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100.遅れてくるのは許さない。待たせるのは私だけの特権でしょう?

 



 王様がバラバラになってしまいました。なんてことなの、なんてことなの……

 とりあえず、頭を噛んでなくて良かった。本当に良かった。もし口の中で頭がグチャってなってたら、当分ご飯が食べられなく……いや、食べるけども。もりもり食べちゃうけども。

 さっき全部出しちゃったから既にお腹空いておりまする。お菓子食べたい。


 水底でバラバラになった王様の死体とにらめっこをしつつ、とりあえず王様の首を咥えて千切ってみる。これを敵に持っていけば王様は死んだって伝わるよね。

 聖剣とか服とかアクセサリとかどうするかにゃあ。オル子さんのお手手はヒレなので、掴んだりできませぬ。口に咥えるにも、王様の生首運ばないといけないし。

 よし、とりあえず分かり易い岩陰とかに隠しておきましょう。運び運び。戦いが終わった後でこの物騒な剣もろもろを回収すればいいよね。

 とりあえず今は王様の首を持って戦場に戻らねば。さてさて、人間たちは白旗あげてくれるかな。それとも最後まで抵抗するかなあ。オル子さんとしては前者の方が楽だから助かりますよ!


 生首を咥えて水中から浮上。

 みんなへの任務完了の報告の為に一度上空へ。雷撃の発生基点を辿ればそこにエルザたちがいるのですよ。

 そう、あの電撃は敵を殺すためではなく、迷子になった私に居場所を知らせるための砲撃だったんです!


 ヒレをパタパタさせて上空に辿り着くと、きなこもちに乗ったエルザとミリィ、そして真っ黒偽オル子に乗ったミュラ、ルリカ、そしてクレア。

 クレアの背後には剣霊化したポチ丸とアルエがふわふわ浮いてる。あれ、全員もう戻ってきたの?

 あ、そっか。私が王様を殺したから『覇王』のバッドステータスが解除されたんだ。それで作戦は成功したって分かったから、一旦上空まで引き上げたのね。

 私が戻ってきたことに気づき、みんなの視線が集まるなか、エルザが生首を見て一言。


「敵が生首だけになっているけれど、体と聖剣はどうしたの? まさかとは思うけれど、食べてしまったのではないでしょうね?」


 な、なんて失礼なことを言うの! 可憐なヒロインは人間も剣も食べませぬぞ!

 ぶるぶると強く首を振り、私は生首をルリカに渡す。ルリカが手を差し出してくれていたからね、なんて優しい娘なのかしら。

 ツンデレの過ぎるエルザもそこんところ見習うべきですよ! 鞭ばかりじゃなくてたまには盛大に飴をプリーズ!


「聖剣は一時的に湖の底へ隠してきたよ。王様の体は力加減を誤って噛み砕いちゃった。溺死させた後、急に無敵防御の効果が消えたんだもん。口の中に王様のミンチ味が広がって酷い目にあいましたよ! 私は王族ハンバーグなんて食べませんのだ!」

「そう。とにかくお疲れ様、みんなもよく息を合わせて作戦を成功させてくれたわね。聖剣という厄介な武器を失った以上、人間たちに私たちを殺す手段なんて残されていないでしょう」


 だよね。全滅させるだけなら、高所からエルザやミュラ、私でバンバン遠距離攻撃連打してれば余裕ですしおすし。

 敵がエルザの魔法を障壁で凌いでいるのだって、エルザの使っているスキルが『サンダー・ブラスター』で一番弱いスキルだからだし。

 これが『ライトニング・フレア』だったり『アビス・キャノン』だったりしたら、あんな薄っぺらい障壁一撃でぶち壊れそうですよ。私の『森王君臨』からの『冥府の流星』は言わずもがな。

