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45.夢見るわ。遠い未来、あなたがこの名を口にしてくれること

 



 十メートルはあろうかというビッグ・ゴーレムの肩に乗って笑うドSさんことリナ。

 ゴーレムから飛び降り、美しい着地を決めたリナに私はぷるぷる震えながら声を絞り出す。


「リナが来てしまうなんて、もう駄目よ、勝てるわけがないわ……オル子さんは生まれて初めて心の底から震えあがった……真の恐怖と決定的なドSに……これからが本当の地獄よ」

「オル子、人を盾にして隠れようとしても無駄よ。あなたの巨体が私の体で隠せるわけないでしょう」


 エルザの背後に隠れて白旗上げているとマイ親友からの突込みが。

 だって、リナとの会話って酷い目にあった記憶しかないんだもん。支配地押し付けられたり、拳骨くらったり。

 でも、本当に何しに来たのかしらこの人。私の代わりに、エルザが溜め息をつきながらリナを睨んで問いかける。


「何の用かしら、リナ・レ・アウレーカ。あなたを呼んだつもりはなかったのだけれど」

「そう邪険にしてくれるな。オル子を王とする『国』を興すのだろう? 私の期待した喜劇が幕を上げようとしているのだから、それを特等席で見たいと思うのは自然なことだと思うがな」


 あれ、なんでリナってば国造りのこと知ってるの? エスパー?

 不思議そうに首を傾げていると、リナはククッと喉で笑いながら種明かしをしてくれた。


「ヴァルガン洞のゴーレムを『支配者命令』で移動させただろう? 魔王軍の追手から逃れるため、身軽な状態でレベル上げを行っていたお前たちがわざわざ魔物を移動させる状況など、一つしか考えられない。拠点を構え、魔物を集め、魔王軍に負けないための集団……それこそ国造りを行うくらいしか、な」

「な、なるほど! 確かに!」

「お前たちがそこに至るまで、しばらくは時間がかかるだろうと思っていたが、私の想像を遥かに超える速度だよ。配下も随分と面白い人材を集めているようじゃないか」


 私の傍で剣を抜くクレアと手を翳しているルリカを一瞥してリナは満足そうに笑うばかり。

 ただ、私の頭の上に乗ってるミュラを見て、不思議な表情を浮かべたのが気になるけど。なんだろう、穏やかというか、優しい目っていうか……一瞬でいつものリナに戻ったんだけど。

 そんなリナを睨みながら、クレアは小声で私に訊ね掛ける。


「主殿、この女は何者ですか? 命じられれば斬りますが」

「らめえ! 斬っちゃらめえ! このドSっぱいに逆らったら最期、私たちの冒険はそこで終わりになっちゃうから! ちなみにドSっぱいのSは総合ランクS+を賞賛しているものであり、決して美少女を虐めるのが三度の飯より大好きなサディスティック・マッドサイエンティスト女だなんて思っていません。本当ですよ? オル子さん嘘つきません」

「総合ランクS+……とんでもない存在ですね」

「とんでもなくて当然よ、ルリカ。こいつは前魔王アディムの右腕と謳われた魔女なのだから」


 エルザの説明に、クレアもルリカも驚きを隠せないといった状態。

 いつも通りなのはミュラだけね。キャスやササラがいたら、もっと大騒ぎになっていたかも。

 だって、前魔王の右腕って言うなれば元ナンバーツーだものね。私にとっては洞窟ヒキコモリストの印象しかないのだけれど。


「人魔の境界線、その最南端に領地を構えるとは想像すらしていなかったぞ。西を見れば人間たち、北には竜族ども、そして東には魔王軍だ。お前たちはいったいどの勢力との戦いを見据えているんだ? これではまるで世界のすべてを視野に入れているように見えてしまうな」

「そうなるように誘導しておいてよく言う。少なくともアクア・ラトゥルネと『海王』に関してはあなたが仕向けたのではなくて? 蒼海の洞窟に向かわせることで、窮地のアクア・ラトゥルネに出会うように図った。オル子の性格を利用して海王にぶつけたこと、知らないとは言わせないわ」


 え、そうなの? リナって裏でそんなことしてたの?

