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9話

連載再開します。

良かったら続き読んでください。

美羅依達が通う学園は私立の総合学園である。

幼稚園から大学、大学院まで擁する一大学園都市を築いていた。学園の校舎を結ぶ交通網として地下鉄が整備され、基本的にはその地下鉄を学園都市内では使用することが多い。

学園の校舎は学園都市の一番外側に配置され、各地下鉄の最終駅にもなっている。

小学部から大学、大学院までには理事長直属の学園都市防衛のために秘密裏に配された組織があると、まことしやかに囁かれていた。

そして、各学園校舎に配される生徒会は各校舎毎に自治権が認められ、行事、運営など様々な権利が与えられていた。

そのため、生徒会には代々優秀な者がスカウトされ、運営に携わることになっていた。

優秀な人材として集められたクラスがZクラスであり、そのクラスだけはある能力がある者しか入れないと噂があった。実際に入った者は他のクラスに入ることはなく、高校生まで同じクラスとなる。

大学、大学院には特殊科が揃い、その科それぞれに優秀な者が入り、学園の大学舎の運営も行っていた。

「生徒会からメールきてたけど、読んだ?」

美羅依が思い出したように柚耶に聞いた。

「ああ、また事件があったみたいだな」

うんざりした表情で柚耶はため息を吐いた。今月だけで三件。犯人の特定もできず、犠牲者だけが増えていた。犠牲者は決まってこの学園の生徒。今わかっているのはそれだけだった。

「またあの映像を見なきゃいけないんだね」

美羅依は苦虫を噛みつぶしたような表情で大きくため息を吐いた。

「仕方ない。俺達はこれでもこの学園の生徒で生徒を纏める生徒会役員なんだからな」

美羅依の頭に手をのせてぽんぽんと宥めるように柚耶は言った。

「うぅっ…わかっているけど、納得できないっ」

悔しそうにしながらも割り切ったのか生徒会室へ歩を進めた。

「おはようございます」

生徒会室のドアを開いて中に入ろうと挨拶をしたところで美羅依と柚耶は立ち止まった。

「おはよう。今日は二人仲良く登校とか見せつけてくれるねぇ」

一番奥で楽しそうにニヤニヤして挨拶をした人が現生徒会長を務める(みや) (いつき)という人物で、美羅依が現れなければ本家入りしていたと言われた人である。

「ここからでも良く見えたよ。先週まではそんなに仲良かったわけじゃなかったのにねぇ」

意地の悪い笑みを二人に向けて、生徒会長は楽しそうに言った。

「なっ…そんなことは…」

美羅依はしどろもどろになりながら、否定しようとした。

「別に良いじゃないですか」

柚耶は口を尖らせて美羅依には表情が見えないように横を向いてぼそりと返した。

「…何か言ったかな?高梛君?」

これ見よがしに生徒会長は晴れやかな笑顔で柚耶に詰め寄る。柚耶はそれ以上何も言わず、自分の席についた。美羅依も不思議そうな表情をしつつも柚耶に倣って席につく。

「まぁ、いじめるのは後にしてあげて、本題にいこうかな」

生徒会長の言葉に先に来ていた生徒会役員の一人がスイッチを押すと、今まで開いていた窓のカーテンが閉められ、スクリーンが自動で降りてきた。全員がスクリーンに注目する。

「一週間前の現場の写真がこれ。それで次に見せるのが昨日起きた事件の現場写真」

そこに映し出されたのは通常の人間であれば目を背けたくなるような写真が写されていた。一枚目は壁一面に広がったおびただしい量の血液。二枚目はその犠牲になった人と思われる写真。思われると言うのは人とは思えないくらいに損傷した遺体であることを意味する。

さすがに二枚目の写真を目にしたときは数人の女子生徒は目を逸らしていた。

「かろうじて着ていた服装と残っていた遺体から女性とわかったが、部屋の住人である事がわかるまでにはまだ時間がかかると警察から連絡があったよ。それで、今日集まって貰ったのには続きがあってね。ここ一か月にあった事件との関連がありそうだということ。それもかなりの確率でね。警察では限界があるそうで、うちにも話が回ってきたってこと」

生徒会長はそう言うとスクリーンを上げるように促した。

ありがとうございました。

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