 もはや風前の灯となったサンクレナ軍。王が奪われ、混乱極まっているであろう人間たちに一瞥することもなくエルザは私に確認をとる。


「これで条件は成ったわ。確認するために『支配地勢力図』を見せてくれる?」

「ほいほいさ! ぬうん、スキル発動!」


 ぴこぽーんと『支配地勢力図』を発動。

 空中に浮かぶように現れた地図に、エルザは頷きながら言葉を紡ぐ。


「推測通りね。サンクレナ王国の支配地の色が『無色』になっているわ」


 そう言って、エルザは地図のある個所を指さした。

 その部分はまるで透明のセロファンでも張られたようにスケスケ状態になってました。なんぞこれ、不思議。

 ヒレでツンツンと突いて遊ぶ私をスルーして、エルザは説明を続けていく。


「魔物は『支配者』を殺すことで『支配地』を奪う。けれど、人間はそうじゃないわ。親から子へ、時には赤の他人へと命を奪うことなく『支配者』を継承するための、魔物界とは異なるシステムが構築されているようね」

「ほむ? 単に王を殺したオル子さんが魔物で、『支配者』になれなかっただけじゃないの? 中央境界線の向こう、人間の支配地は魔物の物にすることはできないんでしょ?」


 人間の支配地は魔物が手にすることはできないみたいなこと、かなり前に聞いた気がするもんね。オル子さんは記憶力がいいんですよ! 今日の朝御飯を既に覚えてないけども!

 私の質問に、エルザは頷きながら答えを返してくれた。


「魔物が人間の支配地、その支配者になれないのは間違いないわ。けれど、魔物の領域と『支配地』に関するシステムが同じならば、空白となった場所の支配者となるのは『支配地内で一番の強者』へと移行するはず。そうならず、無色となってしまったということは、『支配者』が不在状態になってしまっているということよ」

「なるほど! つまり、どういうこと?」

「人間たちには『支配者』を生み出すための独自のシステムが存在するようですので、それを利用してオル子様に忠実な『人間』を『支配者』にしようということです」


 首を傾げる私に、ルリカがやんわりと笑顔で教えてくれた。

 ありがとうルリカ! 手に抱えている王様の生首がちょっと怖いわ! 生首に微塵も動じないあたり、流石は魔物っ娘と褒めてやりたいところですよ!

 そんなルリカとは対照的に、エルザは冷たい視線で私を見つめてくる。


「この話は全て昨日の作戦会議の際に説明したわよね? あなた、何も聞いてなかったの?」

「いや、そんなことは……き、聞いてましたよ? ちょっと話が難しくて『どうせエルザが何とかしてくれるから別にいいや』とか思って寝たりしてませんよ? ほ、本当ですよ?」

『嘘つきやがれ、涎垂らしてぐーすか居眠りしてやがったくせに』


 飼い主の必死の嘘をブサワンコがあっさりばらしました。ぐぬぬ。

 呆れるように溜息をつきつつも、優しいエルザさんは改めて作戦を話してくれました。


「サンクレナの人間たちを殺し尽したり人間を傘下に加えても、今度はガルベルーザ・聖アルカナとの二面作戦を強いられてしまうことになるわ。仮に二国を撃ち破ったら、今度は竜峰と隣接することになってしまう。正直なところ、こっちは『魔選』のことでいっぱいなのに、人間や竜族なんて相手にしてられないの。そうでしょう?」

「そうですよ! ハーディンやイシュトスのことでいっぱいいっぱいなのに、人間たちとの戦いなんて延々続けるのは嫌でございまする! オル子さんはぐーたらしたい!」


 もしガルベルーザや聖アルカナとかいう国が『聖剣』みたいなチート兵器持って来たらどうするのよ。

 今回は上手くいったからよかったけれど、また同じように上手くいくとも限らない。私たちに気づかれぬまま初見殺し兵器を持ち込まれ、奇襲されたら目も当てられないわ。

 ヒレをふりふり、尻尾をふりふりして力説する私に、エルザは人差し指を立てながら言葉を続ける。


「だからこそ、サンクレナを完全な傀儡にして北方に対する『蓋』としたいのよ。オルカナティアの人間を『支配者』とし、サンクレナの人間に対する『命令権』を握ってしまうの。そうすれば連中は二度とこちらに侵略することも、逆らうこともできなくなるでしょう? 他の人間国や竜峰にオル子の傀儡となった人間の国を挟んでしまえばいい」