 レベルアップの旅の最中、偶然ルリカたちと出会ったとばかり思ってたんだけど。

 エルザの問いかけに、リナは余裕を崩すことなく反論していく。


「それは違うな。私は数ある中で一つの手札を示しただけに過ぎん。その札を選んで切ったのは他ならぬエルザだろう? お前は選択できたはずだ。私の提示した道を蹴り飛ばし、現在とは異なる道をオル子に提示できただろう? だが、お前はしなかった」

「ふん……」

「だが、それは正しい選択だ。『魔王の右腕』となる者ならば、それが正解でない筈がない。どうだ、エルザ――オル子と共に駆け抜ける道は『愉しかった』だろう? オル子が想像を遥かに超える力を示し、強敵を蹂躙し、その名を人に魔に、そして世界に轟かせる様は何事にも代えがたい悦楽だっただろう?」


 ぬう、よく分からんけどエルザがリナに会話で押されてる!

 流石のエルザもリナのドSっぷりには参るばかりなのかしら。世の中にはリナの言葉攻めがご褒美ですって人もいるのかもしれないけれど、私はごめんだわ!


「以前、オル子をアディムのようだと例えたことがあったな? オル子がアディムならば、エルザ、お前は私だよ。誰よりオル子の傍で、オル子の為に計略を図り、オル子の覇道のために最良の道を用意する喜びは格別だっただろう? ククッ、胸を張れ、エルザ。お前は世界にその名を轟かせる立派な『魔王の右腕』となるさ。このリナ・レ・アウレーカが認めるほどのな」

「意義あり! エルザがリナみたいなドSになったら困るんですけど! ウチのエルザを悪の道に染めるのは止めて下さらない!? ほぎゃあ!」


 苦情を申したら久々の拳骨炸裂。

 ぬわああ! 進化して堅牢になったはずのシャチートボディでもまだリナの拳骨を防げぬううう! おかしいよこの人の拳骨!

 頭をヒレで押さえていると、ミュラがなでなでしてくれた。

 ああ、ウチの娘はなんて優しいのかしら! ほんの少しでいいからリナにミュラの優しさを分けてやりたいくらいだわ。


「うう、それで結局リナは何しにここに来たの? 建国のお祝いでもくれるの?」

「祝いか。フフッ、そうだな。祝いと言えば祝いかもしれないな。オル子、お前の国造りに力を貸してやろうと思ってな」

「そうですか! お断りします!」

「見たところ、この村を大きな集落として作り変えている最中なのだろう? お前の為に、このリナ・レ・アウレーカが立派な街というものを造ってやろうではないか」

「お断りします! 激しくお断りします!」

「フフッ、かつて魔王城や城下街をゼロから作り上げたのが私なのだよ。千を超える作業用ゴーレムを操り、十夜にして魔王軍の礎を築き上げた至高の魔法使いの力、存分に見せてやろうじゃないか」

「お断りするっつってんでしょ! 話聞きなさいよこのあろー!」


 くそう、私の話が全部右から左にスルーじゃないの。

 リナに借りを作るなんて、怖すぎる以外の何物でもないじゃない! どうせあれでしょ! 街を作り上げたあとに『国造り代百億万円、ローンも可』とか言うんでしょ! 闇金リナレカ君なんでしょ! オル子さんは頭いいから詐欺には騙されぬう!

 ふんがーと跳ねて抗議していると、私に代わってエルザが問いかける。


「要求は何? まさか見返りもなく善意でやろうなんて笑えないことを言うつもりはないのでしょう?」

「当然だ。オル子の国造りの力になる代わりに、私をお前たちの館に滞在させろ。出会った時にも話したと思うが、私の目的は『より世界が面白くなること』であり、それを見て楽しむことだ。お前たちのおかげで、私の求めていた状況はここに揃った。ならば、あとはこの特等席でそれを面白おかしく傍観させてもらうさ」

「それはオル子のために魔王軍と戦うということ?」

「まさか。劇を楽しむために訪れた観客がなぜ舞台に上がる必要がある? 前時代の遺物が出しゃばってはつまらないではないか。劇をより楽しむための努力はするが、舞台の上で暴れまわるような無粋な真似をするつもりはない。だが、それでもお前たちにとって私は有益だと思うがね」

「……オル子、どうする?」


 え、どうすると言われても。

 つまりあれでしょ? リナは村の発展作業を手伝ってくれるって言ってるんでしょ?

