、いったいどうやって。
呆然とする俺たちをよそに、奴らは淡々と会話を繰り広げる。
「主殿への暴言、見過ごせず斬ってしまいました。お許しを」
「構わないわよ。別に人間の口上なんて耳にするつもりもないもの。さて、何やら話の途中だったみたいだけど――そのザマでは続きを口にできそうもないわね?」
そう言って、怪物は団長の首を巨大な尾で叩き潰し、その場に血だまりを生み出してみせた。
それが開戦の合図となる。副長の怒声とともに、騎士団の連中が一人、また一人と化物たちに突っ込んでいく。
仲間たちの突撃に、俺は『止めろ』と声を上げることも出来なかった。恐怖で上手く口が動かなかった。
なぜなら、俺は直視してしまったから。あまりに圧倒的な兵士にも、化け物は動じてない。それどころか、口元を歪めて嗤ったのだ。まるで、これからのコト(虐殺)を愉しみにしているかのように。
「そうね、十人ほど残しなさい。全員殺してしまえば、オルカナティアの恐ろしさを伝える者がいなくなってしまうでしょう? 残りは全て皆殺しよ――ああ、実に待ち遠しいわ。さっさと掃除を終えて、我が城へ帰るとしましょう。愉しみが抑えられないわ」
奴が指示を送った刹那、そこから先は思い出したくもない。
終わりの見えない光の砲撃と雷の嵐で殲滅していく魔法使い。
次々に兵士を切り殺していく剣士と死神。
空を舞い、放つ魔光で騎士の鎧ごと心臓を貫く黒闇の異形とその乗り手。
巨大な槌を振り回し、兵士の頭蓋を叩き潰していく小娘。
首筋を狙い、次々に噛み千切っていく小狼。
そして――世界を『蒼』へ塗り替える、恐ろしき巨大魔魚。
突如、奴を中心に巨大な蒼の世界が生み出され、草木も大地も全てが『蒼』へ塗り替えられてしまった。
「ふふっ、『森王君臨』の試し撃ちには良い機会だわ。初めてのお披露目よ。『冥府の宴』と『ブリーチング・クラッシュ』の合成――ゆきなさい、『冥府の流星』!」
奴が何かを解き放った瞬間、地獄が幕を開けた。
騎士団に向かって、次々と空から降り注ぐ巨大魔魚の群れ。
何やら意味不明な怒声や悲鳴、絶叫や咆哮を放ちながら、巨大魔魚たちは次々に大地に着弾し、巨大な衝撃で地面を爆発させていく。こんなものに防御も何もあったものではない。
回復を務めるプリーストも、魔法で必死に迎撃するマジシャンも、何もかもが潰された。吹き飛ばされた。まるで空から降り注ぐ流星が、全てを呑み込むように。
光柱に焼かれ、斬り殺され、捻じ伏せられ、噛み殺され、潰され。
500人はいた俺たちは、気付けば俺を含めて十人前後しか残されていなかった。
死体に囲まれ、体は恐怖で動かすことも出来ず。腰を抜かして震えることしかできない俺に、事を終えた化け物は、気絶した副長を背に乗せたまま語り掛けてくる。
「エルザやキャスの要望通り、こいつだけは持ち帰って情報を吸い出しましょう……ああ、生き残ったお前たち、実に運が良かったわね? めでたく生き残ることができたお前たちはメッセンジャーとして選ばれたのよ。サンクレナに戻ったら、私の言葉をしっかり王へと伝えて頂戴」
そう言って、化け物は嗤う。
これだけの人間を殺しても、何一つ動じず。返り血に塗れたその姿に、俺は決意を固くする。
どれだけ無様を晒しても、騎士の恥だと首を切られることになっても、このことは必ず王に伝えなければならない。
「これまで、お前たち人間は二度もオルカナティアに土足で踏み込んだことになるのだけど――三度目はないと知りなさい」
「あ、あ、あ……」
「お前たちが愚かな行動に出なければ、私からは決してサンクレナに手出しはしないと約束しましょう。けれど、もし再び私の国に侵攻したなら――配下である全ての魔物を率いて、サンクレナを攻め、その全てを手中に収めてあげる。そして愚かなサンクレナの王を、この私が直々に殺し抜いてあげるわ。どこまでも無残に、残酷に、後悔してもしきれないほどの苦しみを与えて……ね」
この化け物に――ラーマ・アリエに巣食う悪魔に、決して手出しをしてはならないと。
次に我ら人間が奴の怒りを買えば……俺たち人間は、一人残らず殺されることになるだろう。
なにせ奴は、心に愉悦を抱いて、思うままに人間を殺すことができる本物の悪魔なのだから……
・ステータス更新(レベルアップ一覧)
オル子:レベル2→4 (ステージ4)
エルザ:レベル2→4 (ステージ4)
ミュラ:レベル1→3 (ステージ4)
ルリカ:レベル1→3 (ステージ4)
クレア:レベル7→9 (ステージ4)
ポチ丸:レベル38→46 (ステージ2)
ミリィ:レベル16→24 (ステージ2)