「食料や武具などを提供させるのもありですね。もちろん、他国に侵略されない程度の余力を残し、生かさず殺さずを保つ必要がありますが」

「『支配者』となり『命令権』さえ奪ってしまえば、あとは如何様にも使えるでしょう。殺して経験値にするとしても、それは人間たちが不要の存在となった後でも遅くはないでしょう?」


 なるほど、エルザのことだから『人間全てを殺せば効率の良い経験値になるから殺しましょう』なんて言うかと思ったわ。

 まあ、別に人間全てに恨みがある訳でもなんでもなし。攻めてきたから殺しただけですし。

 生きたまま済ませてあげられるなら、それに越したことはないのでしょうか。まあ、もしまた性懲りもなく攻めて来たら一人残らず殺してもいいと思うけれども。迷惑だし。

 ……ぬ、今の発想も何だか魔物的! 怖い! 心が魔物に染まってく、そんな自分が怖いわ! 怖い怖い、饅頭とショートケーキとチョコレートが怖い! お腹空いたよう。


「敵の頭を潰したのだから、勝敗は決したでしょう。残る雑兵たちに王の首を見せて、降伏させ、サンクレナ王城へと向かいましょう。魔物に敗北した軍隊の姿と王の首を見れば、人間どもも絶望するでしょう」

「ほむほむ? 敵のお城へ行って何をするの?」

「『お願い』して王位継承の方法を教えてもらうのよ。人間にとって王位継承は『支配者』の譲渡。システムとして成立している以上、国の王として『世界』に認定されるための方法があるのでしょうから。それをオルカナティアの人間にやらせるのよ」

「オルカナティアの人間って、やっぱりキャス?」

「いいえ、キャスではなくササラにやらせるわ。ラグ・アースは魔物との混血とはいえ、代を重ねてそのほとんどは人間の血と言ってもいいもの。恐らくササラでも可能でしょう。もし駄目ならキャスの副官の一人にでもやらせておくわ」

「ササラ? どうして? キャスじゃ駄目なの?」

「本人に断られたのよ。王族である自分がサンクレナの『支配者』に立てば、いつの日か間違いなく人間たちは自分を旗としてオル子に反旗を翻そうとする、とね」


 まあ、それはあるかもしれないね。キャスはサンクレナの王族で、人望厚かったお姫様みたいだし。

 本当ならキャスを国に返してあげて、立派な王様になってね! って感じがサンクレナにとって最高のハッピーエンドなんだろうけれど……オルカナティアはキャスがいなければ内政が回らない状態なんですよ。そしてオル子さんはキャスが好きなので離ればなれになりとうないのです!

 だからキャスはサンクレナに絶対返してあげませぬ! サンクレナのことは残る王族連中で何とかしてくださいましこ!

 そもそもオル子さんが山賊から助けて出会えたんですよ! どうしてもキャスが欲しければ私から力ずくで奪ってみなさい! あ、これこそ反乱を誘発しまくりしそう。


「とりあえず納得しまひた。ちなみにササラにこのことは?」

「納得してくれたわよ。最後まで嫌がっていたけれど、オル子の為と言ったら首を縦に振ってくれたわ。王になった暁にはあなたを一発殴らせろと言われたけれど」

「なんでえ!? 私なんも悪くないのに!?」

「それじゃ、生き残った人間たちとの『交渉』に向かいましょうか。要求を呑んでくれたらそれでよし、抵抗するなら皆殺しにして王城で再び『交渉』するだけよ」


 きなこもちを巧みに操り、高度を下げていくエルザ。それに続く私たち。

 というか、きなこもちを完全に乗りこなしてますよエルザさん。もしかして騎乗スキルとか持ってたりするの? 将来的にはマジック・ナイトに進化したりするの? 魔法撃って再移動するの?

