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彼は不快気に眉をしかめ、腕を上げて光を遮った。ひどく眩しい。だが実際には松明3本の光だった。辛気臭いソアフェイムの顔がある。鋼でも入っているようにしゃっきりと背筋を伸ばし椅子に座っていた。
狭く圧迫感のある石壁、天井。洞窟内の一室のようだ。入口付近と違って、人の生活環境に必要な細工が施してある。燭台も寝台も、辛うじてそれとわかる石の形だが。カーリデュルアは布を敷いただけの寝台に肘をついて体を起こし、眉をしかめた。
「気分はどうだ」
声をかけられたが、肘を立てた状態で硬直していた。妙な感覚に襲われ、息が詰る。筋肉の動き一つ一つが微細に感ぜられ、まるで自分の体ではないような―――だが何の問題もなかった。思い通りに動く。寝台に座って、穴が空いた服をつまんだ。血が乾いてバリバリになっているが、その下の肌に傷はない。
「………悪いところはない」
「大丈夫そうだな」
拳を握って開く動作にも内側で筋が伸びたり縮んだりする感覚が付き纏ったが、繰り返すうちに薄れていった。魔術師が部屋の外に向かって合図する。ダグコールが入ってきて、カーリデュルアが顔を上げると、相手は驚いた反応をした。
「なんだ?」
「目………変わってんぞ」
咄嗟に眦に指をやったが、自分でわかるはずがない。魔術師に視線で問うたが、彼にはどうでもいいことだったようで、では戻ろう、と言った。