 しかも、見返りにお金は求めません。館に居候させてもらうだけで構いませんよってことでしょ? え、これ破格の条件じゃないの? マジで詐欺を疑うレベルなんですけど。

 私はリナの服をヒレで引っ張って確認。


「本当に何も要求しない? あとで元魔王の配下雇用代とか言って大金要求しちゃ嫌よ? オル子さん金欠シャチ、略して金鯱だから無い袖は振れませんよ?」

「何も要らんよ。そうだな、敢えて言うならお前の活躍こそが何よりの報酬と言ったところか。まあ楽しみにしているがいいさ。この寂れたボロ村を、魔王が住むに相応しいモノへと変えてやろう」

「エルザさん! 雇用の方向で進めましょう! 契約書の準備を!」

「ないわよ、そんなもの。まあ、いいわ。せいぜい利用しあいましょう。リナ・レ・アウレーカ」

「そうだ、オル子の為に利用できるものは何でも容赦なく利用しろ。オル子ともども期待しているよ、魔王の右腕の後継者」

「勝手に人を性悪の後継者にしないで。不快だわ」


 エルザの許可も得て、雇用完了。

 うむ、最近は住民が増えて、その住居作りのために奔走してばかりだったからね。

 その負担をリナが受け持ってくれるなら、私たちはレベル上げやら何やらに時間を費やせるものね。

 リナの狙いはいまいち私には理解できないけど、本人がそうしたいなら是非ともやってもらいましょう。うむ! 適材適所ね!


「さて、それでは早速取り掛からせてもらうとしようか。オル子が命令で呼び出したゴーレムは二十体ほどか。これでは少々心許ないな」

「うにゅ、全体の一割くらいを目途に呼び寄せたからねえ。今からヴァルガン洞のゴーレムに命令して呼び寄せようか?」

「いや、それには及ばん。手が足りないならば、この場で生み出せばいいだけだ――このようにな」


 そう言って、リナはパチンと指を鳴らした。

 その瞬間、彼女の背後の土がもこもことせり上がり、まるでタケノコが生えるかのように次々と大小さまざまなゴーレム軍団が出てきた。

 いや、ちょっと待って、何この数! いち、じゅう……いやいやいや! 数えるのも無理なくらいウジャウジャしてるんですけど!

 うおおお! ゴーレム無双して遊びたい! シャチの狩人の血が騒ぐううう! レッツパーリー! 配管工パーリーターイム!


「なんと……一瞬にしてこれほどの岩人形を生み出せるのか」

「これが魔王アディムに付き従った魔王の右腕、リナ・レ・アウレーカの実力なのですか……なんて桁違いな……」

「ふむ、ざっと千体ほどだが、ひとまずはこれで十分だろう。それでは作業に移る」


 リナの命令のもと、ゴーレム軍団が四方八方に散らばっていく。

 村の中に向かったゴーレム、村の外に資材を集めにいったゴーレム。蜘蛛の子を散らすように散り散りになって、残るは十メートル級の巨大ゴーレムだけ。


「こいつは村の入口にでも置いておけばいいだろう。クリスタル・ゴーレムを改良して生み出した自信作でな」

「それはいいけど、くれぐれも村の人たちを襲ったりさせないでよ! ゴーレム事故なんてオル子さん許しませんからね! そんなことが起きたらシャチタックルで破壊してくれる!」