 作戦も決まり、敵の王様がいたあたりを目指して高度を下げる私たち。

 途中、私たちの姿に気づいた兵士たちが慌てて魔法を撃ってきたけれど、それを見てエルザが――


「鬱陶しいわね――『アビス・キャノン』、消えなさい」


 ――敵の魔法部隊を一瞬で灰に変えてしまいました。顔色一つ変えることなく。

 これまでの手加減していた『サンダー・ブラスター』とは違い、容赦ない最大火力によって、魔法部隊の障壁なんて余裕で貫通して一掃ですよ。一気に500人くらい死んだんじゃないですか、これ。

 多分、ウチで一番怒らせちゃいけない相手はエルザだと思うの。まあ私は良い子だからエルザを怒らせることなんて絶対ありえないんですけど! 私とても良い子だから!

 エルザの一撃で、今度こそ抵抗する気力を失った兵士たち。逃げ惑い、戦場から離脱する兵士多数。ですよねー。逃げるよね、普通。ほんとチート鬼火力ですよ!


 そして、私たちは王様のいた場所で腰を抜かしている偉そうなおじさんの前に。ほむ、ピカピカの鎧してるし、きっとこの髭がナンバーツーね!

 おじさんは視線を私とルリカの持つ王様ヘッドをせわしなく交互に動かし続けている。なんだか気の毒になるくらい怖がってる。

 ごめんねお髭様、これからもっと怖がらせちゃうけど、ワル子さんを恨まないでね! 恨むならオルカナティア侵攻を決定したご主人様を恨んでね!


「どうしたの? お前たちの敬愛する王との対面でしょう? 私たちに遠慮せず、これまでのように機嫌を窺うといいわ。もっとも、その王から二度と言葉が発されることはないけれど」

「は、はひっ! き、きさまっ、あ、あああ、アガレス王をっ! せ、聖剣を破ったというのか!? 魔物でありながら!?」

「何を驚くことがあるのかしら? 強き者が生き残り、弱き者は食い物にされる、それがこの世界における絶対不変の掟だろう? 聖剣だか何だか知らないが、お前たちの王は私より弱かった。だから喰らわれてしまった、それだけのことじゃない」

「ひ、ひいいいっ!?」


 尻餅をついたまま、必死に私から逃げようとする元ダンディ。

 ううん、こっちが申し訳なくなるくらいナイスミドルが台無しだわ。周囲の兵士たちも怯えたり喚いたりしてるし。なんか本当にごめんね! シャチは見た目こそ怖いけど、本当は優しい生き物なんですよ! 芸だってするよ!

 まあ、でも期待以上に怯えてくれてるから、ゴリゴリと押し込んでいきませう。決して脅しじゃないよ! お話ですよ! お話!


「お前たちの王は殺し、自慢の魔法部隊も一掃したわ。残るは烏合の衆、ゆっくりと皆殺しにしてやるのも悪くないけれど……どう? 副官らしきお前に選ばせてあげるわよ? 王の後を追いたいと願うならば、喜んで惨殺してあげる」

「い、嫌だっ! 死にたくない、死にたくないっ! この地位につくために、あの狂王に媚び諂って、与えられた汚れ仕事もすべて必死にこなしてきたんだっ! 奴の欲望を満たすために、どんな狂った任務もやり遂げてきたんだ! 私はまだ、死にたくないっ!」

「ククッ、正直な奴ね――いいわ、お前の望み、叶えてあげる。もし私の言う通りにするならば、お前を含めた残る兵士を全て殺さずにあげてもいいわよ?」

「ほ、本当か……本当に、本当に私を殺さずにいてくれるのか!? 頼む! 私にできることならなんだってする! だから命だけは、命だけは!」


 うわお、凄い勢いで食いついた。どれだけ必死なのナイスミドル。

 魔物との交渉なのに、微塵も疑っていないのね。あれかしら、もう藁にも縋るみたいな感じなのかしら。

 大丈夫、オル子さんは義理堅いの! 守ると決めた以上、約束は守るよ!

