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道標

作者: 雪鳴 冬亜

ボクが生きようが死のうが誰も気付きやしないんだろ?

それならいっそのこと死んでしまおうか…

それとも無駄な人生を歩むべきなのかな?


あぁ、誰かボクに答えを教えて…





あぁ、今日も生きながらえてしまった…

こんなふうに思いながら生きるくらいなら死んだほうがいいの?

今日も誰も答えてくれやしない…

みんなボクのことをいないように扱う…

そう、人が死んだとしても数時間たてばいつもどおりの毎日がやってくる…

なんて滑稽なんだろう…誰も本当に悲しんだりしないんだ…

それは、ボクも同じなのかなぁ…




今日もいつもどおりの毎日。

何事もなく昨日と同じように時間は流れてく

そう、ボクも昨日と何も変わらない。

ただ、生きてることが馬鹿らしくて、死ぬことも怖くてできない、滑稽な生き物。

いる必要もないのに、今も生きのびてる馬鹿な自分。

なんのために?だれのために?

何もわからない。考えることさえ億劫だ…

あぁ、消えてしまいたい

もう、何もしたくない…


誰かボクに答えを…………







誰か来たみたい…

誰かがボクに近づいてくる…

この人はボクを救ってくれるの?

それとも、前の人と同じように…


「やぁ、こんにちは。きみはここでなにをしてるのかな?」


…なにも…


「それなら、僕と一緒に来ないかい?」


…ボクで…いいの?…


「君がいいのさ!ずっと、ずっと探してたんだから。」


…君はなぜボクを探してたの…?…


…利用するため?…それとも…


「ただ君に会いたかっただけさ。といっても信じてはくれないんだろ?それなら、僕についておいでよ。」


…そうだね…そうするよ。


…どこにいくの?…


「僕と君だけの隠れ家に…」




ここは何処?なぜボクはこんなとこにいるの?


あぁ、そうだ。ボクは拾われたんだった…

あの親切そうな人に…


でも、あの人もボクを利用しようとした…

だから、殺しちゃったんだっけ?


あぁ、ここにももうボクの居場所はない…



「やぁ、おはよ。いい朝だね!」


…………


「驚いているのかい?無理もないよね。僕を殺したつもりだったんでしょ?」


…………


「何も話すつもりはないのかい?」


…………


「僕のことが怖いの?それとも…」


…べつに……


「あぁ、やっと話してくれた!」


…なぜ、そんなに喜ぶの?……


「君が好きだからさ。」


…そんなうそ…いらない…


「嘘なんかつくものか!」


…だって…


「利用しようとしたから?」


………………


「別に利用しようとしたわけじゃないよ?」


…嘘だ…


「嘘じゃないよ?僕はただ君が欲しかっただけ…」


…ボクはもう…あなたのものじゃないの?…


「そうかもね。でも、君の心はまだ僕のものじゃないからね。君が心から僕のことを好いてくれるのを待ってるのさ。」


…なんで?…好きなようにすればいいのに…

みんな、そうしてた…そして…


「殺したんでしょ?僕は殺されたくはないからね。」


…でも、ボクはあなたを殺したはず…


「そうだね。でも、死ななかったんだよ。」


…そんなこと…


「ありえない?でも、僕はこうして生きてるよ?」


…………


「何も言えなくなったら無言?それはひどいんじゃないかな」


だって…何を話せばいいのかわからない……


「ふふっ」


なんで笑う?


「かわいいなって思って」


かわいい?ボクが?


「そうだよ?」


人形としてつくられて捨てられたボクが?


「そんなの関係ないよ。僕は今の君を好きなんだから」



好き、とかわからない…


「これから教えてあげる。だから、これから僕と過ごしてみない?勿論、殺すのは無しで」


うん…わかった…(どうせ、何も変わらないんだから)


「これからよろしくね。そういえば、君の名前は?」


…ボクの…なまえ?


「そうだよ。なんて言うの?」


ボクには、名前なんてない…


「じゃあ、僕がつけてあげるよ!悠月(ゆづき)とかはどうかな?」


別に、なんでも…


「じゃ、決定ね!これからよろしく!悠月。」


うん…ところで君の名前は?


星己(しんき)だよ。」


そう。よろしく…しんき…


「うん!それにしても悠月はかわいいよね!はじめて会ったときから思ってたけど!」


だって…にんぎょう、だし…


「それもあるかもだけどさ、性格とかもかわいいよ!」


あ、ありがと…


「いえいえ!」


あの、聞きたいことがあるんだけど…


「ん?僕に答えれることならいいよ~」


ボクの、ことは誰からきいたの?

誰からも聞かずに、あんなとこ、来れるはずない、から…


「それを知ってどうなるの?」


どうにも…


「じゃ、知らなくていいんじゃないかな。悠月には傷ついてほしくないし」


傷つくってなに?

ボク、そういうのよくわからない…


「困ったなぁ。」


なにが?


「そういう反応かわいくて困るんだよ。」


ボクが、かわいいと、困るの?

じゃ、ボクはなんのためにつくられたの…?


「ああ、ごめんね。そういうつもりじゃなくて…

ただ、そんなに無防備だとさ、僕の理性が飛びそうで怖いんだよ…」


え?そんなこと、起こるはずないよ…


「なんでそう言い切れるの?」


今までだって、なかったし…


「それは、そう思う前に悠月が殺しちゃったからじゃないかな~」


そう、なの?


「そうだと思うけどね~」


そう…ところで、話、そらしたよね?


「気づいちゃったんだ~

やっぱ、悠月は頭いいよね。人間として生まれることができたら良かったのに…」


そだね…でも、別に、この生活気に入ってるから


で、ボクのこと誰からきいたの?

もしかして…あの人?


「そうだと言ったら君はどう思うの?」


別に…気にしない…

あの人がボクのことこわしたいって思ってるの…

知ってるから…


「君を作った人なのにひどいよね」


別に。ボクはわるいこ、だから…

こわされてもいい…でも、こわされるなら

あの人がよかったな…


「そうなんだ。でも、あの人は君に会いたくないっていってたよ…」


だろうね…だから、こうやって人を送り込んでくるんだよね…


しんき、もボクのこと、こわすつもりなんでしょ?

こわしてもいいよ?

もう、生きてるの、疲れたし…


「僕はそんなことするつもりはないよ。ただ君を人間にしてあげたいだけ…」


ボクを…?

むり、だと思う…


「無理かどうかなんてやってみないとわからないよ!」


……………


「君がどう言おうと僕はやるからね!」


そう、がんばって…


「うん!そうとなったら、まずは僕と仲良くなろうか!」


どうやって…仲良くなる方法なんて知らない…


「んー。僕もきちんとは知らないけど、でも、もうすでに仲良くなり始めていると思うよ。」



…………よく、わからない…………


「今はそれでいいよ。そのうち、教えていくから」



この、話は、

ここで、おわり…


この先は、誰も知らないみらい…

君が創りだしてく、新しい世界…

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