「まず在り得んよ。どうしても心配なら、支配者の命令権をゴーレムに使っておくといい。こいつはヴァルガン洞で作ったものだからな、命令権はオル子にも存在している」

「あ、そうなんだ。じゃあ安心安全アンビリーバブルね!」


 うむうむ、村の人たちに危険がないならそれでよし。

 満足していると、私の後ろでクレアがエルザになにやら確認している。


「エルザ、奴を館の中に引き込んで問題ないのか? 言いたくはないが、奴はあまりに強過ぎる。もし、奴の気が変わり主殿に牙を剥くようなことがあれば……」

「大丈夫よ。リナ・レ・アウレーカの狙いは明確だもの。この状況を導いた元凶が奴だもの、オル子を殺すなんてそれこそ絶対にありえない。こうして手を貸すのも、全ては自分の欲望のため――ならば存分にその力をオル子の為に活用させてもらいましょう」

「そうか。主殿の安全が保障され、利になるとエルザが判断したならばそれでいい。従おう」


 どうやらクレアはリナを警戒しているみたいね。

 大丈夫よクレア! リナは拳骨したりドSなことばかりするけど、命を奪ったりはしてこないから! こいつが本気なら私もエルザも出会った時に死んでるからね! 総合ランクS+怖いです!

 内心でビクビクしていると、リナが『そうだ』と思い出したように振り返り、私に疑問を投げかける。


「そういえば、まだ訊いていなかったな。オル子を王として生まれたこの国の名は何というんだ?」

「国の名前? ここはラーマ・アリエでしょ?」

「それは人間の属国として存在していたラグ・アースの国の名前だろう? オル子が王として君臨し、人魔を配下として新たな国を築くんだ。それが属国の名前では面白くないだろう?」


 前から思ってたんだけど、リナの行動基準、思考基準って面白いか面白くないかよね。

 なんとも魔物的、悪魔的。でもある意味で一番リナが魔物っ娘らしいのかもしれないわね。自由気まま、気の向くまま欲望のままに行動する生き方。


 でも、国の名前かあ……そんなの全然考えてなかったわ。ラーマ・アリエのままだと思ってたもん。

 ぴょこんと振り返り、私はみんなに視線を送るも。


「オル子、あなたが決めなさい。あなたの国なのだから」

「オル子様の決めた名前ならばどんな名前でも素敵だと思います」

「すべては主殿の決定に従います」

「わあい丸投げ! オル子丸投げ大嫌い! ふんぬうう! ネーミングセンスの問われるプレッシャーの中、オル子さんに決めろと申すか!」


 これは困った。良い名前なんて浮かばんぞう!

 オル子さんの国と言われても、いまいちピンとこないのよね。好き勝手楽しみながら毎日生きてるだけで、全然王様じゃないし。

 うむう、オル子さんの国だからオル子帝国とか? いえ、オルカ帝国? いや、そもそもなんで帝国? 帝国ちゃいますよ?

 ラーマ・アリエにちなんでラーマ・オルコ? シャチ・アリエ? ううん、全然ピンとこない。


「ぬわああん! 良いアイディアなんも思い浮かびませんのだ! オル子と愉快な仲間国でいいじゃない!」

「却下よ。そんな名前が世界に広まるなんて恥ずかしいでしょ」

「恥ずかしい扱いされた!? 私の名前は恥ずかしくないよね!? むうう……国の名前、国の名前……」

「オル子様がどんな国にしたいのか、それを名前に込めればよろしいかと。私はオル子と愉快な仲間国でも構いませんよ」


 いや、流石にそれはちょっと。

 でも、どんな国にしたいか……ねえ。そんなの決まってるわ。人も魔物も関係なく結ばれる、愛し合える国よ! 私が人化したとき、素敵な男の人と幸せな家庭を築ける国こそが私の願いだわ!

 つまり、『魔物だって恋がしたい!』を叶えられる国にしたいのよ!

 そんな願いを込めた名前かあ……ん、待てよ? 私はまじまじとルリカを見つめる。


「どうしました、オル子様。そんなに見つめられると照れてしまいます」


 うむ、いつみても正統派美少女。いや、そうじゃなくて。

 確か、ルリカたちアクア・ラトゥルネの先祖って私の夢を実現したのよね?