 オルカナティアの領地に侵攻しない限りサンクレナ軍に先制攻撃しないと言ったわね? あれは嘘よ! ケースバイケースで動く時もありますが、気にしない!


 まあ、でもこの感じだと、話はあっさり進みそうね。

 この偉そうなおじさんを連れて、堂々とサンクレナ城に入り、王様の生首を大臣か何かに投げつけて王に認定されるための儀式をササラにパパッと施して終わり!

 いやあ、今回の戦いも頑張ったわ! みんなで力を合わせ、危機を乗り越えた……まさに全員の勝利と言えましょう!

 ささ、さっさとお話を終わらせて、やることやってオルカナティアに帰りましょうそうしま――





「――それでは困るな。貴様らには少なくともこの場の全ての人間を『聖剣』の餌としてもらわねば、こちらの予定が狂ってしまう」





 その声は、私たちのさらに上空から聞こえてきた。

 決して太くなく、けれどしっかりと真の通った男性の声に、私たちは視線を上空へと向けた。

 そこには、ブロンズ色の長髪を束ね、白を基調とした漢服のような衣服を身に纏った、とんでもない美形がそこにいたわ。

 美形よ。超絶美形よ。美形なのに、私の心が微塵も躍らないのは、あれよ……その男の登場の仕方、そして、額に生えた反り返った二本の角。


 知ってる。このパターン知ってる。というか、前も経験したよ。オル子さんこれ、前も経験しましたよ。

 キャスを山賊から助け出したときにも全く同じ流れで登場した奴いましたよ。仕事が終わってわはーって時に現れた、空気を微塵も読めない種族がいましたよ。

 私はヒレで頭を押さえて、ぼそりと呟くの。


「なんなの、なんであいつ等は戦いが終わった後に出てくるの? 空気読めないの? 馬鹿なの? 死ぬの? 裏ボス気取りなの? ぐぬう、本当に大嫌いよ――『竜族』め、今日という今日は許さないわ! KY種族なんぞぎったんぎたんにしてくれるわあああ!」

「ぎったんぎたん! ぎったんぎたんー!」

「おっと、もちろんミリィだけは例外よ? おほほ! かわいい!」

『お前、ちったあ緊張感持てよ……あいつ、かなりやべえぞ。下手すりゃ「六王」でも最上位クラスの使い手なんじゃねえか?』


 ポチ丸の突込みを右から左にスルーしました。

 うるさいわね、強敵かどうかなんて分かり切ってるのよ。激ヤバ案件よ。私の『識眼ホッピング』が数値でそれを教えてくれるのよ。





名前:レクナト

レベル:13

種族:ホーリー・ドラゴン(進化条件 レベル20)

ステージ:8

体量値:S+ 魔量値:S+ 力:B 速度:A

魔力:S+ 守備:S 魔抵:S 技量:A 運:D


総合ランク:S





 はい、出ましたよ。ランクSオーバーですよ。知ってた。アヴェルトハイゼンとは正反対の魔力特化型ドラゴンさんですか、そうですか。ぐぬぬ……

 しかも竜族ってことは、ここから『竜化』するということで……もうヤダ。

 なんで私の出会うイケメンはどいつもこいつもオル子絶対殺すマンなの? 私はイケメンとの出会いに呪われてるの? 呪いをかけられたお姫様なの?


 はああ……戦いたくないでござる。強敵とのバトル嫌でござる。

 散々思わせぶりなこと言って『フッ、今はまだ貴様と戦う時ではない』とか言って引き返してくれないかな。

 くそうくそう、私は悪い魔物じゃありませんので見逃してください! 既にサンクレナ軍の人間をざっと7000人くらい殺しちゃってるけど、全然悪い魔物じゃありませんのだ! ぷるぷる!



 


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