 恋を叶えるために人化して、結ばれて、ルリカたちを生み出した魚の魔物。あれ、まさにそれこそ私の願いそのものじゃないの?

 なんだ、簡単じゃない。よし、国名は決まったわ。遥か昔、私の思い描く夢を先んじたアクア・ラトゥルネの始祖様とやら、あなたの名前を拝借しちゃいます!


「――オルカナティア。うむ! 私たちの国の名前はオルカナティアで決まりよ!」

「オル子様、それは……」

「人も魔も関係ない、種族を超えてイチャイチャラブラブできる国こそ我が夢我が野望! その私の夢を名に表すなら、この名こそ相応しいわ! 人化して他種族と結ばれた『はじまりの女神』、私はこの国で第二の始まりの女神になってみせるのだから! どうかな、ね、どうかな! この名前!」


 私の宣言に、みんなが次々に反応を返してくれた。

 エルザは笑顔で、ルリカは目に涙をためて、クレアは満足そうに頷いて。


「悪くないんじゃない? オル子にしては頑張った方だと思うわ」

「アクア・ラトゥルネの皆に早く聞かせてあげたいです。国の名を、誇りに思います」

「とても素晴らしい名かと」

「わはー! 褒められた褒められた! どう、ミュラもいいと思う!?」


 ペチペチと叩いて返答。むふー! ミュラも心からご満悦ね!

 うきうきの私に、リナが楽しそうに笑いながら感想をくれた。


「オルカナティア、それがこの世界に騒乱を巻き起こす国の名となるのだな。『はじまりの女神』の名を選ぶとは、実に面白い……だが、その実、的を射ているとも言えるだろう」

「でしょ、でしょ? むっふー! みんなほめ過ぎだってばー! もっと褒めてもいいのよ! オル子さんは褒められて伸び伸びする子だから! もっともっと!」


 ヒレで横腹を叩き、ぴょんこぴょんこと飛び跳ねて大興奮!

 反対意見も出なかったので、国の名前はオルカナティアで決定です!


「それではこのオルカナティアが強国となるよう、せいぜい面白おかしく弄らせてもらうとしよう」

「お願いね! 人間の街に見劣りしないくらい素敵な感じでよろぴこ!」

「任せておけ。だからオル子、お前はこれまで通りひたすら馬鹿を貫いてくれよ?」

「それは断言できないかな! だって私馬鹿じゃないし!」

「ああ、実に愉しみだよ。お前の馬鹿さに、どれほど『世界』が振り回されるのか。もし、お前が『魔選』を勝ち抜いて『魔王』となったとき――果たしてアディムを殺した連中どもは正気でいられるかな?」

「ねえ、聞いてる? オル子さん馬鹿じゃないよ? 頑張れば因数分解とか余裕できちゃうのよ! 過去分詞の使い方も努力次第で何とかなりそうよ? これって知識チートになりませんか?」


 リナが自分の世界に浸って私の話をちっとも聞いてくれませんぬ。

 無視されるのは悔しいので、ヒレでリナの白衣をぐいぐいと引っ張り続けていると、ビリっと嫌な音が。やべえ!

 ミュラをルリカに預けてダッシュで一目散に逃げました。駄目でした。あっけなく捕まりました。


 ひいい! シャチ相手にマウントポジションで拳骨ラッシュなんて総合ランクS+ってば鬼過ぎる! ぎにゃああああ!

 謀反じゃ、王様相手に謀反にござる! 建国したばかりなのに、いきなり本能寺が大絶賛大炎上してるううううう! さよなら私のオルカナティア!









 ~三章 おしまい~




 

 


 これにて三章、拠点編の終わりとなります。ここまでお読み下さり、本当にありがとうございました!

 また、三章完結と同時に、一万ポイント達成いたしました! 心より感謝申し上げます! ここまで辿り着けたのも、全ては読者の皆様のおかげです。

 拠点も手に入れ、さらに騒がしくなるおバカなシャチ娘の物語ですが、これからも何卒お付き合い頂ければと思います! ありがとうございました!


 

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